ケースL ~ロード(王様)の場合~
Lさんは魔王に進化した!
「え?」
「え?」
「え?」
Lさん含めて周りの人全員間抜け面でポカーンとした!
「えーと?じゃあ倒します?」
「ちょっと待って!何かの間違いだから!」
青年の言葉に狼狽えるおじさん。
もっと詳細に言おう。
重装備を来た聖剣を持つ青年、勇者。ゴテゴテした服とマントを羽織った王冠被るおじさん、王様。
剣を構える勇者と玉座にしがみ付く王様。
カオス広がるここは謁見の間。
~遡る事数分前~
「良く参った。勇者よ」
王様はふんぞり返って言った。
勇者は膝をついて頭を垂れている。
「勇者を呼んだのは他でもない。
魔王誕生の予言が入ったからだ」
王様は更にふんぞり返って言った。
「勇者には魔王が誕生したら直ぐにでも討ってもらう。
よいな。わかったら面を上げて返答をせよ」
勇者はゆっくりと面を上げた。
そして冒頭に至る。
つまりLさんはそうとは知らず自身討伐依頼を勇者にしていたのだ!
「いや待って!?さっきの無し!」
Lさんは必死だ!
「え?でも直ぐ斃せって・・・」
勇者は混乱している!
しかし体は討伐に向けて準備万端だ!いつでも行けるぞ!
「それも無しー!」
Lさんは騎士を前に配置して防御の姿勢になった!
「いやちょっと待って!?
なんで皆ワシの方向いてるの!?」
王様は玉座から飛び降りて、後ろに隠れた!顔だけ覗かせている!
騎士たちは剣を構えている!Lさん事自国の王様に向かって!
「いや、だって魔王斃せたら有名になるし」
「魔王って百害あって一利無しだし」
「何となく?空気読んで?」
騎士たちは戸惑いつつも自分に正直だった!
「百害無いよ!?ほらワシ善政布けてるでしょ!?」
Lさんは必死に説得している!
「えー?結構国民の間じゃ評判悪いですよ」
「税金高いし。王様ばっかり贅沢してるし」
「貴族ばっかり優遇するし」
「あ、俺この前貴族に怪我負わされたけど相手不問にされたわ」
「え。何それ最低じゃん」
騎士たちはここぞとばかりに言いたいことを言ってる!
勇者は何とも言えない顔でLさんを見ている!
「「「やっぱ斃した方が世の為人の為だよな」」」
Lさんと貴族以外の満場が一致した!
「ごめんなさーーーーーい!!!!!」
Lさんは全速ダッシュからのジャンピング土下座をかました!
「もうしないから!ちゃんと公平にするから!なんならこの前の貴族は貴族籍剥奪するから!」
騎士が軽蔑のジト目をしている!
Lさんは冷や汗だらだらだ!
勇者は突如始まった反乱に狼狽えている!
「この前だけ?」
殺意の籠った目で睨まれたLさん!粗相をした!マントで隠れてるからセーフ!
「過去遡って粛清しますーーーーーー!!!!!!」
Lさんは涙目だ!いや号泣だ!鼻水も垂れ流してるぞ!
「と、いう事だから。勇者殿には魔王の監督として国家公務員に就職して下さい」
「・・・はい・・・」
騎士たちの迫力に勇者は頷くしか出来なかった!
怒れる騎士たちと長い物にまかれた勇者によって国民は救われた!
貴族は粛清された!