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私と素敵な動物達  作者: 柊乃
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事件と動物達

小説初挑戦です。時代背景は現代ですが、ガッツリファンタジー書いていこうと思うので、よろしくお願いします。

「次のニュースです。今度はアメリカ各地で何もないのに家が潰されていく事件が多発しました。警察の調べでは――」


柚花ゆずかおはよー。どうしたのボーっとして?」

「いや、今朝も異常現象のニュース流れてたじゃん・・・」

「あーあれね。まぁ大丈夫じゃない?自衛隊とかに任せとけばー」

なんてお気楽な思考回路なんだろう。いつ、この町も被害にあうかなんてわからないのに。

実際、昨日は四国だったのに今日はアメリカだ。ふざけている。

それに、さっきから私の足元にある水たまりが拡大していっている気すらする。

恐ろしい程青く透き通った水だ。誰かがこぼしていったのだろう。

そう考えている内に水たまりは私のあしを濡らしていった。

そんな事を考えて視線を泳がせていると、窓のへりにしゃがみこみ一生懸命何かを

叫ぶ、小さな少女の姿が目に止まった。

「女の子が・・・窓に・・・助けなきゃ」

「え?急に何いって・・・柚花?柚花!」

私は走り出していた。一人のクラスメイトを置いて。

もし今おこっている事が異常現象ならば、あの小さくか弱い女の子を一番に

非難させてあげなければいけいはずだ。

しかしその娘は言った。

――私が見えるの?

「え?」

考える間もなく彼女はニカッと笑い、既に胸の高さまできてスカートの裾をひるがえさせていた

水たまりからぐいっと私を引っ張り上げた。

「本当は、他の子達も助けてあげなきゃいけないんだけど・・・もう手遅れだね。

貴女を見つけれただけ今回は良しとするよ。――火狐。」

彼女はそういうと、みるみる内に10m弱の妙に尾がフサフサした狐へと変化し、私をのせて跳んだ。

「・・・みんなは?」

「あぁ、きっと今頃皆で溺死ってところかな。」

「ふぅん・・・」

「よしよし、任務は失敗だけど久々に仲間に会えたね。私は説明が下手だって皆に言われるから。

私が今言える事は、学校の皆が死んじゃったのに“ふぅん”の一言で返せるのは私達くらいだよって事だけかな。ついてきて。」

私は少女の後ろ姿を追った。いつのまにか人の姿へ戻ってる。

少女と呼ぶには少し大人びている気がするが、肩で整えられた髪や、裾にフリルのついた丈の短いワンピースが彼女を幼く見せているのだろうか。

少し歩くと若い男女が話しかけてきた。

「莉々りりかおかえり~あら、噂の新人ちゃん?ようこそ~。」

「任務には失敗した様子だが、一番大事な事はしっかり遂行できたようだな。」

「まだ失敗したとは言っていないじゃないよ・・・麻弓、彼女に私達の説明をしてやって。」

麻弓と呼ばれたグラマラスな女性は、和鼓わづつみ 麻弓まゆみと名乗った。

推測だけど、と彼女は今起きている異常現象はタイムパラドックスによるものだと言う。

「未来ではタイムマシンが開発されて各地でパラドックス発生しまくり。警察も大変なのよ。

だから、本来は1つしかない世界がたくさんわかれてしまった。

そして今、宇宙人が地球侵略している世界と今の世界が混同してしまっている。

それでうっかりこっちの世界に入ってきちゃった宇宙人がこの世界を荒らしてるのよ。

では何故宇宙人の姿を私達は確認できないのか?それはこの世界の物ではないから。

本当は迷い込んできた宇宙人もこっちには何もできないハズなんだけど。

その辺りはうやむやよ。私達はこいつらを日々倒して回ってるの。」

そこで彼女の携帯電話の着信音が鳴ってしまった。正直凄く気になる所なのだけれど、

私はのどまでかかった言葉を飲み込んだ。

「ごめんね、さっそくお仕事入っちゃった。さっきの続きだけど私達は元々少しだけ宇宙人達が

見えちゃうのよ。それで、動物の力を借り手その力を最大限に引だし、あっちの世界へリークした

状態であいつらと戦うの。ほら、あなたは莉々華ちゃんが見えたけど他の人には見えなかったでしょ?

