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魔王の子孫  作者: 猫缶珈琲
1部
1/15

1章1節

 魔物軍が前魔王を失って10年がたった。  

 現在になっても戦争は続いている。だが、此処数年人類、魔物軍の両軍共に睨み合いに入り、軍事力強化という流れになってしまっていた。そのため小規模な小競り合いはあっても、大規模な戦闘には発展していなかった。


 とはいえ、現状は束の間の休息と言っても良いのではなかろうか。

 特に此処は中立地帯。此処で直接戦闘になる分けではないが、治安がかなり悪くなる。

 このまま睨み合いのまま動かないのは願ったり叶ったり。

 などと考える1人の茶髪の青年がいた。


 彼は山奥の小汚い小さな家で薪を割りながら空を見上げ、平和だ。と呟く。

 必要分を割り終わるとそれを持って家に入り釜戸の近くに置く。

 家の中は必要最低限の物しかなく、家具もろくな物が置かれていなかった。

 彼は当然金もない。地位もない。あるとしたら己の力と。

 小汚い布の上で眠るスライムに目線を向ける。

 この世で一番信頼出来る同居人のみ。


 だが彼には不満は特に無かった。なぜなら現状彼の周り"は"平和であったから。

 追われる事もない。戦う事もない。住処を変える必要も今はない。面倒事に巻き込まれる心配も少ない。そんな状態だけで満足であった。


「……むゅ」


「お、スラ起きたか。夕飯探しに行くぞ」


 そう言いながら、彼はスライムの元まで歩いて行き、屈みながら手を差し伸ばした。スライムはあくびをした後、手を登り肩に乗った。そして、もう一度あくびをする。

 立ち上がると歩を進ませ、玄関先にかけてあるポーチを手に取り、外に出るとその足で森の中に入っていく。


 慣れた手つきで周辺の邪魔な草や蔦を魔力で生成したナイフで切り裂きながら奥に進んでいく。

 進んでいく事20分。数本の果物の木を見つけ立ち止まった。

 アレはジュカの木だ。熟していれば甘く、果実は柔らかく非常に美味しいジュカと呼ばれる果物が手に入る。反面熟していなければ苦く硬い。とても食べられた物ではない。

 見た所熟している実が数個確認できる。


 魔力で生成したナイフを仕舞いながら木の根本まで歩いて行き、上を向きながら指をパチンッと1回鳴らす。すると、熟した実のうちの1つの蔕の部分で何かが擦れる音がした後、両断され果物が落下してきた。

 それをキャッチし齧ると甘い果汁が溢れ口の中に広がる。実に美味しい。


「スラ、美味し……あら?」


 肩に乗っているスライムに目線を向けるが、静かに寝息を立てており思わず苦笑いしてしまう。

 起きた時もまだ眠そうな様子だった。仕方あるまい。と、考えつつ先ほどと同じ要領で夕飯分のジュカを採りポーチに入れていく。

 10個ほど採った所で十分だと判断し来た道を戻っていく。


──これで、今日の夕飯は干し肉と一緒に食えば十分。明日の朝食もジュカの実で十分だし、昼はどうするか。朝、スラとゆっくり釣りでもするか。


 などと考え森を抜け、我が家が見えてきた所で複数の気配を感じた。

 こんな辺境に用があるとしたら高確率で盗人、山賊の類か旅人のどちらか。この場合は前者の想定で動くべきだと考えスラを起こすと、ポーチを木の影に隠し森の中を静かに移動し家の周辺の観察を始める。


 気配の正体は兜や鎧などで装備を"整えた"ゴブリンの部隊であった。

 十数体は確認でき、家の前を陣取っていたのだ。そして、隊長と思しき仰々しい装備をしたゴブリンが家の中に入るよう命令したのか数体のゴブリンが家の中に入っていく。


「盗人にしちゃ、装備が豪華だな」


 そう呟きながら木の枝の上に立ち、しゃがむとゴブリン部隊を眺める。

 今回の取れる行動は3つ。

 まず1つ目はこのまま奴らを倒す。

 2つ目はこのまま家を捨て逃走。

 最後に奴らに事情を聞いた上でどう行動するか判断する。


 なのだが、取れる手段として1つ目の手段はまずあり得ない。盗人や山賊にしては装備が整いすぎているし、旅人がするような装備でも当然ない。となると奴らは何者かという話になる。

