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聖女の回復魔法がどう見ても俺の劣化版な件について。  作者: きなこ軍曹/半透めい
第一章 聖女の回復魔法がどう見ても俺の劣化版な件について。
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物理ダメージがあるだと……ッ!

1円=1エンです。ブクマ、評価ありがとうございます。100000pvいきました。

おかげさまで日間ランキングにも載りました。読者の皆様に感謝です。

感想で指摘された点で、値段をアスハに聞くという点を最初の客に聞くという内容に書き換えました。

「ネスト起きてー。朝だよ」


 ……やばい、とうとう俺は幼女の幻聴まで聞こえるようになってしまったのか。疲れてるだろう、もう少し寝るか。


 「もう、ネストぉ起きてってばぁ。っそい!」


 俺相当疲れてるみたいだ。だって少し目を開けたら上から幼女がダイブしてきてるんだから。よし、寝るk「グフッ!」


 ま、まさかの物理ダメージがあるだと……ッ!


 「ってリリィか?」


 ようやく目が覚めてきて状況を把握する。


 「初めまして!アタシ、リリィ!あと、病気治してくれてありがとぉ!」


 「うむ、どういたしまして。」


 昨日結構回復魔法を使うか悩んだけど、これなら治して良かったな。「別に頼んでないしぃ」、とか言われた日には泣くぞ。


 



 食堂で朝食を取りながら俺たちは今後の計画を立てた。


 「えっと、俺今日からギルドでちょっとした商売やるんだけど。アウラたちはどうする?ついてきても暇だと思うし、」

 

 「それなら、今日は宿で休ませてもらっていい?まだ結構疲れてるし。」


 「了解。リリィはどうする?」


 「ネストと一緒に行くぅ!」


 「オッケー。じゃあアウラ留守番お願いな。夕方には帰れると思うから。」


 

 


 

そして現在、ギルドのテーブルを借りて治療を始める。てっきりアウラと一緒にいると思っていたリリィは俺の膝の上で大人しく座っている。


 そこへ、いかにも冒険者という風貌のおっちゃんが来た。


 「おう、あんちゃん。ちと治療をしてもらいたいんだが、頼めるか?」


 「治療するところを見してもらっても大丈夫?」


 どうやらおっちゃんは腕を怪我しているようだ。それなりに深い傷だが、これくらいなら怪しまれることもないだろう。


 「これくらいなら治せるよ。」


 「どれくらい掛かりそうだ?」


 うーん、こういうのって相場はいくらくらいなんだ?アスハさんに聞くにしてもまずこのお客さんを応対しないといけない。


「えっと、おっちゃんが初めてのお客さんだからお代はいいよ。その代わりといっちゃなんだけど、普通ヒールってどれくらい掛かるもんなの?えっと、ヒール」


 瞬く間に治っていく自分の傷を見ておっちゃんが驚いている。


 「これはたまげたなぁ!回復魔法って奴はすげぇんだな!これくらいなら大体1000エンくらいじゃねぇか?俺もよく知ってるわけじゃないが」


 ありがとさん、とおっちゃんは言い残して帰っていった。おっちゃんのクチコミに期待だな。


 あと、基本値段はおっちゃんの言うとおり1000エンにしておくことにした。




 



 


 治療初日、朝から夕方まで開いていたのだが、意外にもたくさんの客が来て驚いた。そのおかげで俺の財布は現在潤っている。


 その間、リリィは俺の膝でニコニコ笑いながら座っていた。くぅぅッ!可愛いな!!



 

 ギルドからの帰りに服屋さんに寄った。もちろんリリィの服のためだ。


 店員さんと試行錯誤を繰り返し、ようやく決まったのが1時間後。


 「ネストぉ!新しい服ありがとぉ!」


 「ん、どういたしまして。」


 少し、帰るのが遅くなってしまったがアウラなら大丈夫だろう。


 

 

 


 ―――――俺の認識は甘かったんだろう。


 ドアを開けた瞬間にアウラが飛びかかってきた。


 「ちょっ、遅れたのは悪かったって。でも、そんなことで怒んなく、て、も……。」


 アウラは目元を腫らして、こちらを見下ろしていた。


 「もう、もう帰ってこないかと思ったじゃないッ!夕方には帰るって言ったのに、中々帰ってこないし!てっきり、私もうネストに捨てられちゃったのかと思ったじゃない!!」


 アウラの涙が、一滴、また一滴と、俺の頬に落ちてくる。


 確かに、俺はちょっとしか遅れてないといえばそうだ。けど、アウラにとってのソレは彼女をそうさせてしまうのには十分な時間だったんだろう。


 「ごめん、俺がよく考えてなかったから……。」


 「ぐすっ、明日からは私も一緒に行くから、絶対。ダメって言ってもついて行くから。」

  

 「そうだね……、一緒に行こうか。」

 

 俺は、これからはアウラたちのことも考えて行かないといけないな、って改めて思った。




 

 


 ようやくアウラも落ち着いてきて食事をとることになった。


 「それで、さっきから気になってたんだけど、リリィ新しい服着てるわよね?」


 「え?うん、俺が買ったけど。」


 「私のは?」


 「うん?あー、ごめんなさい?」


 次の日アウラの分まで買わされました。財布は軽くなりました。

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