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花の祝福は私に宿る  作者: タカのハネ
4/15

1-3「花の祝福」

続きです。

「何見てるの?」

意識の外から声をかけられ、身体が震えた。

視線を声の元にやると、見知った顔があった。

「エルマ」

おさげの似合う少女がそこにいた。

黒い髪を頭の両脇でまとめ、一つ動く度にブラブラ揺れている。

「どうした?」

「イオが、外を見ながらぼーっとしてたから。

どうしたの?」

おさげの少女は首を傾げた。

二本の髪の束がまた揺れる。

「なんでもない」

私は首を振った。

「うそ。あなた、やましいことがある時、まばたきの回数が多くなるもの。

私になにを隠してるの?」

彼女は、私の願望を知らない。

幼馴染で、古くから私を知っている彼女は、時々、お節介なほど世話を焼いてくる。

私には、それが、時たま酷く煩わしく感じていた。

「なんでもないって。

あっち行けよ」

私はその黒い感情がわずかに漏れるのを感じながら、彼女を追い返そうと、手をヒラヒラ揺らした。

しかし、これで黙るような女でないことは、この十数年の付き合いでよく知っている。

「いや。何か悩みでもあるの?

あ、今度のテストのこと?

じゃあ一緒に勉強しましょうよ」

「勝手に話を続けようとするなよ。

俺はなんでもないって言ったんだ。

あんまり構うなよ」

俺はそう言って机に突っ伏した。

エルマは、なによ邪魔ものみたいに、と不機嫌そうに言う。

しかし、やはり彼女は帰ろうとはしなかった。


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