 彼の推測であるが魔物軍の正規兵。下手を打てば此方が追われる身になる可能性がある。


──少し前にやっと追われる身から解放されたんだ。再び追われるのは極力勘弁願いたい所だが。


 実質取れる行動は2つ。一服置き、どちらを選択するか決めた後、彼はゆっくりと口を開いた。


「よし、スラ、胸元に入ってろ」


 そう言うと服の首元を広げた。スラは頷き服の中に潜り込むのを確認すると樹の枝から降り歩いてゴブリンの部隊の元へ歩いて行った。


「隊長! 家主です!」


 両手を上げ、敵意がないことを示しながら奴らの前に出ると、周囲を訓練された動きで取り囲み、手に持つ槍の矛先を此方に向ける。

 ゴブリンの親玉は此方にゆっくり歩いて来ながら口を開く。


「貴様、ディード・シュバルツだな? 歳は・・・・・・そうだな、大体20歳ぐらい。数年前まで魔族と人間の村に住んでいた。違うか?」


 彼はそう言われ、表情には出さなかったが内心かなり同様していた。

 ざっくりとした情報ではあるが年齢も名前も当たっており、村に住んでいた事もあたっていた。そしてディードに用があり、何よりわざわざ下調べをしている事。


「そうだ。と言ったら?」


 質問を質問で返しながら、臨戦体勢に入る。


「そうなら、貴様の存在は邪魔だ。後は言わずとも分かるな」


 隊長は立ち止まり不気味な笑みを浮かべた。

 つまり、奴はこう言いたいのだ。殺す、と。


「……じゃぁ、違うと言ったら?」


「返答は変わらない。殺れ」


 そう言いながら手で合図を送ると、即座に囲んでいたゴブリンが一斉に槍を突く。

 だが、突かれた槍は半透明な壁のような物で防がれ、彼の身体に矛先は1つとて届いてはいなかった。

 それを見るや否や囲んでいたゴブリン共は後ろに跳び距離を取ると、此方を伺い始める。


──此方の戦力までは知られていないのか? まぁ、どちらでもいいか。奴らの目的は俺の命。此方の話を聴くような様子でもない。どうあがいても追われるのならばこの場合、処理してしまった方が良いだろ

う。その後の事は倒してから考える。


 ディードは手を下ろしながら、ゴブリンを睨みつけるが怖気づく様子はない。

 それどころか奴らは隊列を組み直し、後衛のゴブリンは魔法行使の準備に取り掛かっていた。


──面倒そうなのは後衛、前衛は後回しだ。


「スラ、聞け──」


 彼の言葉を遮るかのように炎の魔法や土の魔法、風の魔法と言った様々な攻撃が彼らを襲った。

 爆発し、地面は抉れ、周囲は砂煙で覆われた。一通りの攻撃が終わると一転し、静寂が訪れる。


「……前衛、間隔をギリギリまで詰めろ。後衛、攻撃準備を一旦中断、守りに徹せよ!」


 間もなく発せられた隊長の怒号にも似た命令は、静寂をかき消し、倒したと思い込み油断していた部隊を引き締めるには十分な効果を発揮していた。

 言われた通りに行動をしようとした矢先、煙の中から複数個の氷の塊が飛来し襲い掛かる。

 盾や兜にぶつかり衝撃で倒れる者、踏ん張る者、槍で無理矢理叩き落とす者。死亡している個体は見られないが、前衛を崩し混乱させるには十分であった。


「……遅れたか。早急に隊列を組み直せ! 後衛は攻撃準備!」


 腰に携えてある剣を抜きながら、部隊の前へと出て、正面からの中距離攻撃の警戒を強めた時の事である。

 部隊後方、後衛の部隊員の悲鳴が聞こえてきたのは。

 急いで振り返ると標的の姿があり、今にも2体目にハルバートを振り下ろそうとしていた。

 後ろを取られていた事への驚愕と焦りから、思考が一瞬停止してしまっていた。体が動き思考が戻って来たのは3体目が斬られ、抵抗し放たれた魔力で生成した岩が半透明の壁で弾かれる光景を見た時である。


「ッ! 一旦距離を取れ!」


 隊長が新たな指示を出した瞬間、上空から魔力の塊のような、柱のような物が飛来し前衛部隊の一部を消し飛ばした。

 突然の出来事で更なる混乱を招く中、ディードは舌打ちをしハルバートを手放し、未だ砂煙が立ち込めている場所に向かって走り始める。手から離れたそれは虚空へと消えていく。


「あー、くっそ、次はあいつらかよ! あれじゃダメだったってことかよ!!」


 悪態を付きながら、数秒の間隔をはさみながら次々と飛来して来る魔力による攻撃を、半透明な壁を何重にも張り防衛しようとする。が、そのほとんどが割られ突破されていく。防ぎきった時には残り2~3枚ほどまで減っていた。そして、急いで次の攻撃に備え再び壁を複数枚生成する羽目となっていた。

