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5歩進んでホームシック

少し文章を付けたしました(´・ω・`)

お騒がせしました。

リビングで朝食のトーストを焼く。

その横には父さんが作ってくれたお弁当。

私の家は両親共働きだから家事を分担してる。


ガーガーとカラスの鳴く声がする。

また、家の横のゴミ捨て場にたかりにきたのだろう。

ふむ、奴とはまた戦うことになりそうだ。



ドタドタっと2階かけ降りて来る音がする。

この足音からして郁斗だ。




「行ってくる!」


「朝ごはんは?」


「朝練遅刻するからいい!」


「あ、ちょっと待て郁斗。忘れ物!」




慌て家を出ようとする弟を捕まえて弁当を渡す。

昼食いっぱぐれて困るの郁斗でしょ。




「サンキュー!」


「行ってらしゃい。気をつけてね」




いつも通り郁斗を見送る。



本当にいつも通り?



首を傾げながらリビングに戻って朝ごはんの支度をして椅子に座る。

ガチャンとドアが開く音がして母さんが仕事用のスーツを着て起きてきた。




「おはよう」


「おはよう、郁斗は?」


「朝練だって。今出でった」


「そう。あんたも行かなくていいの?」


「私は大丈夫だよ。時間見て行くから」




母さんの顔がぼやけて見えない。

老化が進んだのかな?そろそろ眼鏡必要か。



焼き上がったトーストをかじる。


味がない。












おはようございます!

最近、転生する前の夢を見てぐったりしてる美幼女メノウ・ローゼルちゃんです。

はい、ここツッコミ待ち!



今日もファイの家に来ていてます。

お茶会の準備が出来るまでファイと遊んでなさいってママに言われて部屋にいる。




「ねぇ、メノウ離してよ」


「やだ」




私は寝っ転がって本を呼んでいるファイに一方的に抱きついていた。

もう、そりゃぐでっと。




「一体どうしたの?」


「なんでもないよ」




私のいつもと違う様子に戸惑った様子を見せるファイ。おかげでイタズラを仕掛けてこない。

ごめんよ。しばらくじっとしておいておくれ。



私は絶賛ホームシック中なのです。

ホームと言ってもメノウの家じゃなくて転生する前の家が恋しくって仕方ない。


いや、なんで一年半たった今頃かと言うとホームシックに耐性があるからなんだよね。


私は生まれつき体が弱くて中学入るまで入退院繰り返してたんだよ。

家を離れていても長年の入院生活の賜物かまったくホームシックにならなかった。




お陰様で一年半たった今ホームシックです。

最近、転生する前の生活が夢に出てきて余計に辛い。今日も見た。

私に何の恨みがあんのよ。


あー、郁斗の作ってくれたお菓子が食べたい。

家の横のゴミ捨て場のカラスとバトルがしたい。

悪友と一緒に校長のズラはがしたい。

…私の思考がだいぶ危ないな。



紛らすようにふぎゅふぎゅとファイにすりつく。

ファイの髪の毛柔らかいわぁ。




「メノウのお母さんに怒られたの?」


「ううん」


「誰かにいじめられたの?」




むしろ、いじめてくるのはファイでしょと思うが黙っとく。


ファイは珍しく心配してくれてるらしくあれやこれや聞いてる。

大丈夫だよ。ただ、ホームシックで人肌恋しいだけだから。



和んでいると背中にファイの手がまわってきた。

うっかりしてたこいつの設定のS要素!

まさか、いつも通りイタズラを仕掛ける気じゃ…!


慌ててファイから離れようとする。




「仕方ないからメノウをぎゅーてしてあげる」


「え?」




ファイが笑いながら私を抱きしめる腕に力を入れる。流れでそのまま一緒に横になる。



若干顔が熱くなる。

うわぁ、子供相手に何を照れてるんだよ私。


ギャップ萌えというやつなのか。

普段はあんなことしてくるのに優しいされるとグラッとくる。さすが攻略キャラ。

今までされたこと許していいかなぁって思っちゃうぐらいの。




「メノウが元気じゃないとイタズラしてもつまらないもん」




ですよねー。

不覚にもときめいたわ。

私のときめきを返せとは言わんが浪費したよ。


でも、元気付けようとしてくれたんだよね。

そんな気遣い出来るなんてお姉さん感激だわ。



ファイは真面目な顔をして私に言い聞かせるように続けて言う。




「だからね、メノウ。イタズラされたり、いじめられたりしたら僕に言って」


「…なんで?」


「メノウにイタズラしたり、いじめたりしてもいいのは僕だけたがらだよ」




おおう?

え?


なんだ、今の発言。危ない発言に聞こえたのは私だけか?

私をいじめる特権はファイのものって言いたいのかね。残念ながらそんな特権あってたまるか!


お姉さん、感激したのに一気に冷めていくよー。



ファイの目を見返す。

蒼い目が私を写してる。




「イタズラもいじめも嫌なんだけど」


「うん、だから僕だけだよ」




そう言っては目を細めて笑う。

あ、何か企んでるな。

ファイが猫のように目を細めて笑う時は大抵ろくなことを考えてない。


何か嫌な予感がすんなぁ。




「だからファイもイタズラしたりしないで欲しいなぁ…と」


「考えておくね」




駄目だ。話が通じない。

子供が言うことは意味わからん。

あれか、私の中身が子供じゃないからわからないのか?

と言うか私の意志が反映されないことにもの申したいんですけどぉ!



じっと見つめあってるのも何だかんだむず痒い。

視線から逃れるようにファイの背中に手をまわして、胸に顔を埋める。

あったけー。


ファイの体温がぬくいわと思ってるうちに眠気が襲ってくる。


あ、ヤバい眠くなってきた。


段々視界が狭まってきてる。

最近、夢を見るのが嫌で寝つきわるかったからなぁ。

やっぱり、人肌って安心するわ。



ファイに抱き付いたままで申し訳ないけど少しお昼寝に付き合ってもらおう。




「おやすみなさい、メノウ」


「うん…おやすみ」









この後2人とも爆睡しておやつを食い逃したのは言うまでもない。



ドSの幼少期って書きづらいですね(´д`|||)



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