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聖女の回復魔法がどう見ても俺の劣化版な件について。  作者: きなこ軍曹/半透めい
第一章 聖女の回復魔法がどう見ても俺の劣化版な件について。
38/181

ごめんなさい、嘘です。

ブクマ評価感謝です。

 

 「ちょっと、どうしたんスか?さっき一緒にいたギルドの人顔真っ赤にして出て行きましたけど……」


 ギルドの入口を指差しながら、ヴァイスが俺に聞いてくる。


 「い、いや、なんでもない……」


 本当はアスハさんと色々あったのだが、今はそんなことをしている場合でもない。


 「サイアンたちは、討伐隊参加するのか?」


 アスハさんの話から察するにオーガなるモンスターは相当に強いことが窺える。


 別にサイアンたちだけでなく、今回は他の冒険者の人たちだって同じだ。この前に参加したゴブリンの討伐隊とは訳が違う。


 恐らく、死の危険性も出てくるはず。それでも、討伐隊として参加してくれるんだろうか……?


 



 「…………俺は行くぞ」


 しばらくの沈黙のあとサイアンが小さな声で、されど決意の篭った声で答えた。


 「僕も、行きます」


 ゲイルも続く。


 「……ハァ、これじゃあ俺も行かないといけなくなるじゃないっスかぁ」


 最後に、ヴァイスも。


 「よし、じゃあ皆だな。まず、オーガは三つの場所に分かれているらしい。戦力が偏っているかもしれないし、俺たちは二手に分かれてそれぞれの討伐隊に参加するか」


 「それがいいですね」


 「じゃあ俺とヴァイス、ゲイルとサイアンで別れよう。今からは各自で装備の準備とかをやろう」


 そこまで言って、俺はヴァイスを引っ張ってギルドを出て行った。


 俺の意見にゲイルが賛同してくれたが、俺の狙いは別にある。俺の狙いはというと、怪しまれずに一人でオーガのところまでいくことだ。


 「ヴァイス、さっきはああ言ったけど俺は一人で別のところに行かないといけないんだ」

 

 「えっと、つまりどういうことっスか?」


 「実は、この街が同時に対処できるオーガの数は三体じゃなくて、二体なんだ。だから、足止めのために俺が行ってくれないか頼まれたんだ」


 ヴァイスは数少ない俺の本当の回復魔法の能力を知っている奴なので、特に『漆黒の救世主』のことも隠す必要はないと思いこの組み分けにした。


 「それって、一人で行くんスか?」


 「いや、もう一人連れていく予定だな。如何せんおれがモンスターについて知ら無さ過ぎるから戦闘の時に指示ををしてもらう予定だ」


 アウラは冒険者教室でも特に物覚えも早く、どんどんモンスターの特性や弱点なんかを覚えて言ってるようだし、今回初めてそれを実践してもらう。


 「その人は戦うことはできるっスか?」


 「うーん、それは無理だな。戦闘の時は離れたところから指示してもらおうと思ったんだけど、やっぱり厳しいか?」


 それが無理だとしたら、なんの情報も無しにオーガと戦わなければならなくなってしまう。


 「はいッス。オーガは意外に頭もいいっていうし、危ないかもしれないッス」


 「……となると、やっぱ一人で行くしかない、か……」


 確かに、一緒に連れて行ってアウラが襲われたりしたらひとたまりもない。


 多少の怪我ならすぐにでも治せるが、もし即死するような攻撃を受けたりしたらということも考えられる。


 俺は冒険者教室で攻撃を避ける練習をしたら多少は大丈夫なんだろうけど……


 「それなら俺も一緒について行きますッス。これでも意外と動けるし一人守りながら逃げ回るくらいなら余裕ッス」


 俺がどうしようかと悩んでいる時に、ヴァイスがそんなことを言ってきた。


 しかし、確かにそれなら安定して指示も貰えるし、危険もなくなる。しかも既に俺のことを知っているヴァイスなら顔バレなども気にしなくて良い。


 「……えっと、じゃあそれで頼んでいいか?」


 「了解ッス」


 



 




 「……それで私のところに来た、というわけね」


 「そ、そうなんだ。俺実はオーガのこととかもほとんど知らなくてさ……」


 アウラは自宅へ帰ったというミストさんの言葉を聞いて、走って帰ってきた俺はアウラに今の状況を説明していた。


 「じゃあ何でそんな危ないこと引き受けたのッ!!??」


 「ま、街の皆のためになると思って……」


 ……ごめんなさい、嘘です。アスハさんにあんなこと言われて断れなかっただけです。


 「そ、それなら仕方ないけど……。でもそれでネストが死んじゃったりしたら、ネストの奴隷の私たちはどうしたら良いの……?」


 あっさり俺の嘘を信じたアウラだったが、すぐに下を向いてしまう。


 「大丈夫だって。俺の回復魔法知ってるだろ?それに訓練も受けて攻撃も避けられるようになったし」


 まぁ確かに俺がこのまま死んでしまったとしたら、主を失くした奴隷として一生を過ごさなければいけないと考えれば確かにそうなのかもしれない。


 「じゃあ、今のうちに奴隷から解放しとくよ。一度契約した奴隷なら、主が自分で解放することもできるって奴隷商の人も言ってたし」


 「ぇ……」


 アウラが少し顔を上げた気がするし、やっぱそれが原因だったんだろう。

 

 「それならもし俺が失敗して何かあったとしても大丈夫だろ?」

 

 これで話も進めることができると思い、アウラの顔を見た俺は、何が起こっているのか分からなかった。


 ―――アウラが、泣いていた。


 呆然としたような顔を俺に向け、その目からは今も涙が溢れ続けている。


 「あ、あれッ?わ、私どうして、い、いや何もないから、ホントに何も、ないからっ」


 服の袖で溢れ出す涙を抑えるアウラがそう呟くが、どう考えても何もないはずがない。


 「お、おい、何かあったのか?どこか痛いところでもあるのか?」

 

 しかし、何か思い当たる節がある訳でもなく、そんな理由しか思いつかない。


 今も必死に涙を止めようと服の袖を擦りつけているが、涙は止まることなく、ただ袖の染みが大きくなり続けていた。


 「……ごめん、やっぱり今は、無理。少ししたら、また、ちゃんとするからっ……。今は、ごめんっ」


 ……アウラはそう言い残し家から出て行ってしまった。開け放たれた扉が、如何にアウラに何かがあったのかを示している。


 少ししたら、というのがどれくらいなのか判らないが、おそらくオーガについて指示をもらうのは厳しいだろう。


 ……アウラが泣いているのは初めて見たかもしれない。


 一応主の、俺に遠慮することなくいろんなことを言ってくるアウラ。確かに少しばかり強気な部分もあるけど、いつも明るく周りに接し、今では街の人からの人気も高い。


 そんなアウラが泣くなんて、よほどのことがあったのかもしれないけど、俺にはやっぱり思い当たる節もない。


 それに、奴隷から解放するということはアウラにとっても嬉しいことのはずなのに……




 ……けど、今はそればかり考えているわけにもいかない。


 ひとまずはオーガの件を片付けよう。そして時間が出来たらアウラに直接聞けばいいのだ。


 俺は自分の部屋から『漆黒の救世主』の時に着る用の黒マントを取り出し、ヴァイスとの待ち合わせ場所に向かった。





ごめんなさい。中途半端になっちゃいました……

本当申し訳ないですm(_ _)m

あと、思いつきでセリフを書きなぐったんで多分おかしいですけど、

あとで修正入れるかもですm(_ _)m

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