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聖女の回復魔法がどう見ても俺の劣化版な件について。  作者: きなこ軍曹/半透めい
第一章 聖女の回復魔法がどう見ても俺の劣化版な件について。
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オレハ、ロリコン

ブクマ評価感謝です。今回はトルエ回です。

次回からは冒険者編やろうかなーと思ってます。


 昼食も食べ終わり、俺たちは店を出る。


 そこにさっきのような気まずさはなく、再び観光してまわることになった。


 ……それからは特に何があるわけでもなく、ただ二人でなんの変哲もないようなことばかり話したりした。





 「あぁぁ!やっと帰って来たぁ!!」


 「おっと、リリィか」


 宿屋に帰り着くと既にリリィたちは帰ってきていたらしく、扉を開けた瞬間に飛び込んでくる。


 「もう!おとな二人がそろって迷子になっちゃうなんてぇ!」


 「あはははは……」


 どう考えてもリリィが迷子になったんだろ、という大人気ない言葉が喉まで出かかっていたがそこは我慢。苦笑いをしながら「ごめん」と謝っておく。


 「ごめんなさいご主人様、リリィが僕の手を引っ張っていっちゃって……」


 「いや別にいいよ。アウラとも色々話せたし」


 「…………」


 俺の言葉に下をむくトルエ。


 ……あれ?なにかまずいこと言っちゃったか?


 「……ご主人様」


 「お、おう。何かあったか?」


 「……昨日はリリィと寝て、今日はアウラさんと二人で過ごしてたんですよね……」


 「そうだけど?」


 おっと、これは何やら雲行きが怪しい気がするぞー?


 「なら、次は僕の番です、か……?」


 そう言いながら、俺に期待の目を向けてくるトルエ。


 「……………………あぁ、トルエの番だ」


 頭が良いといっても実際はまだ子供で、たまには大人に甘えたい時もあるはずだ。少し悩んだけどトルエならそこまで大変じゃないだろうし……


 「えっと、じゃあトルエは何がしたいんだ?」


 「お風呂」


 珍しくトルエが間髪入れずに答える。


 「……ぇ、なんだって?」


 おそらく聞き間違いだろう。今日は一日いろいろと大変だったし疲れているんだろう、きっと、うん。


 「お風呂、一緒に入りたい。それに僕、三度目のなんとかって聞いたことあります……」


 もちろん俺はそんな言葉聞いたことないが、今更引き下がるわけにもいかなかった。


 あれ?これ何か前もやった気がする……


 「ご主人様、じゃあ行きましょう」


 手を引っ張られ脱衣所まで連れて行かれる。


 宿屋が広い分お風呂もさすがにでかかったが、まさかこんなところで仇になるなんてッ……!!


 ……いや、でも今日だってリリィと一緒に寝れたし、もしかしたら俺イケるんじゃないか!?


 俺があれこれと唸っている間にトルエが服を脱ぎ終わり風呂場に向かう。


 「ッ!!!」


 トルエの髪、背中が見えた。そして俺の視線はそこで止まるはずもなく……


 二つの丘が見えた―――


 


 ヤメロダイジョウブダ。オレハ、ロリコンナンカジャナインダカラ。アンシンシロ、ヤレバデキルオレ!


 


 


 服を脱ぎ終わった俺は、ゆっくりとトルエが待っている風呂場に向かう。


 「トルエー入るぞー」


 さすがに俺は腰にタオルを巻いているが、こどものトルエはそんなこと気にする様子もなく、その身を隠すものはなに一つとしてない。極力見ないように努力しながらトルエに近づく。


 「ご主人様、今日は最後まで洗ってください」


 「……おう」


 トルエに渡されたタオルを濡らし、石鹸で泡立てる。


 そうだ、泡でトルエの身体を隠したらイイんだ!!


 そうと決まれば後は全力で泡を立てるだけだ。トルエは不思議そうにしながらも洗ってもらえるのを今か今かと待っていた。


 「じゃあ、行くぞ」


 「うん」


 俺の努力の結果今ではかなりの量の泡になっている。それをトルエの身体を包むように洗い始める。


 「んっ」


 トルエがくすぐったそうに声を上げる。その声一つで俺の精神が傷つけられていく。


 



 ――そして俺はようやく今洗い終わった。


 身体の一部を除き、全てを洗い終わった俺は満足感で一杯のまま、トルエの身体の泡を洗い落としてあげることにした。


 「どうだトルエ気持ちよかったか?」


 「うん、ご主人様の洗い方上手で僕すごい気持ちよかったです……」


 「そうかそうか。じゃあ、また洗ってやる、よ…………ぁ?」


 トルエの身体を包んでいた泡が消えていっていた。というか絶賛俺が洗い流していた。


 慌てて目を逸らそうとしたが時すでに遅し。俺の目の前には、先ほど見た丘とは違う、まだ小さい二つの丘だが、確かにそこにあった。


 「どうしたの、ご主人様……?」


 呆然とする俺を心配したトルエがさらに身体を近づけてくる。当然そこにある二つの丘も近くにやってくるわけで……


 「あぁあアアアあぁぁアあぁあああぁアアあぁあああああああああああぁぁァぁァ……」


 




 



 




 気がついた時には、ベッドの上で寝てました。


 



 




 ………………………………裸で。


 


 

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