彼女、いつもあっちの世界にリークした状態で一般市民を助けようとするから失敗するのよ。

慌てると周りが見えなくなるタイプねって・・・ついつい長話してしまったわ。

私の手をとって?今回は私と一緒にリークしましょう。――海蛇。」

彼女はそういうと私の手をとったまま、大きな人魚の姿になった。

「わぁきれ――」

綺麗。といいかけた瞬間、おぞましい、エラとヒレのちたとても巨大な蛇に変わってしまった。

パッと見はとても美しいものだけれど、私はちょっと蛇はダメだ。

「あら、蛇はお嫌い?」

というや否や彼女の天高く舞い上がった。

見上げれば、狐の莉々華さんと蛇の和鼓さんと狸のような獣が白濁とした化け物と戦っていた。

化け物は、液体のようにブヨブヨしていいて、四本の手触と似合わないパーティーハットを

かぶっていた。目はこの世の物とは思えないほどひきりなしにグルグルまわっていた。

宇宙にはあんなにおぞましい生き物が住んで居るのか。宇宙飛行士には絶対なりたくない。

というかそもそも、彼女達は大丈夫なのだろうか。

色々思考をめぐらせていると後ろから声をかけられた。ハキハキした、女性の声だ。

「新人か。」

新人、私の事を言っているのだろう。さっきからそう呼ばれているが、

私はまだこの団体に入るともなんとも言っていないのだが・・・

「絶望が重ければ重いほど私達は強くなる、素質のもんだい。・・・それだけだ。」

そういうとその人物は去っていった。彼女は戦わなくていいのだろうか。

そんな事を思っているとあの宇宙人はどこへやら、3人がフラフラ戻ってきた。

狸のような獣は、最初に声をかけ来た男性の方だったらしい。

和鼓さんは蛇の姿のまま先程のミステリアスガールにとびつくとなにやら親しそうに言葉を交わした。

先程の女性は和鼓さんが若干ぬるぬるしているせいか最高に嫌そうな顔をしていた。

和鼓さんは女性を隊長と呼んでいたのでこの不思議団体の一番偉い方なのだろう。

「彼女、隊長さんだったんですね。皆さん、よろしくお願いします。隊長さんは、何の動物の

力を借りているのですか?」

「お前には関係ないだろう。」

そういうと隊長さんはスタスタと言ってしまった。聞いてはいけない事なのだろうか。

蛙とかそういう類の物なのかもしれない。それか名前も名乗らず、というのはマズかっただろうか。

すると和鼓さんがそっと耳打ちをしてきた。

「大丈夫よ、照れ屋さんなだけだから。」

蛇の姿が恐ろしくてあまり聞き取れなかったし、何故その姿で言葉を発する事ができるのかも

よくわからなかったけれど、とりあえず気を使ってもらったのだろう。

すると、急に目の前が真っ白になった。短く私の名前を叫ぶ声がしたが反射的にその場で目を

つむった、あの白は見覚えがある。さっきの宇宙人の白だ。このまま食われるのだろうか。

しかし、いくら経ってもなにも怒らない。おそるおそる片目をあけると、

もがく宇宙人に食らいつく巨大なうさぎの姿があった。

宇宙人にも血のような液体が流れているのを私は知った。少し親近感がわく。

そんな事を考えていると私の姿をとらえたそのうさぎは恥ずかしそうに逃げて行ってしまった。

「あーうさぎ隊長久々に見たねー」

「うるさいぞ水野みずの。」

ぼけっとしてると水野と呼ばれた莉々華さんが隊長を連れてやってきた。

どうやら先程のうさぎは隊長だったらしい。

あのクールな見た目でうさぎというのは確かに恥ずかしいかもしれない。

「隊長も帰って来たし帰るか。」

「おー」

男性の声で全員が家路についた。あまり言葉は交わしていないが、人望はある方なのだろうか。

歩く事20分。少し大きめの一軒家の前に着いた。

どうしてこういう時動物にならないのか気になるけれど、彼女らなりの理由があるのだろう。

莉々華さんが勢いよく扉をあけ全員がそろって“ただいま”を言う。

良く見る、あたたかい光景だ。

中から、エプロンをした女性が出てきた。

「おー北組お帰り。遅いと思ったらその娘は新人?ようこそ!歓迎するよ。晩ご飯はできてるから

皆は行って食べて。」

「あ・・・お邪魔します。よろしくおねがいします。」

「堅苦しいな~新人ちゃん。“ただいま”でしょ?」

「う・・・た、ただいまです・・・。」

妙に恥ずかしい。でも心のどこが奥の方がぽっと暖かくなる。

“ただいま”だなんておかしな言葉誰が考えたのだろう。

中に入ると柔らかく暖かい空気が流れていた。季節は夏で、冷房がきいているはずなのに

肌にかんじる私にはそうかんじた。

少し行くと、10人程の男女がテーブルの上で談笑を交えて晩ご飯の用意をしていた。

女性ばかりかと思っていたけれどしっかり男性もたくさんいた。

「みんなー噂の新人ちゃんだよー!」

「おーあれが新人かーこれで16人目か?」

「キャー可愛い!なにあの娘!ねぇいくつ?」

「ようこそ!待ってたよー!」

皆仕事を置いて、矢継ぎ早に私に話しかけてきた。

こんなに暖かい人達の中心でこんな暖かい人達に“ようこそ”と言われている。

なんて自分は幸せなんだろう心がさっきより一層暖かくなると同時に

あたたかい滴がほほを伝わり

――ぐうぅううぅ

お腹の音が鳴り響いた。

はじめまして、柊乃と申します。初投稿で少し緊張です。

このお話は、数週間くらい前に見た夢が面白かったので、それを広げて考えてみました。夢って自分の記憶からできている物なので、他作品と似たような所とか出てきてたら申し訳ないです。

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