表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女の回復魔法がどう見ても俺の劣化版な件について。  作者: きなこ軍曹/半透めい
第一章 聖女の回復魔法がどう見ても俺の劣化版な件について。
20/181

近寄らないで、ください……

すみません、今回かなり短いです。

次からは長くしますのでm(_ _)m


 「あなたが、何者であっても、私は、屈することなど、ありません、から……」


 そう言う美人さんは顔色が悪く、立っているのもやっとだったようで、言い切ると同時に倒れてしまう。


 「おい、大丈夫か!?」

 

 「近寄らないで、ください……」


 しかし、ここで放置するのも後味が悪い。こんな城の端っこにいるってことは治療代も払えないような使用人なんだろう。


 「……えっと、ヒール」


 出会ったのも何かの縁だろうし、俺は彼女に回復魔法を使った。


 「……え?」


 次第に顔色が良くなり、具合も戻ってきたのか、静かに立ちあがる美人さん。


 「あ、あなたがやったんですか…………?」


 「ん?治療したのは俺だけど……。あ、お金は要らないからね?」


 これ以上ここに居ても警備の人が来たら危ないし、そろそろお暇させていただこう。

 

 「じゃ、じゃあ俺はこれで……」


 「ま、待ってください!!あの、できれば母も、治していただけませんか……?」


 どうやら親子二人で病気にかかってしまったようで、今は奥のベッドで寝ているということだった。


 「ヒール」


 お母さんのところに案内してもらい回復魔法をかける。顔色が良くなり、前はつらそうにしていた寝息も徐々に安定してきた。


 「あ、あの!これを……」


 今度こそ出ていこうとしていた時に美人さんが何やら渡してきた。よくみると自身がつけているイヤリングの片方を渡してきている。


 「これは……?」

 

 「はい、これは代々私の家に伝わっているもので、再会を願ってあなたに渡しておきます。治療代とでも思って頂ければ……」


 「へぇ、そういうことなら貰っておこうかな。じゃあ、今度こそ俺は行きますね」


 それにしても、綺麗なイヤリングだなこれ。どうしてこんなものを使用人なんかが持ってるんだろう……。




 俺は部屋を出て、再び聖女様の部屋を探す。しかし、いくら探しても結局見つけることができず、どんどん警備の人数も増えてきて、俺は仕方なしに宿屋に帰ることにした。


 「はぁ、せっかく女装までして忍び込んだのに結局治療できたのは使用人の二人だけ、か……」


 俺は重たい足を引きずりながら、宿屋に帰った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