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龍運  作者: 星凪 怜
12/17

星の神殿


広大な平原を進むルナとアルデバランは、星の神殿の白いシルエットが徐々に大きくなるのを見ながら歩みを進めていた。


朝陽が平原を金色に染め、風が草を揺らす中、ルナの心は期待と少しの不安で高鳴っていた。

彼女の手には父バルドの黒竜石のペンダントが握られ、母エリナの聖水と薬草、ルークのナイフ、ガレンの魔力を宿した短剣が革袋の中で彼女を支えていた。

星の守護者の歴史を聞き、自身の血に流れる古の力を知ったルナは、星の神殿で待つ試練に立ち向かう決意を固めていた。

「星の神殿ってどんなところなの? すっごい魔法がいっぱいあるの? それとも、キラキラした宝物とか?」

ルナの声は、平原の静けさを破るように弾んでいた。


アルデバランは杖を手に、穏やかに答えた。

「星の神殿は、ただの建物ではない。星の守護者が古来から力を引き出し場所だ。気を引き締めるのだ」



数日後、ルナとアルデバランはついに星の神殿の前に立った。

神殿は白い大理石で作られ、柱には星座を象った彫刻が施されていた。

屋根の上には、巨大な水晶が輝き、昼間でも星のような光を放っていた。

ルナは神殿を見上げ、息を呑んだ。

「わあ…めっちゃきれい! これが星の神殿? なんか、星が降ってきたみたい!」


アルデバランは杖を掲げ、神殿の門に触れた。すると、門に刻まれた魔法陣が光を放ち、ゆっくりと開いた。

「ルナ、準備はいいか? 神殿の中に入る者は、心の純粋さと勇気を試される。星の守護者として選ばれる資格があるか、聖水晶が判断する。」

ルナは少し緊張しながらも、ペンダントを握りしめ、力強く頷いた。

「うん! 私、星の守護者になる! どんな試練も、好奇心で乗り越える!」


二人は神殿の中へと足を踏み入れた。

内部は、まるで夜空を閉じ込めたような空間だった。

壁には星々の模様が輝き、床には銀色の光が流れるように動いていた。

中央には、巨大な聖水晶が浮かんでおり、その光はルナの心を強く引きつけた。


「これが…聖水晶?」

ルナは水晶に近づき、目を輝かせた。

「なんか、すっごい力感じる! 私、これに触ったら、もっと強い魔法使えるようになるの?」

アルデバランは静かに首を振った。

「聖水晶は、ただ力を与えるものではない。お前の心と魔力を映し出し、星の守護者としての真の資質を試す。ルナ、ここから先は、お前一人で水晶に向き合わねばならない。」


ルナは一瞬驚いたが、すぐに笑顔を取り戻した。

「一人でも大丈夫! お父さん、お母さん、ルーク、ガレン、みんなが応援してくれてるもん! 行ってくる!」




ルナは聖水晶の前に立ち、深呼吸をした。

彼女の手にはペンダントが握られ、家族の愛が彼女の心を支えていた。水晶に触れると、突然、眩い光がルナを包み込み、彼女の意識は別の世界へと引き込まれた。

そこは、星々が無数に輝く無限の空間だった。

ルナの目の前に、リリアナの姿が現れた。彼女は穏やかな微笑みを浮かべ、ルナに語りかけた。

「ルナ、星の守護者の子孫よ。私の血を受け継ぐ者として、汝の心を試す。汝の力は、闇を打ち破る光となるか、それとも闇に飲み込まれるか――今、それを明らかにする。」


ルナは少し震えながらも、力強く答えた。

「リリアナ! 私、負けない! 家族と、みんなを守るために、絶対に光になる!」


リリアナは頷き、手を振った。

すると、ルナの周囲に黒い霧が現れ、赤い目が無数に光り始めた。

それは、闇の使者だった。

「ルナ、汝の心の弱さを試す。恐怖、疑い、迷い――それらに打ち勝てるか?」


ルナはガレンの短剣を握り、目を閉じた。

彼女は家族の顔を思い出し、星の記憶で見た守護者たちの勇気を呼び起こした。「ルミス・サギッタ!」彼女が叫ぶと、眩い光の矢が放たれ、闇の使者を貫いた。だが、霧はさらに濃くなり、ルナの心に囁きかけた。

