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ロビンソンなのね?

作者: シマリス
掲載日:2016/02/24

ザバァ………………


ザバァ………………


ザバァ………………



波打ち際に打ち上げられた難破船。



傍らの瓦礫に寄り掛かりフト、目を覚ますオレ。


『助かったのか……?』


それにしても酷い嵐だった。


辺りを見回すが誰もいない。


みんな、海に呑み込まれたらしい。


トボトボと白い砂浜を歩き出すオレ。


どこまでも、長くのびている。


『もしかしたら無人島に漂着したのか?』


食糧と水は難破船にあるから、余り離れない方がよさそうだ……


そう思ったオレは浜辺の(へり)まで来て岩壁を見上げて引き返した。


耳を澄ましても波音しか聞こえない。


長い砂浜にはオレの足跡だけが長くのびている。


オレは(ひらめ)いた!


砂浜には【help】の大きな文字を書こう!


太い枝を折って白い砂浜に大きく救出のサインを書いた。


はて?


SOSの方がよかったかな?



どちらにせよ、同じことだ!



オレは空を仰いだ。



『おー!神よ、我を救いたまえ!』


『今から信者になります!』



その時、バタバタとヘリコプターが遠くの方に現れた。


『やった!!』


大きく手を振り助けを求めるオレ。


次第に近付いてくるヘリコプター。



『やった、助かったぞ!』


『にわか信者でも、神様は願いを聞いてくださる~♪』


『ありがたや、ありがたや、』


『おーい!ここだぁ!


『助けてくれー!』


オレの頭の真上まで来て下を見ているヘリコプターの二人。


笑い転げているようにも見える。


『?』


『なに?なに、?』


『何でわらとるんや?』


ヘリコプターは、何事もなかったようにそのまま岩壁の彼方へ消えていった。


『なんでやねん!』


『なんで、助けてくれへんの?』


棒きれを投げ捨てその場に座り込むオレ。


ふてくれさぎみ、海の水平線に目を移した。


『あーーー!!』



『船や!』


『しかも、大型客船や!』


オレは急いで薪を集めて火を付けた。


中々、

燃え上がらない……


上着を脱いで風を送る。


『はよう!!


燃え上がってくれーー!!


船ぎ見えへんようになる前に!』



努力の甲斐もあり、燃え上がる薪の炎。


これまた、客船に向かい大きく手を振り助けを求めるオレ。



『おおーーーい!!』


『ここや!ここや!』


『助けてくれーー!!』


客船は次第に浜辺に近づくも、ある程度の距離を置いて停止してしまった。


客船の甲板には大勢の人々。


老人から幼子まで指を指してオレを見て笑っている?


『なんでやねん!』


『この難破船がみえへんか?』


『笑っとる場合やないやろ!』


『はよう!、救命ボートを出さんかいな』


『へ?………………おい、おい、』


『なんで?』


『いっちまうの?』


『おーお!、見捨てへんでくれーー!!』


『頼むわ!、助けてくれーー!!』


岩壁へ大型客船は姿を消していった。



オレは天を仰いだ。



『神様!、それはないやろ!』


『喜ばしといて、落とすんかい!』



オレは砂浜に大の字になって寝転んだ。



『これから、オレはどーすりゃえーんや!』


すると、オレの顔をのぞきこむ女の子の顔。



『うわーーーーっ!!』


『な、な、なんやねん!』


『お嬢ちゃん、どっから現れたんや!』


オレをジーッと見て話し出す女の子。


『オジちゃん、何してるの?』


『これも、アトラクションのひとつなの?』


オレは意味不明な彼女の言葉に首をかしげた。


『アトラクションな、わけないやろ!』


『あの

難破船を見てわからへんの?』


『漂流したんや!』


彼女はキョトンとして、またまた笑いだした。


『漂流ゲームなのね!』


オレは憤慨した。


『漂流ゲームな、わけないやろ!』


『り、リアル漂流や!』


すると彼女の後ろからガールスカウト風の若い女性が現れた。


『お客様、もう、そろそろ閉園のお時間です。』


『出口へお急ぎくださいませ。』


オレは、またまた、意味不明な言葉を話すガールスカウトに困惑した。


そのガールスカウトは、オレの側に近付いて来て言葉を掛けた。


『お疲れ様でした。ロビンソンさん。』


彼女はオレの目の前で眼鏡を外した。


いや、それはオレが眼鏡を外されたのだ。


とたん、記憶が呼び戻された……



辺りは真っ白な広い部屋……


オレの目の前にはバーチャル立体眼鏡を下げた女性スタッフ。


『本日は当、バーチャル漂流館へおいでくださりありがとうございました。』


『またのお越しをお待ちしております。』



…………………………………。




出口のドアへ向かうオレ。


そうだった。



現実から逃避するためにここへきたんやったな……。



ドアを開け外へ出るオレ。



へ…………………………。



どこまでも続く宇宙空間。



『おーーーお!!』



『助けてくれーー!!』















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