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聖女の回復魔法がどう見ても俺の劣化版な件について。  作者: きなこ軍曹/半透めい
第二章  俺の本気の力がどう見てもリリィの劣化版な件について。
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もう、諦めよう

ブクマ評価感謝ですm(_ _)m

 「リリィって、魔族なのか?」


 俺たち以外誰もいないその部屋で、俺はついにリリィに聞いた。


 「……え?そうだけどー?」


 「………」


 俺が緊張しながら聞いたというのに、リリィは特に何か気にするようなことも無さげに、そういった。


 こ、これはどうしたらいいんだろうか。


 「えっと、じゃあなんで今まで教えてくれなかったんだ…?」


 もっと早くにそれを教えてくれていたら、良かったのに…。


 「だって聞かれなかったもんっ!」


 俺が呆れたように聞くと、リリィがすこし怒ったように頬を膨らませながら、そう言ってくる。


 「いや、確かに聞いたりはしなかったけどさぁ…。」


 それでも自分から教えてくれても良かっただろう。


 「うぅ…」


 俺の言葉にリリィが目に涙を浮かべながら俺から顔を背ける。


 「あーごめんごめん。聞かなかった俺が悪かったから」


 これではまるで俺が泣かせたみたいだ。


 もしこれで誰かが来たりしたら、また勘違いされてしまうじゃ―――


「大丈夫ですかー?ネストさん」


 ―――ないか…。


 ちょうどそのとき、ルナが部屋の中に入ってきてしまった。


 「………」


 そしてやはり俺たちの様子をみて、無言になる。


 あ、これ絶対勘違いされてるわ。


 「い、一応言っておくけど、別にリリィをいじめてた訳じゃあ…」


 自分で言っておいてなんだけど、言い訳にしか聞こえないわこれ。


 「リリィちゃん、こっちおいで…?」


 やはりというべきか、ルナは俺の言葉を無視して、泣いているリリィを自分の下へと呼ぶ。


 「……ネストがいい………」


 「っ」


 だがそんなルナに対し、なんとリリィは泣きながらも俺に抱き着いてきた。


 「……ふ…ふふ…っ……ふ…」


 俺はというと、驚きに目を見開いているルナへ、笑いをこらえるのに必死だった。


 「……っっ!!」


 そんな俺に気付いたのか、ルナは一度だけこちらをにらみつけると、部屋から出て行ってしまった。


 ふふふ、俺の勝ちだ……っ!!


 「……ごめんね、ネスト…」


 ルナが出て行ったあと、リリィがそう呟く。


 「いや、俺の方こそごめんな…?」


 リリィの頭をなでながら、俺もそう返した。


 



「えっと、それでどうしようかって話なんだけど…」


 リリィも落ち着いてきたので、リリィを自分の膝の上にのせると、俺はそう切り出した、


 「どうしたらいいかな」


 正直なんの考えもない。


 そもそも魔族がどうとかっていうのもそんなには知らない。


 力が強い事と羽とかがあることくらいか……。


 「あれ、そういえばリリィって羽は…?」


 そこで俺はリリィに魔族特有の羽が無いことに気が付き、そう聞いた。


 「はねはおとなになったらはえるみたいだよー?」


 「へぇ…」


 どうやらただ単に俺が知らなかっただけのようだ。


 ま、まぁ田舎から出てきたから、あまり知らなくても普通だよなっ!?


 「それで、アウラたちのことなんだけど、どうしようか……」


 今回のことは、俺たちだけでは手に負えないだろう。


 んー、どうしようかなぁ……


 「私がいるぞッッ!!」


 「っ」


 そう言い放ちながら扉をあけ放って、部屋に入ってきたのは、国王様であるエスイック。


 そのいきなりの登場に、膝の上でリリィがおびえてしまっている。


 「こういうときこそ私の出番だろう!」


 ……確かに、国王であるエスイックならば、色々な場面で力になってくれるかもしれない。


 「えっと、じゃあ頼もう、かな…?」


 「心得たっ!!」


 目をキラキラさせながら、エスイックは俺にそう応えた。


 「あ、そういえば、念のためにも黒マントは準備しておいた方がいいだろうが、今持っているか?」


 そこで、エスイックが思い出したかのように俺に聞いてくる。


 「……」


 もちろん持ってきたりしていない。というか既に捨てている、とは言えない。


 「………あ、あぁ、実は家に忘れてきちゃったからさぁ、新しく買うよ」


 この応えであれば、エスイックも納得してくれて、俺もあの恥ずかしい黒マントを着なくて済み、みんなしあわせだ。


 「いや、実はまだアレと同じ奴なら山ほど持っているから大丈夫だ!」


 ……………。


 「た、助かるよ……」


 もう、諦めよう―――――。



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