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オウマガドキLIFE!  作者: akane1984
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三途の川クルーズ

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目が覚めたのは、何が有るでもない謎の場所。

しかし、立ち上がり、地を踏みしめて考える。

(どうやら少なくとも、自分という物理的な存在と、踏みしめる事のできる地面は有るらしいな···)

本来ならば、考える必要も無いだろうと一蹴するその思考は、最後に覚えている光景が目に焼き付いているからに他ならない。

まずは、自分の服装をチェックする。

ジャージ、上下同じ色のジャージに小学5年からブリーフが嫌いになり、履きはじめたトランクスタイプのパンツ。

「他に何か持ち物は・・・?・・・!」

ポケットの中を漁ると小銭入れが出てきた。そう言えば水分補給用に、スポーツドリンクを買おうと思って少しだけ入れて置いたんだっけ。

「えーと、確か120円くらい入れてたはずだけど・・・」

中を確認して見ると、確かにぴったり120円入っている。

しかし、辺りを見渡してみて分かったが、自販機はおろかコンビニもスーパーも、と言うか建物が何一つとして無い。

此れは明らかに異常だ。もしかしてこれがあの世とかいう場所なのだろうか。

そう思うと、否応なしに先程体験した信じがたい経験が、笑えない夢等ではなく、れっきとした事実であることが頭の中に浸透し始める。

数分かけて理解を終えると、何故か涙が溢れた。

止めどなく延々と流れ出る涙は、地面に流れ落ち、広がって行く。だが。

数十秒数えたかどうかというタイミングでソレは現れた。

ゴゴゴゴ・・・というものものしい音と共に目の前に、事務机と椅子。

そしてそれに腰掛けた髭もじゃのオッサンが現れた。

・・・数秒のフリーズの後、涙はすっかり止まっており、寧ろ目の前の未確認生命体にその興味は以降していた。

僕が長いことオッサンを眺め続けていると、オッサンは急に喋りだした。

「えーと、君が奇観月 明君・・・であってるかな?」

「キエェェェェアアアアアアァァァシャベッタァアァァァァァァ!?」

こ、こいつ、喋って・・・っていうかオッサンなんだし、喋るか。何を驚いてるんだ。

しかし、オッサンはそんな僕の失礼な態度には軽く顔をしかめただけで、つらつらと言葉を並べていく。

「ふむ、君は私を知らんようだな。宜しい、ならば教えよう。私は三途の川の渡しを勤めている寝府丹利他和ねふにりたわという。一度限りの船旅をより良い物にするための、三途の川クルーズの窓口だ」



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