冗談でした、てへっ
ブクマ評価感謝です。
書きなぐったんで多分おかしいです。
あとで修正するかもしれませんm(_ _)m
こ、これはどうしたものか……。
今更、冗談でしたっ、てへっ。とか、言える雰囲気じゃないぞ、これ……。
どう考えてもさっきよりマズイ状況になってるんだが……
「……ぅぅ……。……っ……!」
今も俺の背中に顔を押し当てて泣き続けている。
そろそろ、剣を抜いて治療したいところなんだけど……。
「……っゴメンなさい……!!……っゴメンなさい……っ!!……わたしがっ……っわたしが悪かったから……っ!!」
俺には、アウラが何を思って何に謝っているのか分からない。
ただ言えるのは、そろそろ冗談だと言わないと、本気で後がやばいということだけだ。
……よし、今言うべきだッ!
「……ぅぅ……。……っネストぉ……!!」
しかし、冗談だと言おうとした時、ちょうど俺の名前が呼ばれて結局冗談とは言えなかった。
「……っわたし……っ……!!……今までっ……っいろいろ……ひどいことっ……っ……してきたっ……!!」
ホントだよ。トルエを連れてきた日なんか、なぁ?
「……っあやまるから……っ……わたしがっ……っわるかったから……っ……だから……もどってきてよぉっ……っ……!!」
戻るもなにも、最初からどこにも行ってないんだけどな。
あ、これもうホントやばい。そろそろ言わないと本当に後で殺されるかもしれないくらいヤバイかもしれない。
けど、いつ出ていけばいいのかも分からないのも事実。
「……っ今日だって……奴隷を解放されるって聞いてっ……っわたし……捨てられちゃうんだって……っ」
……まさかそんなことを思っていたなんて……
俺はただ奴隷だから不便だろうと思って言っただけなのに……
あれ、でもよく考えたらアウラだったら別に俺と一緒にいなくても大丈夫な気がするんだが。
「……っわたしはただっ……っネストのそばに……ぅ……居たかっただけなのに……っ……!!」
……どうして、『俺』なんだろうか。
本当に何かしたつもりもないし、普通のことだけをしていたと思う。
そんな俺と一緒に居たいなんて、そこがどうしてか知りたい。
「…………っこれからだって……っ……一緒に……っいたいよぉ……っネストぉ……っ!!」
相変わらず俺の背中に頭を擦りつけてくるアウラ。
剣が刺さってるから危ない、ということも出来ずただただ死んだふりを続ける。
「……置いてかないでっ……っ今なら……っ……何でも言えるからっ……っ……ずっと言ってなかったことだって……っ全部言えるから……っ!!」
……アウラが俺に言えなかったこととは、一体何だろうか。
も、もしかして鼻毛が出てましたとか、じゃない、よな……?え、違うよな!?
「……っわたし……っ……っネストのこと……」
あ、あれ?これ、このまま聞いて大丈夫なヤツ?も、もしかしてダメなヤツじゃないか……?
「―――――――――好き……。ずっと……っずっと言えなかったけど……わたし……っ……ネストのこと……好きだったッ!!」
―――アウラが、俺のことを、好き……?
俺はアウラの主でアウラは俺の奴隷で、好かれる理由なんて……。
というか女の子から、初めて好きって言われた――。
「……好き……っ……っ好き好き好き好き好き好き好き好き好き好きッ!!」
は、初めて好きって言われまくった――。
それから、少し落ち着いたのか背中にしがみつく力が弱まってきた気がする。
「……こんなに好きって言ってあげたんだから……っいい加減起きなさいよ……っ!!」
と思ったけど、やっぱりまた力が強くなった。
これって、起きたら起きたで、アウラが怒ると思うんだけど……。
けど、これ以上死んだフリを続けてても、ヴァイスに追いつけなくなるかもしれない。
それにそろそろ治療もしたい。
もう、怒られること覚悟で起きよう。
そう決意した時、ちょうどアウラがどうしてか背中に刺さっていた剣を抜いてくれた。
「……っ……これで最後なら……もう一回くらい……っわたしの我が儘を聞いてよね……っ……」
アウラは何を思ったのか俺の身体を仰向けにし始めた。ちなみに俺は目を閉じている。
……最後の我が儘ってなんだ―――?
「ネスト……」
……名前を呼ばれたが、特に何か起こる気配もない。
起きるなら、今か……。
そして、俺が静かに目を開けた瞬間――――――
―――――――――俺はアウラにキスをされた。
アスハさんがしてくれたような頬ではなく、口に。
アウラは目を閉じていて、俺が起きていることに気がついていない。
……キスは数十秒経った今でも終わることなく続いている。
俺は何がどうしてこうなっているのか分からず、ただただ混乱していた。
それからさらに数十秒。
とうとう、キスに終わりの気配が見えてきた。
……アウラが目を、開ける。
当然俺と目が合うわけで―――
「え…………?」
アウラが目に見えて固まった。俺と同じく何が起こっているのか分からないといった顔をしている。
「お、おはよう?」
いつまでもこのままでいるわけにもいかないので、恐る恐る声をかける。
「ぇ。……っえ!?」
アウラは顔を真っ赤に染めて、俺から離れる。
「ど、どうしてっ!?た、たしかに、起きてって言ったけどっ……。えっ、どういうことっ!?」
俺が生きていることに対し、何をどうしたらいいのかよく分かっていないようだ。
「落ち着けアウラ。これはだな……」
「こ、これは……?」
今、アウラを落ち着かせるために言わなければいけない言葉は決まっている。
「――冗談でした、てへっ」