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崖っぷちの世界踏破 ~時を越えてでもあいつをぶっ飛ばす~  作者: Rough ranch
第一章  『テロリストの仲間入り』
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第四話 『オリビアさんとの魔法授業』



「早かったね。」


 家に戻ると、オリビアさんがソファーで読書をしながら出迎えてくれた。

 昨日の彼女は短い髪をきれいに整えてたが、今は寝ぐせのせいかぼさぼさのまま放置されている。


「アベル君の体力がなくなってしまったから、途中で切り上げたんだ。」

「そっか、情けない。」


 トウカさんは俺を床におろすと、台所に向かいながらオリビアさんが答える。


「こんなんじゃ、今日の魔法の訓練が心配。」


 そういえば、昨日トウカさんに言われたっけ。正直、魔法なんて貴族や魔族が使ってるイメージしかなくて、俺に使えると言われてもピンとこない。

 まあ、たまたま魔力を持った平民が成り上がって英雄になるような物語もよくあるらしいけどね。

 奴隷になる前は、そういう本を読んでは憧れたりしていたっけ。


「ほら君、ちょっと手伝って。」

「はい。」


 トウカさんに呼ばれ、俺は朝食の手伝いをする。オリビアさんは読書を継続したままだ。

 机の上に次々と香ばしい匂いを漂わせている朝食を並べる。

 奴隷だったころとは違い、目の前の目玉焼きとオニオンスープとありふれた朝食メニューだった。

 しかし、今までの粗末な食べ物とくらべれば、この朝食はとてもごちそうに見えてしまう。


「よし、では食べようか。」


 トウカさんがそういった瞬間、俺はトウカさんでも目で追えない速度で完食した。

 見た目に違わずに、この料理は最高においしかった。

 横を見ると、唖然とする二人が目に入。


「・・・。」

「「・・・。」」


 沈黙が数秒続いた後、オリビアさんは何も見なかったかのように食事を再開した。

 トウカさんも、びっくりしたなぁ、と言いながら同様に食事を再開した。

 俺は何となく気まずくなっしまい、そそくさと外に出るのだった。



..........................


............


......



 (この町ってこんなにきれいだったんだな。)


 一通り外を歩いてみて、俺は思った。

 奴隷だったころは外を自由に出歩くことはできなかったので、改めてこの町を歩いて回ったことは俺にとって非常に新鮮だった。

 この町に来てもう五年は経つというのにおかしなことだ。

 俺は、外を歩き始めてから体感で二十分ほど経ったなと思い、トウカさんとオリビアさんのいる家に戻った。

 家に戻ると、オリビアさんが入り口で待っていた。


「帰りました。」

「言わなくても分かる。それより、そろそろ始めるから。」


 一瞬何を言っているのかわからなかったが、すぐに魔法の訓練に思い至る。もしかして待たせてしまっただろうか?


「分かりました。」


 そこから、数分の休憩をはさんだ後、オリビアさんとの魔法授業が始まった。


「まず、魔法というのは体内にある魔力を一点に集めてから、それを一気に開放することで使え、どれだけ魔力を練って圧縮させるかで威力が決まります。」

「ふむふむ。」

「体内の魔力総量は、才能とその人の成長によって決まると言われているます。」


 淡々と魔法について語るオリビアさんだが、若干一生懸命説明していて何だかほっこりする。

 敬語を使っているが同じくらいの歳なのだ。彼女もまだ成長途中なのだろう。


「私の魔力量を100とすると、あなたの魔力量は60くらい、ん?」


 途中でに話すことを中断したオリビアさんは、


「あなた、今日魔力を使った?」

「いや、使ってませんけど。」


 質問の意図がよくわからないけれど、一応正直に答えておく。

 すると、一瞬考える素振りをみせたオリビアさんだったが、答えに思い至ったのか、


「なるほど、こういうことになるのね。」

「あの、どういうことですか?」

「別に気にしなくていいわ。今のところは、自分の魔力量は少ないと自覚するだけでいい。」

「はい。」

「これから数日間は、私と一緒に魔法を操る練習をして、ある程度上達したら魔物討伐などで実戦を経験してもらう。」


 言い終えると、オリビアさんはいきなり俺の手を握った。

 すると、今まで体の中で凝り固まっていたなにかが、一気に流れるような感覚が全身に広がっていった。

 とてつもない全能感が俺を襲う。

 この状態なら、この町の城壁を一周することが出来るかもしれない。

 しかし、その感覚はすぐになくなる。


「今の感覚を忘れないうちに繰り返して。魔力を感じることに慣れてくると思う。」


 そう言うと、オリビアさんは自身の体に魔力を流していった。そして、


「慣れてきたら、流れる先を手に集中する。そして、流れ着いた魔力を手の中で圧縮して、」


 だんだんと、オリビアさんの手の中に白く発光している拳ぐらいの光球ができた。


「それを一気に開放する!」


 そして、その光球は手のひらで弾けた。


「この練習をしてもらう。わかった?」

「は、はい。」


 驚く俺をよそに、オリビアさんは言うべきことは言ったとばかりに、机の上に置いてあった本を手に取り、ソファーで読書を初めてしまった。

 もはやソファーはオリビアさんのテリトリーとなってしまっている。

 だが、そんなことが気にならない程、俺は感動していた。


(魔法スゲェェェェェー)


 こうして、俺は毎日オリビアさんと魔法の訓練をすることとなった。



「面白かった!」


「もっと読みたい!」


と思ったら、


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作者のモチベーションになります。


また、ブックマークもいただけると本当にうれしいです。


何卒よろしくお願い申し上げます。

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