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聖女の回復魔法がどう見ても俺の劣化版な件について。  作者: きなこ軍曹/半透めい
第一章 聖女の回復魔法がどう見ても俺の劣化版な件について。
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『今』を思いっきり

ブクマ評価感謝です。

 その男は、冒険者ギルドに登録したかと思うと、あっという間にランクをあげていきます。


 街がモンスターの群れに襲われた時も多大な貢献をし、王城に呼ばれたりもしました。


 横暴な冒険者が多い中で人柄も良かった彼は、街からの信頼を得て一気に人気者になったのです。


 


 …………そんなある日、再び街にモンスターの群れが襲ってきました。


 数多くの冒険者が討伐に向かいます。当然彼も例外なく討伐隊として組み込まれていました。偶然にも冒険者の数が少なく、その分は王城の警備が討伐隊として参加します。


 王城には、アウラを含む王家の人間と国家の重鎮、そして数人の警備が残っていました。


 


 


 王様が討伐隊の報告を待っている時に、鎧をきた警備と思われる者がやって来ました。


 「む……、討伐隊は、どうなったのだ」


 自らの兜を外し、討伐隊について報告してきたのは――


 「討伐隊は…………………………


           ……………………全滅しましたぁ」


 ――ニタァと笑みを浮かべるでした。


 次の瞬間には王様の首が飛んでいました。彼が剣を抜き放ち、途轍もない速さで周りの重鎮を斬り殺します。床は血で染まり、彼自身も返り血で真っ赤に染まっていました。


 「い、いやぁ……」


 戦うすべを知らないアウラも例外でなく、彼に身体を切られてしまいます。


 「これでまず一つ目だ……」


 アウラが床に倒れふしながら見たのは、笑いながらそう呟き部屋から出て行く彼の姿でした。


 私、こんなところで死んじゃうの…………?


 彼に切られた傷から血が今も溢れ続けています。アウラはそれを止めることもできずにただ泣き続けました。


 そして、アウラは何かこちらに近づいてくる人影を見たのを最後に意識を手放しました。


 


――――――――――――――――――――――――――――――――



 「…………それから私が目を覚ました時にはどうしてか体の傷が消えていたわ。お父様たちは皆そのまま死んじゃったけど、私だけが生き残ったの。私は最後に見た誰かが、私を治療してくれたんだと思った。でもそんな回復魔法があるなんて聞いたことがなかったし、探しに行こうとしたんだけど捕まっちゃって……。そして奴隷として生活してた時にネストが来た、ってわけ。リリィは奴隷として捕まってる時に初めて会ったわ」


 俺は、自分の過去を話してくれたアウラにかける言葉が見つけられず、ただ「そうか……」と呟くことしか出来なかった。


 「まぁ、もう過ぎたことよ!今更気にしなくてもいいの!!ほら料理も来たし食べるわよ!」


 「ぁ、うん……」


 アウラは気にしなくていいって言ってるけど、本当にそうなんだろうか……


 俺には女の子の気持ちなんて良く分からない。けど、今俺にできることはないんだろうか……


 美味しそうに料理を食べてるアウラに、何かしてやれることはなんだろうか……


 美味しい料理のはずなのに何故か味が良く分からない料理を口に運びながら、俺は考える。


 


 

 目の前のアウラに俺ができることといったら――――――




 

 ――――――『今』を思いっきり『楽しませる』ことだ


 

 

 「なんだこれ!?すごい美味しいぞ!!」


 「そうでしょ!!メニュー見た時から美味しそうな感じがしたのよねコレ」


 「あぁ、本当美味しいよコレ。さすがアウラだな!」


 そう思えた時には、味がよく分からなかった料理がとても美味しく感じられるようになっていた。


 


 


過去編で三人称を使ったので、丁寧な感じにしたのですがどうでしょうか。

感想でアドバイス待ってますm(_ _)m

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