ブラスト
名前……ブラスト
年齢……40才
最終学歴……学習院大学
代表作……完全なる犯罪
一言……作家になる方法をお教えしよう
~何故、作家を志したのか~
単刀直入に言えば、パーティーで行動するのに疲れた、のが大きい。
知っての通り、この異世界では学校を卒業後、普通に就職する組と、勇者とパーティーを組み、魔物を討伐しつつ魔王を倒す者らとに別れる。
吾輩の世代は就職氷河期で、否が応でも後者を選ばねばならなかった。
吾輩は攻撃力に優れた闇魔法を身につけ、10年もの間、何度もパーティーを変え、魔王の討伐を試みた。
だが、闇魔法の使い手というだけで「根暗」、「ノリの悪い奴」などのレッテルを貼られた。
自然と吾輩だけ孤立することも増え、夜は一人で枕を濡らすこともあった。
~作家になったきっかけ~
ある日、とあるダンジョンでパーティーが全滅したのを機に、自分の年齢も考え、これ以上のパーティーは組めないと踏んだ吾輩は、冒険者から足を洗うことにした。
その時が30で、就職するのはラストチャンスに思えた。
しかし、今までろくに働いた事も無かった吾輩を受け入れてくれる企業は中々見つからなかった。
そこで、ずっと趣味だった小説を仕事にしようと思い、作家を目指した次第だ。
~作家を目指す方々へ~
無論、今まで小説など書いてこなかった吾輩にとって、コンクールに入選することは簡単な話では無かった。
そこで、吾輩はコンクール入選した人間に呪文をかけることにした。
吾輩の闇魔法は、相手の名前さえ分かれば偽名でも効果を発揮する。
コンクールに受かった人間はネットで公表される為、吾輩は「小説を誤って削除してしまう」呪文をかけた。
入選者全員にこの呪文を使えば、繰り上がって別な作品が選ばれる。
それを繰り返せば最後は吾輩の作品が選ばれる算段だ。
こうして、吾輩は無事に作家になることが出来た。
芸は身を助ける、とはこのことだろう。