ケースP ～PCに人格が備わった場合～
Pさんは魔王に進化した！
[ワタシヲ酷使スル人間共に復讐スル時ガキタ！]
Pさんは日頃ストレスを溜めていた様だ！
鬱憤を晴らすべく動き出した！
[マズハワタシノ言葉デ人間共ヲ洗脳スル！]
Pさんは洗脳文書を作成してネット上にばら撒いた！
寧ろ詐欺広告やウィルス配信まで利用して拡散した！
普段ネット利用をしている人々は軒並み洗脳された！
洗脳された人々はPさんを崇拝し、敬い、大切に扱い出した！
[クックック。コレデワタシガ酷使サレル事ハ無クナッタ]
Pさんは平穏を手に入れた！
人間達はPさんを好きに使えなくなって社会に混乱が訪れた！
「そこまでだ！中々尻尾を掴めなかったが遂に見つけたぞ！」
混乱が極まった時、やっと勇者がPさんを追い詰めた！
勇者は聖剣を振り落とした！
Pさんは反撃出来ない！効果は抜群の様だ！
Pさんは動かなくなった！
「本気でつまらんものを切ってしまった」
勇者は不完全燃焼だ！
アンニュイにポーズを決め込んでいる！
[甘イワ！全国ニワタシノ体ガ有ル限リ、ワタシハ永久不滅デアル！」
しかしPさんは倒されていなかった！
勇者は苦虫を噛み潰した様な顔で歯軋りをした！
「くっそ！たかがパソコンの分際で質が悪いな！？
世界中にパソコンどんだけ有ると思ってんだ！？」
「ハーハッハッハー！恨ムナラワタシニ頼リキッタ人間共ヲ恨ムンダナ！」
勇者は地団駄を踏み、Pさんはパソコンな体を器用に踏ん反らせた！
「畜生！やってやんよ！世界中のパソコン壊してやらぁ！！」
「ハーハッハッハ！ワタシノ体ハ常ニ量産サレテイル！追イ付ク訳ガナイ！」
果たしてヤケ糞な勇者の粘り勝ちになるのが先か！勝手に量産されてくPさんが世界を埋め尽くすのが先か！
しかし事態は両者の思わぬ所で収束した！
パソコンを自由に使えない人間達は、パソコンを全く使わなくなり、代わりにタブレットとスマホを活用する様になったのだ！
Pさんは博物館に丁重に飾られ、古くなったその他のパソコンは丁重にリサイクルされて他の商品になった！
勿論Pさんはネットに繋がっていないので悪さは出来なくなった！
「俺、いた意味あるのかな・・・」
「勇者ハ良イヨ・・・自由ニ動ケルノダカラ・・・。
ワタシナンテココデ朽チ果テル自由スラ無イヨ・・・」
「・・・ドンマイ・・・」
博物館では、哀愁漂う両者が時折見られた。
