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2-2「出立」
二日ほどお休みをもらいました。
連載再開です。
でも。
「俺はもう、嘘はつきたくないんだ」
自分を殺して。
他人に抗うこともしないで。
そうやって生きた結果は、この堕落した精神が物語っている。
もうやめだ。
こんな自分に、終止符を打とう。
「ごめんな。あと、ありがとう」
そう言って俺は、泣いているエルマに背を向けた。
エルマの涙くらい張り切らなくて、今の自分と別れられるような気がしなかったから。
罪悪感が胸を突き刺す。
でも、同時に清々しくも思っていた。
「新しい人生を、見つけに行こう」
そうして俺は、旅に出た。