第59羽 覚醒?
次の投稿で60羽になりますね。
北海道はまた急に暑くなりました(´・Д・)」
「僕はこの世界に来て、様々な人に出会って来た。2番目の魔王にだって、彼女の記憶の中で出会ったけど」
「何が言いたいんじゃ?」
「あんた以外の魔王たちはみんな筋の通った思いを胸に戦っていた、だが王様あんたは違う、お前は私利私欲のために戦っている!お前は最低災厄の魔王だよ……」
「ふっ、我が最低災厄の魔王か、面白いことを言うじゃないか。お前は、やはり面白い!そして男でありながら、そこらの貴族の女たちよりも、可愛らしい」
僕は恨みと憎しみを込めた眼差しで、その男を睨みつけた。その瞬間だった、黒曜剣の形をしたペンダント(ジャンヌさん)が光り出した。
(お主も、この世界で誠に要らないものが分かったようじゃな)
僕は下を向き、血が出るほど唇を噛み締めながら、その声に答えた。
「この世界に要らないもの、それは魔人でも魔物でもない、はたまた人でもない。それは心のそこまで、真っ黒なあの王様だ」
(そうじゃ。あの男が憎いか、恨めしいか、殺したいか?)
「あぁ」
(ならば我を使え、聖魔剣マリナスグレイドを使え。そしてあの男を殺し、家族(の魔力)を取り戻せ!!)
僕には家族を守れるほどの力が無い、家族(の魔力)を取り戻せるのならば、悪魔いや魔剣にだって魂を売ってやるよ。
僕は首から下げた聖魔剣マリナスグレイドの金具を、思い切っり引きちぎった。
(よくぞ言った!だが、我が欲しいのはお主の魂では無い!!あの野郎の子孫の魂だ!だからこそ、我の封印を解くためにこう叫べ!)
「(僕の血を代償に、僕は聖魔剣マリナスグレイドと契約を交わす。僕は、神聖で災厄で、災強の聖魔剣マリナスグレイドを、受け継ぐものなり!!)」
僕の瞳、髪は、燃え盛る焔のように紅く光、聖魔剣から力がどんどん漲ってくる。
「聖魔剣マリナスグレイド?そんなのは過去の遺物だ、そんな小さなダガー1本で何が出来ると言うのだ、我はこの世の絶対なる支配者、ダーミリアン・ゴットゥア17世ぞ!」
男が何か言っていたが、僕の耳には何1つ入って来ない。僕は周りで僕を抑え込んでいた、聖騎士たちを一振りで吹っ飛ばし立ち上がる。
「(御託はそれぐらいにして、早くその武器を構えやがれ、じゃないと半殺しじゃ済まないぞ)」
僕は冷静にそう言った。
「なるほど先程とは、別人のような強さだな。だかしかし、お主によって完成したこの盾と劔からは、流れぬことは出来ないぞ!!」
王が白銀に輝く劔と盾を構えながら、ジャンプして飛び掛かって来たので、僕は聖魔剣マリナスグレイドをその劔の刃を滑らせるように、受け流し男の胸に向かって真っ直ぐ振り落とした。
「ふっこれしきの攻撃で、我の鎧が壊れるわけないだろうが」
「それはどうかな?」
「何?…ぐはぁ?!何故だ、何故我の神話級の鎧、魔を通さない筈の、我のこの聖王の鎧に、何故!攻撃が通じるんだ!」
初めて男の顔から、笑みが無くなった。代わりに辛そうな表情をしている。あの鎧だ、この何十年もダメージを受けて来なかったのだろう。
「(忘れたのか?僕はちゃんと名乗ったぞ、これは魔剣では無く、聖魔剣だとな)」
男は僕の言葉をちゃんと聞いていなかったようだ。僕の今の発言を聞いた途端に、あの憎っくき盾を構え始めた。
「ちっそうだったなぁ。だが、この鎧は壊せても、この盾はどうかな?お前も見ただろう?お前の大事な魔物たちの攻撃を全て受け止めたのを、なぁ?」
憎っくき盾、あの卵の力のせいで、イースターさんたちは、今も生死を彷徨っている。だからこそ、今あの盾を破壊しなければならない。あの盾は、この世に存在してはいけないのだ。
「(なら僕の攻撃をその自慢の盾で防いで見せなよなぁ!!)」
僕は回転運動を加えた攻撃を、盾のど真ん中に放った。男は少しよろめいたが、盾は無傷だった。僕は、その後も何度も、何度も盾の中心に向かって、攻撃し続けた。
「ははは!!そんな攻撃を何度やったって、結果は変わらねえよ!」
「(それはどうかな?)」
僕の全体重の乗った斬撃が、盾に命中した時だった。卵のMP吸収機能の上限を迎え、決壊した。
「?!まさか、盾の吸収機能を上回ったとでもいうのか?…お前にそんな魔力はないはずだ!確かにこの目で見たぞ!お前の魔力は、ほとんど空だったはず。」
「(最後に僕の本当のステータスを見せてあげるよ)」
「なんだそのステータスは!」
MP 10,100,000
驚いてる、驚いてる。この世で最強は、自分だと過信していたのだから、当然か。
「(下を見なよ)」
攻撃力 24,700,000
防御力 89,110,000
「下だと……?!」
男は顔を青ざめさせながら、どんどん僕から距離を取って行く。
「(いい顔するなぁ。それじゃあ、返してもらうぞ。家族の魔力を!)」
「ふっ!まだ俺には、この聖劔が残ってるんだよ!お前にこれが壊せるのか?これは、そのの魔物の元主人の、形見なんだからな!!」
僕は無言で右下のアイコンから、あの装備のアイコンをタップした。
「(衣装変更!不倶戴天の鎧。)」
これは彼女の鎧だ。自身の防御力を捨てて、攻撃力と素早さを上げる装備だ。
「ふっ。そんな姿に変わろうと、俺にこの劔がある限り、お主は攻撃が出来ないからな。俺の勝利は揺がねぇぞ!」
男の持つ白い大剣から、斬撃が飛んでくる。僕はその斬撃を体を回転させながら華麗に避け、男の劔を持つ方の手首(左手首)を斬り落とした。
「ゔがぎゃ!俺の手がぁ!……ゔぐ。これでまだやれる」
「(ちっ)」
男は右手で左胸ポケットに入っている小さな小瓶から、真っ赤ななにが一気に飲み干すと、斬り落としたはずの左手から新たな左手が生え立ち上がった。
このチート野郎が、次で仕留める!!
「死ねぇ!」
男の斬撃は、僕に向かってではなく家族の倒れている方に飛んでいく。僕の家族を監視していた、仲間ごと男は斬り裂こうした。そうはさせない!
「(ぐはっ……本当にお前はクズだな)」
防ぎ切れなくて、僕の横っ腹を切り裂いた。僕はお腹を抑えながらも男を睨みつける。
「ははは!形成逆転だな!!俺には、守る家族も仲間もいねえからなぁ!家族そろって天国に送ってやるよ!おら、おら、おら、おらーーーー!!!」
「(く!)」
このままじゃ確実にやられてしまう。そんなときだった、聴き覚えのある声が空から聴こえてきた。
「はぁーっ!ハッハッハ!今日も筋肉鍛えてるかい??サイドチェスト!!」
「なにぃ?!うっ?眩し!?」
あの筋肉の輝き、太陽に照らされ光るあの筋肉は!?
「(マッスルさん!)」
「おう!助けに来たぜ!!」
僕が信頼を失ったと思っていたはずの1人が助けに来てくれたのだ。僕は嬉しさのあまり涙が流れた。
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