 砂煙の中にはスラが居り、回収すると急いで森の中に入った。


「スラ、予定変更だ。あいつら餌にして俺達はこのままとんずらすんぞ」


 続いてポーチも回収し、森の中を走り抜けていく。枝で頬を切ろうが腕を切ろうがお構い無しにだ。

 だが、高速で近づく魔力を感じ取り、咄嗟に壁を発生させるとソレは壁と接触した瞬間に爆発し、爆風が身体を伝う。

 彼は悟った。今回"も"容易には逃げられない、と。



 よそ風か心地よい草原に1人の青年が横たわっていた。

 身体はボロボロで焦げている箇所すら見受けられる。

 ポーチは潰れており、弾けたジュカの実の果実や果汁でベトベトになっていた。無論、此方も食べられた物ではない。

 彼は目を覚ますと唸り声を上げながら体を起こした。


「はぁ……最悪だ。スラ生きてるかー?」


「むゅ~……」


 返事をし胸元から涙目のスライムが顔が見え、安堵のため息をつく。

 ポーチを投げ捨て、再び横になり2人で空を見上げた。


 あの後、4人組の女とこれらを束ねる男1人、計5人に2時間ほどの間追い掛け回され、ディードもスラも魔力が底を尽きかけており身体も疲労で悲鳴を上げていた。実はもう1人居たのだが初撃を防いだ後、なぜか以降攻撃には参加してこなかった。


 更に家はなくなり、新たに魔物軍と思われる連中にも追われる身という事実が付きつけられ、ついでに今日の夕飯も明日の朝食もダメになった。2時間と少しの間に状況が真逆な状態に陥り、困惑と悲しみが彼を襲っていた。


「折角、2人で静かに暮らしてたのになぁ……ま、しゃーないか」


「むゅ、むゅ~」


 軽く気分を切り替え、ゆっくりと流れる雲を眺めていると、急にディードの顔に何かがへばり付き、視界がブラックアウトし思わず飛び起きてしまった。

 顔についていた何かは剥がれ落ち、地面に叩きつけられワンバウンドしてから、横たわる。

 動悸が激しくなっているのが自分でも分かるほどにびっくりしていたらしく、彼は息を切らしていた。

 眉をひそめソレをじっと見つめるとゆっくりと立ち上がろうとしたので、ディードは思わず半透明の壁を生成し奴を抑えこんでいた。


「……誰だお前」


「ギャー!!! 痛いギャ! やめるギャ!!!! 小悪魔愛護団体に言いつけてやるギャよ!!」


 小悪魔愛護団体などという聞かない単語が聞こえ表情は更に険しくなっていく。


「痛いギャー! 言いつけるのは嘘だギャ! やめてほしいギャ!! 恩を仇で返してほしくないギャ!」


「恩だぁ?」


「そ、そうだギャ! 誰が助けたと思っているんだギャ!」


 彼は覚えている限りの戦闘中の事を思い出すがこんなちんちくりんの記憶は一切なかった。スラにも伺い水で字を書いてもらうが、知らないという返答が帰ってきただけだった。

 つまり、助けたと言い張るこいつの言い分は、嘘くさいという結論に至ったのだ。


「残念だが知らんな」


「えぇ!? いや、仲間1人死んでるんだけどぉ!? あ、ギャ! 兎にも角にもまずは話を聞いてほしいぎゃ! なんで追われてるか知りたくないんだギャ!?」


 彼の眉がピクリと動く。


 ──話、ねぇ。


 ため息と共に壁を消し、三度横になった。

 ちんちくりんの小悪魔はゆっくりと立ち上がると、背中に付いている小さな羽を羽ばたかせ彼の近くまで飛んできた。


「し、死ぬかと思ったギャ……」


「で、理由。教えな。ギャス」


「分かってるギャよ。10年前の前魔王様が死んだ直後、その息子であるヴィアン様に魔王の称号が受け継がれたギャ。で、今は表向きヴィアン様主導で魔物軍が動いているギャ。けど幼くして継いだ分けだから、相談役や大臣が支えてる・・・・・・ギャ。此処までなら特に何もないのだけれど、問題が発覚したの。前魔王様家臣は愚か正妻にも隠して外で子作りしちゃってたのね。まぁ、理由はあったっぽいけど。それでその子供は男の子が1人、女の子が1人の計2人。で、その男の子が貴方。つまり命が狙われるのは向こうからしたら、貴方が生きてると都合が悪いからいっそのこと消そうってこと」


