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折れやすい空手家  作者: 悩める空手家
3/4

初めての敵は、復讐者

行動には結果が出る。そして、その結果が、次の行動を生む。

晃一の職場に、新人が来た。


介護福祉士の資格を持っているとの事で、研修期間が終われば、新人とはいえ、晃一よりも上の立場になる。


「大学で資格は取りましたが、実務については素人なので、ご指導をよろしくお願いします。」

イケメンで、爽やかな雰囲気を持ち、細マッチョな彼は女性陣の心を鷲掴みにした。

志田 恭介。晃一の勤める介護事業所の社長の次男である。


晃一は、笑顔でみんなと同じように、歓迎の拍手をしていた。

しかし、彼は、冷や汗をかいており、内心では一刻も早くこの場を離れたいと考えていた。


なぜなら、2年前に晃一は、恭介を半殺しにした事があるからだ。


きっかけは、友人の妹の復讐だった。


恭介は、幼い頃から空手をやっており、高校で日本チャンピオン、大学一年で世界大会3位と凄まじい才能を発揮した。

将来は、世界チャンピオンになり、日本のエースとして、日本最大の団体を率いて行くと期待されていた。


しかし、彼は大学2年の時に、空手の世界から身を引いた。


表向きの理由は、ある事件に巻き込まれ、致命的なケガを負った為に、若くして引退した事になっている。


だが、本当の理由は、晃一の友人の妹をレイプした為に、晃一に半殺しにされ、自白のビデオと罪を認める念書を取られたからだ。

その念書に、空手の世界から身を引く事も含まれていた。


もちろん、公にはなっていない。なぜなら、被害者である友人の妹が、事件として世に出る事を拒否したからである。


なお、被害者本人は知らないが、晃一と友人は、恭介の父親にだけ、恭介の犯した罪を知らせ、証拠を見せた。証拠と引き換えに、賠償金を脅し取る為に。この取り引きを知るのは、晃一と友人、恭介、恭介の父親だけだ。


しかし、晃一は、やり過ぎた。


取り引きをした1ヶ月後、恭介の父親が自殺したのだ。


この自殺の原因も、表向きは、自らも空手の経験者であった恭介の父が、息子の引退に責任を感じ、世間へのお詫びとして死を選んだ事になっている。


真相を知るのは、晃一と友人、恭介のみである。



恨みは、憎しみを生み、その憎しみは、恨みを生む。その連鎖を断ち切るのは難しい。

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