プロローグ
「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ、マジで死ぬ!!」
アベルは、生きるためにただ逃げ続けていた。どこに居るかも分からず、食料もすでに尽きている。
走り続けて一体どうなるかなど、考える余裕すら今の彼は持ち合わせていなかった。
後ろからの巨大なプレッシャーに必死で逃げながらも、彼の心は次第に絶望に染まっていった。
(クソッ、クソッ、何でこんな目にあわないといけないんだ!)
自身の迂闊さをこの5日間でどれだけ悔やんだだろうか。
不幸はいつだって唐突に来ると知っていたのに、準備だって充分したと思ったのに。
そうだ、いつだって運命は彼に崖っぷちでの戦いを強いてくる。奴隷として過ごしたあの日々だって、彼女たちとのあの生活を守ろうと志して訓練したあの日々だって。今だってそうだ。
もうやつとの距離は数mしかない。
『ここは?』
ん、何か聞こえた気がする。
この状況ではとても場違いな声。だが、その声は幻聴と切り捨てられないほどハッキリときこえた。
『おっと、落ち着ける状況じゃなさそうだな。』
声の主はとっさに状況を飲み込んで、アベルに問う。
『おい童、助けがひつようか?』
驚く余裕はない。ただ一言、
「助けてくれぇぇぇぇぇぇぇー」
これが、あいつと俺の出会いだった
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