第72羽 目覚めへの第一歩?
今回も間に合いましたが、次のお話しはしっかり書きたいので、もしかしたら明日までに書ききれないかもしれません
あの後スライム1号を通して、クロトにエンシェントゴブリンさんを連れてきて貰えるか聞いたところ、来てくれるということで、クロトたちは一緒にダンジョンを出て家に向かっているところだ。
街はいつも以上に騒めいていた。
その原因は黒兎、ソニカ、スラさんでは無く、その後ろについて歩くゴブリンクイーンたちだ。それとその後ろを浮遊する謎の三角テント←エンシェントゴブリンさんが中に居ます。
それもそのはずだ、獣型の魔物ならいら知らず、女の天敵であるゴブリンたちが、鎖にも繋がれずにソニカたちの後ろをついて歩いているのだから
「あれはゴブリンクイーンじゃないか?!」
親たちは子供を後ろに隠し、冒険者たちは武器を構えていた。若者よりも、熟年者の冒険者たちが冷や汗をかきながら構えていた。
「わたくしは何もしませんよ。武器をしまって下さいな」
それを見かねたエンシェントゴブリンが、警戒態勢の冒険者たちにそう告げたが、それは逆効果だった。
「魔物が喋っただと……高位の魔人族か?」
魔物が喋ることに慣れていないこの国の冒険者たちは、体をぶるぶるとさせながらも、自分の家族のために武器を構えた。
「流石冒険者ですと褒めていい所でしょうが、こちらにも家族を守る義務がありますので、どうか武器を降ろしてください」
これは最後の忠告だった。
ソニカは気付かなかったが、クロトは即座に気付いた。熟年の冒険者もそれに気付いたのか、それとも自身との力量差に気付いたのか武器を降ろした。
だがいつの時代も自殺志願者はいるもので、1人の男の冒険者、歳は15歳くらいの新米冒険者が、自分の力量もわからないまま剣を振り上げ走り出した。
「言葉を喋るゴブリンがどうした!死ねぇーーーーー!!!!!!」
「あららら、そんな攻撃じゃわたくしに傷の1つも付けられませんよ」
エンシェントゴブリンは男の冒険者の攻撃を、長く伸びた爪1本で防ぎきった。
この瞬間男は悟った。己の未熟さを……
男の体が激しく揺れ出し、目がキョロキョロと動揺を隠せていない。
「そんなに怖がらんと、わたくしと良いことをしませんか?」
「はひ?」
「愛い奴よ、こちらです」
男はエンシェントゴブリンにテントの中へと連れてかれると、エンシェントゴブリンだけがテントから顔を出した。
「クロトさんクロトさん、わたくしは少しこの中に居ますから、着くまでには終わりますので、気にせず先導して下さいませ」
「う、うん」
国の人たちが一層騒めく中、クロトは家に向かってゴブリンたちを先導する。
そうそうテントはどうやって浮いてるのかわからないが、浮きながらしっかりと着いてきている。
時々生々しい音が聞こえて来るが、ソニカの耳に耳栓をしながら家に向かっていると、どうやら終わったみたいなのか、エンシェントゴブリンに止められた。
「それじゃあ下僕くんまたね」
「はい!お嬢様!!」
一体何があったのか、ナニがあったとは言わないが、男とエンシェントゴブリンの肌は艶々し、男の方は一皮向けたのか、キラキラした瞳で一度膝まずき、エンシェントゴブリンの右手の甲にキスをして去って行った。
この男が故に最強のタンクの称号を得るのは、まだまだ先の話である。
もう少し歩くとクロトたちは、イースターさんが眠る我が家に帰ってきた。
「お帰り2人とも、それとエンシェントゴブリンの皆さん」
僕は到着と同時に家の扉を開けた。
「ただいま!」
「ただいまです」
「あらら?何故わたくしたちを何故ご存知なのでしょう?」
「ずっと見てましたから」
僕はそう言いながらスライム1号を肩に乗せた。
「そう言う事でしたか。それでは失礼させて頂きます」
エンシェントゴブリンたちを家に入れ、1番先に向かったのはイースターさんの眠る寝室だった。
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