「お前はまだ幼い。力不足だ。家族を失望させるぞ。」

ルナは一瞬怯んだが、ペンダントを握りしめ、声を張り上げた。

「うるさい! 私、家族を失望させない! お父さん、お母さん、ルーク、ガレン、みんなが信じてくれてる! 私、星の守護者になるんだから!」


彼女は再び呪文を唱えた。「ルミス・クレア!」今度は、彼女の手から放たれた光が空間全体を満たし、闇の霧を完全に払拭した。


リリアナは満足そうに微笑み、ルナに近づいた。

「よくやった、ルナ。汝の心は純粋で、勇気に満ちている。星の守護者として、聖水晶の力を授けよう。」


聖水晶が一際強く輝き、ルナの体内に暖かな光が流れ込んだ。

彼女の魔力は一気に増幅され、まるで星空そのものが彼女の心に宿ったかのようだった。

ルナは目を覚まし、現実の神殿に戻った。

聖水晶は穏やかに輝き、ルナの手に小さな光の結晶が残されていた。


アルデバランが駆け寄り、ルナを支えた。

「ルナ、よくやった。聖水晶がお前を認めた。星の守護者として、新たな力を手に入れたな。」

ルナは結晶を手に、目を輝かせた。

「これ、すっごい! なんか、身体中に星の力が流れてるみたい! 次は何するの?」




アルデバランはルナを神殿の奥へと導いた。

そこには、星の守護者の歴史が刻まれた壁画があった。壁画には、リリアナが竜王アザロスを封印する場面や、守護者たちが星の力を操る姿が描かれていた。

だが、一つの壁画がルナの目を引いた。それは、巨大な黒い水晶に封じられた竜の姿だった。

「これ…アザロス?」ルナは震える声で尋ねた。

アルデバランは重々しく頷いた。

「そうだ。星の神殿の最大の秘密は、竜王アザロスの封印だ。リリアナは命を賭けてアザロスをこの神殿の地下に封じた。だが、その封印は完全ではない。闇の勢力が再び力を集め、封印を解こうとしている。」


ルナは光の結晶を握り、決意を新たにした。

「じゃあ、私がその封印を守る! リリアナの後を継いで、アザロスを絶対に復活させない!」


アルデバランはルナの肩に手を置き、静かに言った。

「その通りだ、ルナ。だが、封印を守るためには、さらなる力がいる。神殿の地下には、星の守護者の試練の最後の段階がある。そこには、星の力を完全に引き出すための試練が待っている。準備はできているか?」


ルナは力強く頷いた。

「うん! 私、星の守護者として、どんな試練も乗り越える! 家族と、みんなを守るために!」






アルデバランはルナを神殿の地下へと導いた。

そこには、巨大な魔法陣が刻まれた円形の部屋があり、中央には黒い水晶が浮かんでいた。

それは、アザロスが封じられた水晶だった。ルナは水晶を見た瞬間、胸に冷たい気配を感じた。

「ルナ、この水晶はアザロスの力を封じている。だが、闇の勢力が水晶に干渉し、封印を弱めている。お前は、星の光で水晶を浄化し、封印を強化する必要がある。」

アルデバランは杖を構え、ルナに指示した。

「聖水晶から授かった光の結晶を使え。お前の心と星の力を一つにし、水晶に注ぎ込むんだ。」 


ルナは光の結晶を握り、目を閉じた。彼女は家族の愛、星の守護者の歴史、リリアナの勇気を思い出し、心を一つにした。

「ルミス・エテルナ!」彼女が叫ぶと、光の結晶から眩い光が放たれ、黒い水晶を包み込んだ。黒い水晶は一瞬抵抗するように震えたが、ルナの光が勝り、徐々に輝きを取り戻していった。

だが、その瞬間、部屋全体が揺れ、黒い霧が現れた。霧の中から、低い声が響いた。「星の守護者…我を封じるなど、無駄なあがきだ…。」

ルナは怯まず、光の結晶を高く掲げた。

「アザロス! 私、ルナ、星の守護者として、絶対に負けない! みんなを守る!」

彼女の光はさらに強くなり、黒い霧を完全に払拭した。

黒い水晶は清らかな光を放ち、封印が強化された。


アルデバランはルナに駆け寄り、彼女を抱きしめた。

「ルナ、よくやった! お前は真の星の守護者だ。だが、これはまだ始まりにすぎん。アザロスの力は、さらなる試練を我々に課すだろう。」


ルナは息を整え、笑顔で答えた。

「うん! 私、もっと強くなる! 星の神殿の秘密、ぜんぶ解き明かして、闇をやっつける!」






星の神殿での試練を終えたルナは、光の結晶を胸に抱き、アルデバランと共に神殿を後にした。

彼女の魔力は大きく成長し、星の守護者としての自覚が芽生えていた。

だが、アルデバランは知っていた……アザロスの復活は時間の問題であり、ルナの旅はまだ終わらない。

「次はどこに行くの? もっとすごい魔法、教えてくれるよね?」ルナは笑顔でアルデバランを見上げた。


アルデバランは星空を見上げ、静かに答えた。

「次は、風の谷だ。そこには、星の守護者のいにしえの仲間が住む隠れ里がある。彼らから、さらなる力を学ぶ必要がある。ルナ、お前の旅は、世界の均衡を賭けた戦いの始まりだ。」

ルナは拳を握り、星空に向かって叫んだ。

「よーし! 風の谷、楽しみ! 私、星の守護者として、ぜんぶ乗り越えるんだから!」


星の光の下、ルナの冒険は進む。


彼女の心には、家族の愛と星の守護者の遺産が宿り、どんな闇にも立ち向かう勇気が燃えていた。

だが、竜王アザロスの復活が近づく中、ルナの運命はさらに大きな試練へと向かっていくのだった。


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