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葦原戦記  作者: 猫山 緑


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剣舞

お腹が空いて起きるともう昼の12時だった。

昨日の疲れがまだ少し身体に残っている。


出雲は部屋を出て真っ直ぐに隊長に会いに行った。


理由は簡単だ。昨日土蜘蛛と戦った時に自分の剣術はハゲの頭に髪の毛1本生やした程度しかないと思い知らされたからだ。


だから、剣術を心得てそうな隊長のところに向かった。


「隊長、俺に刀を教えてください」


「急にどうした、出雲。俺に刀の才はないぞ。剣術を教えて欲しいのなら桜のとこに行ってくれ。あいつは組織の中でもトップクラスの剣術使いだ」


「そっか、ところで副隊長は何処にいるんだ?」


「あぁ、桜なら第3部隊のトレーニングルームにいるはずだぞ」


「わかったありがとう」


急いで出雲はトレーニングルームに向かった。

そこはだだっ広い体育館みたいな部屋で、ここではある程度無茶をしても大丈夫らしい


「副隊長、刀を教えて欲しくて来ました。」


「いいけど、私?」


「隊長が組織でもトップの剣術使いだって言っていたので」


「そんなに褒めても何も出ないよぉ。」


と言いつつ褒められて嬉しそうにしていた。


「出雲くんは、剣術に流派があるのは知ってる?私達は神威に合わせて流派を決めるの。私は剣舞、神威:コノハナノサクヤビメと相性がいいんだ。」


「俺の神威:オオクニヌシにも剣舞って会うかな?」


「あなたのお父さんも剣舞だったよ。私の剣術の師匠なんだよ」


「俺の親父も剣舞、副隊長いや師匠俺に剣舞を教えてくれ」


「師匠って呼ばれるの初めてで気恥しい。まぁいいわ。剣舞っていうのは名前の通り舞うように剣を振るうの。氷川師匠が言うには攻撃にはリズムがあって相手のリズムを崩すように攻撃するの」


「リズムを崩す?どうやって崩すんだ」


「例えば、相手が早い攻撃をしてきたらこっちは反対にゆっくり受け流すみたいな感じかな。相反する力を上手く扱う必要があるの」


「なるほどな、他に大切なことはないのか?」


「そうだなぁ心技一如と言ってね技と心は切り離せないのもし、戦う時に雑念があってはいい技は出せない。これくらいかなぁ。あとは基礎固めの素振りや打ち込み、瞑想だね。頑張ってね」


「はい、ありがとうごさいます。師匠」


「どういたしまして」


と言い師匠は去っていった。


そこから1ヶ月位出雲は鍛錬に打ち込んだ。その間に10回くらいは妖怪退治にも出かけた。鈴との連携も上手くいくようになっていき、ついには2人だけでの任務も行けるようになっていた。


今日もいつものように鍛錬をしようとしたら、隊長がやってきた。


「どうしたんですか、隊長」


「妖怪が出た、また葛木山だ。」


「なんで、前土蜘蛛は倒したぞ」


「そんなことは俺もわからん。急ぐぞ」


出雲は隊長と一緒に転移部屋に行き鈴と師匠と合流した。


「またせたな、桜」


「いや、大丈夫ですよ。いま反応が出ている葛木山ですけど、実は2体の反応が出てるんですよね」


「なるほどな。2体か、まぁさっさと向かうぞ」


見た事ある景色の場所に辿りついた一同は前土蜘蛛がいた洞窟の方に向かった。


そこには見た事のある顔が人間で身体が蜘蛛の土蜘蛛がいた。


「土蜘蛛なんでお前が生きてやがる。お前は俺が最初に殺したはずだ」


「あぁ確かに死にそうにはなったがな。わしは幻術を使う妖怪じゃからの。お前らが見たのは幻じゃったんだ」


「はぁ幻術ってなんでもありかよ。でも今度は絶対殺してやる」


「調子に乗るなよガキ共、今日は助っ人も居るからの」


土蜘蛛の後ろから顔が牛、脚が蜘蛛の不気味で大きな妖怪が出てきた。牛鬼だ。


「おい2手に分かれて戦うぞ出雲と鈴は土蜘蛛、俺と桜は牛鬼とわかったか」


一同は頷き2手に別れた


繭檻まゆおり


名前の通り繭の檻に土蜘蛛は2人を閉じ込めた


「この檻は次第にお前らのことを溶かすだろう」


「くっそ狭くて腕が上手く動かせねぇ。鈴大丈夫か」


「私も手が動かせなくて神威が使えない」


「これで詰みだな。ガキ共」


【桜之舞:花吹雪】


桜の舞うようにヒラヒラと繭を切りつけた


「大丈夫?君たち。油断禁物だよ」


「師匠助かった。ところで隊長はどうしたんだ」


「隊長ならこんなやつ1人で充分だあいつらの援護に行ってやれだってさ、牛鬼は思ったより弱そうだったの」


「3人に増えた所で関係ない」


蛛糸乱斬ちょしらんざん


全方位から鋭い糸が3人を切ろうと襲いかかってくる


「前は腕を切り落とされたが今回はそうはいかねぇぞ【葦原想像:国造之太刀】」


眩い光と共に現れた刀を手に出雲は飛んでくる糸を全て切り落とした


「なに、まさか切り落とされとは。前まで刀の使い方もろくに分からんかったやつに」


岩波流いわなみのながれ


岩が波のように揺れながら土蜘蛛に押し寄せた

そこで倒れ込んだ土蜘蛛に鈴は


蛇比礼へびひれ


薄い布が大蛇の形になり土蜘蛛に噛みついた。

噛みついた場所からは紫の霧のようなものが出た


「この蛇には、神経毒が混じってるんだよ」


土蜘蛛は手足をおもうように動かせていなかった。


苦しそうな声で


「この程度の毒少し時間が経てば解毒できる」


「なら、解毒する前に倒すだけだな」


千岩氷柱ちがんつらら


つらら状の岩が何本も土蜘蛛目掛けて雨のように降る


「やったか」


砂ぼこりがやみ土蜘蛛のいた場所を見るとそこにあったのは脱皮殻だけだった


「脱皮殻、本体は何処に行った」


「いい攻撃だった。危うく死ぬところだったよ。」


後ろを振り向く。そこには身体は20代くらいの男、顔は蜘蛛で白髪が生えている。不気味な蜘蛛男がたっていた


「久方ぶりだこの姿になったのは。あの忌々しい頼光との戦い以来だ。」


「頼光ってあの平安時代の?」


「そうだ、あいつに敗れ封印された。そして1000年ぶりに封印を破り出たと思えばそこにいるガキ共に邪魔をされた。そこから1ヶ月俺は人を喰い地道に回復をしていた。」


「ここら辺で失踪事件が相次いでいたのはお前のせいだったのか」


「それの何が悪い、弱い人間が悪いのだ」


「お前は絶対に俺が殺してやる」


岩龍舞がんりゅうのまい


岩で出来た龍が刀身に宿り龍のように舞いながら土蜘蛛に攻撃をした


だが、土蜘蛛は蜘蛛の足のような刀を2本取り出し攻撃をいなした


「君の攻撃は実に単純だ。刀身に宿る龍が可哀想なくらいにね」


【桜之舞:枝垂れ桜】


風になびく枝垂れ桜のような剣技で土蜘蛛の事を切りつけた


「ごめんね、うちの弟子まだ刀握って1ヶ月なの。」

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