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Dead Heat Zone  作者: 中村英雄
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明日の天気

 ――木場拓未。

 いったい彼は何者なのだろう?

 この五日間。入念に観察してみたけど、アタシにはただのお人好しにしか見えない。


 初めて出会ったあの日。最初の印象は怪しいの一言。

 夜も間近な真っ暗な山中に現れた拓未。

 大した装備品も身につけないで現れて、アタシを追ってた師匠を簡単に吹っ飛ばした。

 僵屍である師匠を吹っ飛ばしたから最初は不死者の類いかと思って警戒したけど、見た限り普通の人間。

 ちょっと気を探ってみたけど、微妙に(いん)の気が混ざってる以外は普通の人間と変わらないし問題ないと思った。

 そのまま師匠の鎮静化を手伝ってもらって、ちょっとは仲良くなったし目指す方角も一緒だから着いていったけど……

 吸血鬼って、なによ!?

 いま思い出してもムカつく!

 なによ、あの吸血鬼女!

 突然、闇夜から現れて……あんなの敵だと思うに決まってるじゃん!

 いままで感じたこともない深くて暗くてドロドロとした純粋な陰の気の塊みたいなあの女。

 勝てないのは分かってたけど、あんなの反則じゃない。

 師匠から逃げてたせいで、体力も霊力も減ってて、銭剣くらいしか十全に使えなかったとはいえ、まともに喰らっといて無傷とか……

 あの時、拓未が止めてくれなきゃどうなってたのか。

 というか、なんで拓未はあんな吸血鬼女と行動を共にしてるんだか……謎だわ?

 聞いても、はぐらかされるしモヤモヤするなー。

 あの吸血鬼女のせいで、銭剣は造り直さなきゃいけないし最悪だ。

 でも、良い出会いもあったし帳消しってことになるのかな?

 まさか、同年代の女の子に会えるなんて思ってもみなかった。

 日下真理ちゃん。

 雪みたいに真っ白な髪と肌に、綺麗な紅の瞳を持った女の子。

 昔、雪の日に師匠が作ってくれた雪兎みたいでとっても可愛い。

 ちょっと気弱でビクビクしてるとこも兎みたいで、そこもかなり可愛い。

 この五日間でけっこうお話もして仲良くなれた気がする。

 どうやら真理ちゃんも拓未に危ないとこを助けてもらったらしく、それが縁で拓未と旅をしてるみたい。

 いまは知り合いに頼まれた約束を果たすために拓未と北を目指してるらしい。

 その約束について聞いたけど、やっぱりこれもはぐらかされてしまった。

 ま、こんな世の中だし色々事情はあるよね。

 あんまり他人に話したくない話の一つや二つ当然か。

 アタシにだって、そういう話はいくつかある。

 拓未と真理ちゃんに余計な詮索はしないでおこう。

 拓未が言うには明日には福島県に入るらしい。

 師匠の出身地は海沿いの町らしいけど、いまアタシ達は内陸の方にいるみたい。

 明日からは海沿い目指して北上前進。

 頑張らねばだ。

 きっと、アタシ一人だったら迷ったりして、もっと時間が掛かったに違いない。

 そういう意味でも拓未にはお礼をしないとなー。

 まぁ、それは師匠を故郷に送り届けてから考えればいいか。

 とりあえずは明日のことだ。

 アタシの勘では明日は雨が降る。

 道術や風水術とは関係ないただの勘だけど、これが良く当たるのだ。

 師匠の風水術とアタシの勘で一週間の天気予報をしてみたらアタシの勘の方が百発百中だったほど。

 拓未も明日の天気が雨だと分かれば、何かと行動しやすいだろう。

 そうと決まれば早く伝えてやろう。


 明日の天気は、荒れそうだ。

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