 彼の頭は理解を拒んでいた。理解したくなかったのだ。

 それは、完全に面倒くさい奴だからである。

 だからと言って、これが本当に事実ならば理解しなければいけない事柄であり、逃げた所で事実が変わるわけでもない。


「それで? ギャス、お前も俺の命狙ってるのか?」


「狙ってるならもう殺してるわ……ギャ。というかギャスって誰ギャ!?」


 小悪魔は頬を膨らませながらディードの上空を時計回りにぐるぐると飛び回る。


「お前だよ、お前」


 と、小悪魔を指差しながら彼はそういった。


「そんな名前じゃないギャ! プッチデビルっていう立派な、立派な! 名前があるギャ!」


「はいはい、ギャスね」


 違うギャー! と、小悪魔は急降下して顔のすぐ上にまで来たが、手で払い除ける。

 今後、ずっと追われる身という立場が揺るがない今、どう行動するか。と彼は考え始める。

 色々と案は浮かぶものの、コレと言って良さそうな手は見つからない。


 すると、スラが魔力で浮かせた水で再び文字を書き始める。

 程なくして書き終わり、ソレを読み終えるとスラを撫でながら起き上がった。


「なぁ、ギャス。お前らの目的はなんだ?」


 書かれた文字は"彼女は敵じゃない"という物。

 確かにアレは"敵ならばもう殺している"と言っていた。だが、それだけで"味方"という分けでもない。立場で言えば中立もあり得る。

 そして、此処で尤も重要なのがスライム種は人、魔物、魔族関係なく"向けられた善意、悪意"をなんとなく感じ取れる時があるらしい。わざわざこう伝えたという事は今回は何処かで善意を感じ取った。という事になる。


「も、目的ギャ? 端的に言うと魔王様……貴方の生存ギャ」


「俺の生存?」


「そうだギャ、それだけでも多少はストッパーになるギャ。魔物軍が暴走するかどうかの、ね」


 きな臭さを感じディードの眉にシワが寄り、どういうことだ。と、問いかけようとした矢先、遮るようにして「ついてくるギャ」と言って飛び始める。

 一回目線をスラに落とし、目を見合わせ2人で薄く笑うと立ち上がって後追って歩き始めた。



 草原から森に入り歩く事1時間。日が傾き夕方となっていた。


 その間色々と質問をぶつけていたが、有益な情報はほとんど得られていなかった。

 彼が得られた情報といえば、なぜ身元の特定まで至れたのか。仲間の残り人数。今、何処に向かっているのか。ぐらいである。


 最初の質問の答えは今亡き母親から辿ったらしい。それでも情報が少なく酷く難航し、相当な時間を要したとか。

 次はいっぱい。という答えが返って来た。更に言うと今回ついてきているのは4人だけで残りは3人とのこと。

 最後は合流場所の古小屋に向かっているらしい。

 これ以外の事や暴走の事も聞いたがのらりくらりとはぐらかされ、まともな答えが返っては来なかった。


 並行して、ディードとスラは意見のすり合わせも行っていたが、ほぼ同意権でありする必要はあまりなかった。

 強いて言えば、ギャスの猫かぶりの印象に対する差異ぐらいだ。


 更に数分歩き小屋に付いた後中に入るが誰もおらず、それぞれ種類の違う装備1式が3点と調理器具が1点が置かれているだけだった。

 これがギャスの仲間の物だとしたら、装備もなしで外を歩いている事になる。

 中に入り、腰を下ろした。


「来て、また外に出たみたいだギャね。仕方ない、待つだギャ。それより魔王様、使役してるスライムの名前教えてもらっても良いだギャ?」


「ん? あぁ、スラってんだ。後使役してるわけじゃない。れっきとした家族だ」


 そう言いながら、スラを撫でる。


「家族……分かったギャ。使役してるなんて言ってすまなかったギャ」


 それから特に会話もなく、からと言って気まずい空気でもなく時間が過ぎていった。30分ほど続いた静寂を破ったのは、ディードの腹の虫だった。

 彼は「腹減った」と呟き、再び腹の虫が鳴る。

 それを聞いたギャスは、ため息をつきパタパタと扉の方にゆっくりと飛んでいった。


「何か食べ物探してくるギャ。ちょっと待っててほし────ブッ」


 奴は最後まで言い終わる事なく、突然勢い良く開かれた扉とぶつかりそのまま開ききられ、ドアと壁の隙間へと姿を消した。

 扉を開けた張本人のオークはというと、何食わぬ顔で「プッチ様は戻られておられるか!」と、小屋の中を見渡す。そして、ディードを見つけると両手を広げながら歩み寄り始めた。


「おぉ! ご無事でしたか!」


「あぁ、お前らがあいつの連れか」


 更に後ろから2体の魔物が入ってくる。1体はゴブリン。もう1体はリザードマンだった。

 ハグしようとするオークを手で静止させ立ち上がる。


 見た所、訓練された兵士である。といった印象は受けなかった。いい所中堅の傭兵辺りが関の山だろう。

 彼らに悟られるよう、緊急防御出来るように魔力の準備をする。それを察知したのかスラも攻撃の準備を始めていた。

 ぎぃと音を立てながらゆっくりと扉が閉まり、怒りをあらわにしたギャスが現れたのだった。

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