もう、諦めよう
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「リリィって、魔族なのか?」
俺たち以外誰もいないその部屋で、俺はついにリリィに聞いた。
「……え?そうだけどー?」
「………」
俺が緊張しながら聞いたというのに、リリィは特に何か気にするようなことも無さげに、そういった。
こ、これはどうしたらいいんだろうか。
「えっと、じゃあなんで今まで教えてくれなかったんだ…?」
もっと早くにそれを教えてくれていたら、良かったのに…。
「だって聞かれなかったもんっ!」
俺が呆れたように聞くと、リリィがすこし怒ったように頬を膨らませながら、そう言ってくる。
「いや、確かに聞いたりはしなかったけどさぁ…。」
それでも自分から教えてくれても良かっただろう。
「うぅ…」
俺の言葉にリリィが目に涙を浮かべながら俺から顔を背ける。
「あーごめんごめん。聞かなかった俺が悪かったから」
これではまるで俺が泣かせたみたいだ。
もしこれで誰かが来たりしたら、また勘違いされてしまうじゃ―――
「大丈夫ですかー?ネストさん」
―――ないか…。
ちょうどそのとき、ルナが部屋の中に入ってきてしまった。
「………」
そしてやはり俺たちの様子をみて、無言になる。
あ、これ絶対勘違いされてるわ。
「い、一応言っておくけど、別にリリィをいじめてた訳じゃあ…」
自分で言っておいてなんだけど、言い訳にしか聞こえないわこれ。
「リリィちゃん、こっちおいで…?」
やはりというべきか、ルナは俺の言葉を無視して、泣いているリリィを自分の下へと呼ぶ。
「……ネストがいい………」
「っ」
だがそんなルナに対し、なんとリリィは泣きながらも俺に抱き着いてきた。
「……ふ…ふふ…っ……ふ…」
俺はというと、驚きに目を見開いているルナへ、笑いをこらえるのに必死だった。
「……っっ!!」
そんな俺に気付いたのか、ルナは一度だけこちらをにらみつけると、部屋から出て行ってしまった。
ふふふ、俺の勝ちだ……っ!!
「……ごめんね、ネスト…」
ルナが出て行ったあと、リリィがそう呟く。
「いや、俺の方こそごめんな…?」
リリィの頭をなでながら、俺もそう返した。
「えっと、それでどうしようかって話なんだけど…」
リリィも落ち着いてきたので、リリィを自分の膝の上にのせると、俺はそう切り出した、
「どうしたらいいかな」
正直なんの考えもない。
そもそも魔族がどうとかっていうのもそんなには知らない。
力が強い事と羽とかがあることくらいか……。
「あれ、そういえばリリィって羽は…?」
そこで俺はリリィに魔族特有の羽が無いことに気が付き、そう聞いた。
「はねはおとなになったらはえるみたいだよー?」
「へぇ…」
どうやらただ単に俺が知らなかっただけのようだ。
ま、まぁ田舎から出てきたから、あまり知らなくても普通だよなっ!?
「それで、アウラたちのことなんだけど、どうしようか……」
今回のことは、俺たちだけでは手に負えないだろう。
んー、どうしようかなぁ……
「私がいるぞッッ!!」
「っ」
そう言い放ちながら扉をあけ放って、部屋に入ってきたのは、国王様であるエスイック。
そのいきなりの登場に、膝の上でリリィがおびえてしまっている。
「こういうときこそ私の出番だろう!」
……確かに、国王であるエスイックならば、色々な場面で力になってくれるかもしれない。
「えっと、じゃあ頼もう、かな…?」
「心得たっ!!」
目をキラキラさせながら、エスイックは俺にそう応えた。
「あ、そういえば、念のためにも黒マントは準備しておいた方がいいだろうが、今持っているか?」
そこで、エスイックが思い出したかのように俺に聞いてくる。
「……」
もちろん持ってきたりしていない。というか既に捨てている、とは言えない。
「………あ、あぁ、実は家に忘れてきちゃったからさぁ、新しく買うよ」
この応えであれば、エスイックも納得してくれて、俺もあの恥ずかしい黒マントを着なくて済み、みんなしあわせだ。
「いや、実はまだアレと同じ奴なら山ほど持っているから大丈夫だ!」
……………。
「た、助かるよ……」
もう、諦めよう―――――。




