ケースQ ~クエッション系の場合~
Qさんは魔王になった!
「は?何で?何でいきなり魔王になってんの?」
Qさんは苦虫を濃縮して漬け込んだ苦虫を更に嚙み砕いた顔をした!
「それはQ様が魔王の如き振る舞いをされ続けたからと思われます!」
取り巻きAが直立不動の最敬礼で答えた!
Qさんは思い切りその腹を蹴飛ばした!
取り巻きAは吹っ飛んで壁に激突した!
「は?魔王の振る舞いって何?
何を以って魔王なの?」
Qさんは蹴った体制のまま聞いた!
「気に入らない者は容赦なく殴る蹴る嬲り殺す振る舞いです!」
取り巻きBが同じく直立不動の最敬礼で答えた!
Qさんは思い切りその頭上に蹴りを落とした!
取り巻きBは地面にめり込んだ!
「は?そんなん俺だけじゃ無くね?
じゃあ世の中魔王だらけなのかよ?」
Qさんは蹴り落とした体制のまま聞いた!
「Q様の場合、更に容赦なく村どころか国まで蹂躙し滅ぼす存在だからです!」
取り巻きCが更に直立不動の最敬礼で答えた!
Qさんはその顎を思い切り蹴り上げた!
取り巻きCは天高く飛ばされ地面に落下した!
「は?国滅ぼしなら戦争だってそうじゃね?
なら国王は魔王なのかよ?」
Qさんは蹴り上げた体制のまま聞いた!
「それはお前が善悪の区別無く其れ等を行うからだ!」
勇者が聖剣を構えて突進して来た!
Qさんは回転蹴りで勇者毎聖剣を蹴り飛ばした!
勇者は空中回転で体制を立て直した!
「善と悪ってのは何だ?
誰が決めた?何で俺が其れに従わねばならん?
従って俺に何の得がある?」
Qさんは回転蹴りをした体制のまま聞いた!
「善とは集団生活する上で欠かせない守るべきルールだ!
人は誰しも嫌な思いはしたくない!
したくないから皆んなで嫌がる事をしなければ、其れは皆んなが嫌な思いをしないという事だ!
其れが善だ!」
勇者は聖剣を高く掲げ、雷鳴を呼び起こした!
雷鳴は雷となってQさんに向かって一直線に落ちてきた!
Qさんは其れを一蹴した!
「えええ~~~」
勇者は口をあんぐり開けて信じられない物を見た目で凝視した。
「なら俺の嫌がる事してるテメエは悪だな?」
Qさんは一蹴した体制のまま聞いた!
「お前が皆んなの嫌がる事をするから止めてるだけだ!
お前が嫌がる事しなければ俺もしない!」
気を取直した勇者は聖剣を地面に突き立てた!
突き立てた聖剣から真っ直ぐ亀裂が走り、Qさんを襲った!
Qさんは思い切り地面を踏み叩き、亀裂を相殺した!
「えええええ~~~」
勇者は両目を飛び出して魂消た!
「誰が止めろと言った?
嫌なら叩き潰せばいいだけだろ?」
Qさんは踏み叩いた体制のまま聞いた!
「ていうか何でさっきから疑問ばっかなんだよ!」
勇者はげんなりした!
勇者は地団駄を踏んでる!
「疑問は口にするもんだろ?」
Qさんは思い切り地面を蹴り勇者に肉迫した!
勇者は聖剣を構えて間合いを取った!
「それは否定しないが、全部疑問とか面倒でウザい!」
「そうか。ならもう用は無いのか?」
Qさんはアイアンクローの構えで手を突き出した!
「何でそれまで疑問系なんだよ!?
ていうかそこで手を出すのかよ!?」
「お前も疑問を口にするのか?」
「もうやだ!この魔王!」
アイアンクローの手を聖剣で防ぐ勇者は、半泣きで投げ出したくなった。
その後、疑問の尽きないクラッシャーQさんと、いい加減辞めたい半泣きの勇者の闘いは、三日三晩続いたとか続かなかったとか?