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花の祝福は私に宿る  作者: タカのハネ
7/15

1-6「花の祝福」

続きです。


洞窟を抜けると、広い空間に出た。

至る所で雫の落ちる音がする。

赤褐色の壁で囲まれ、見ると、それはまるで水の滴りのような模様をしていた。

手で触れると湿っていた。

俺は服の裾で手を拭き、先に進もうとした。


『誰か』


途端、声が響いた。

人の声を重ね合わせたような声が、壁に当たって反響し、頭を揺さぶる。


『何用か。

ここは神聖な場所である。

力も持たぬ人の子が近づける道理はない』


怒気を孕んだような声音だ。

この声の主にとって、ここは踏み荒らされたくない場所らしい。


俺は、やはりと思って、その声の主に尋ねた。


「ここに、マグニ・ローレンの宝が眠っているのか」


声の主は答えなかった。

ただ、あたりの温度が僅かに下がるのを感じた。

俺は続けて尋ねた。


「あなたが、そうなのか?」


『‥‥私は"花"ではない。

だが、あれをよく知っている。

人の子よ、汝はあれを欲するか』


俺は、間を空けずに答えた。


「欲しい」


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