嫌われものの少女
ひたすら助けを求めた少女の話
少女は一人で彷徨っていた。
「なんで、こんなことに・・・・!」
誰かに、助けてと言ってみても、目をそむけられる。
一緒に生きたいと嘆いてみても、まるでゴミでも見るような目で見られる。
言葉を紡ごうというものなら、耳を塞がれる。
何時のまに、どうしてこんな風になってしまったのか、少女には見当がつかない。
ただ、普通に家族と過ごし、友達と遊び、人を好きになっていただけなのに。
少しづつ、少しづつ、誰かに嫌がることをしていたのか?
恨まれるようなことをしていたのか?
雪が降る草原で、彼女は一人嘆きつづける。
気づいたら少女は一人になっていた。
周りにいた人たちは、何時の間にか消えていた。
最後に聞いたのは、「さようなら」等の別れの言葉や、「お前と一緒にいたくない!」等の軽蔑の言葉でした。
雪が彼女を虐げるように、強くなってくる、寒さが彼女の肌を切り裂こうと強くなる。
未だ彼女は分からない、自分が嫌われる理由を、なぜこんなにも求めているのに誰もその手を差し伸べてくれないのか。
嫌われものの少女は寒さに凍える手で自分自身を温めながら考える。
頭を抱えながら考える。
人が見たら無様だと言われるだろうが、彼女は考える、何度も何度も考える。
寒さで朦朧とする頭で考える。
それでも彼女は幸せであろうとした、例え誰かに嫌われていても、必要とされずに捨てられても誰かに幸せになってほしくて尽くした、否尽くそうとした。
誰かが言った、「人を幸せにすることができれば、必ず自分も幸せになることができる。」という言葉を信じて、生きてきた。
いつか自分も、幸せになれると信じて生きてきた。
そんなことはないと、何処かで気づいていたが、それでも幸せになりたくて、人に尽くした。
だけど、幸せになることはなかった。
もしかして、自分がどこかで間違っていたの分からない、だから人に聞いたが、「いやー、別に、間違っているわけではないんだけど……」などの、曖昧な言葉が返ってくるだけで、実際はどうなのか分からない。
それでも分かるのは、その人が自分から離れていくということ。
彼女は考えた、自分はいらない存在なのか、それとも必要以上の幸せを与えているだけなのかと。
雪は吹雪となり、彼女の体から体温を奪っていく。
体が冷たくなり、凍傷になろうとも考え続けた。
例え自分だけでは答えが導き出せなくても、考え続けた。
自分に救いの手を差し伸べられないことの理由を考え続けた。
何故自分は人から嫌われ続けるのか考え続けた。
自分の言葉を誰も聞いてくれないのか、考え続けた。
ひたすら考え続けた、自分の行動や、言動等を全て振り返ってみて考えてみたが、分からない。
そのうち彼女は、ただ考えるだけの機械になりかけた。
機械にはなることだけは、自分自身を見失うことだけは嫌だったので彼女は一旦考えることを止めた。
そして彼女は歩き始めた、足が寒さで感覚を失いかけても歩みを止めることはなかった。
少女は段々と、自分の体が思い通りに動かなくなるのを感じる。
口は寒さで震えて、思い通りの言葉を発せなくなる。
皮膚はまるで鋭利な刃物で切られたように、出血し始める。
急な眠気に襲われつつも、少女は歩みを止めない、自分が受けている、差別を誰かに分かってほしくて。
左足が寒さで動かなくなっても、引きずりながら前へ前へ進む。
右足の感覚が無くなっても、這いながらでも、前へ前へ進む。
両腕の感覚が無くなり動くことが無くなっても、諦めることはなかった。
動けないなら、叫んで、誰かに知らせよう。
口が寒さで思うように動かなくなっても、言葉を紡ぐ。
ただひたすら〈助けて、助けて、私を助けて〉と。
だけど、言葉は虚しくも吹雪にかき消された。
遂に、少女は息絶えた。
誰からも愛されることのなくなった少女は、寒さによって息絶えた。
それは余りにもあっけない終わりであった。
これにて二人の人物の人生は終わりました。
それはあっけない終わりでしたが、本人にとっては激動の人生でした。
それではまたどこかで。




