第二の神
「ぐぁーごーぐぁーごー」
寺の横で寝ていた時雨。それを見ていた頭上の何者かは木から飛び降り異常な速度で時雨の頭蓋骨めがけて刀の先を突き下ろした。しかし寸前に頭上に物凄い殺気を気配を感じ何とかかわす事に成功した。
「あっぶねーなー。何しやがんだてめぇ。」
「ほう、あの一撃を寝た状態からかわすとは流石は元第一の神だ。」
第二の神、坂 八剱である。時雨が神の資格剥奪になったことにより新第一の神が決まるまで第一区を統制する者である。
「こんなとこまで何しにきやがった。一端の神が寝首かこうたぁ神も落ちぶれたもんだなぁ」
「悪いが何しにきたと聞きたいのはこっちの方だ。ここはもう貴様のものではないはずだ。」
「はぁ、てめぇ寝ぼけてんのか。ここは第一区。俺が統制してる場所だろうが。」
「そうだ、ここは第一区だ。神の資格剥奪となった貴様にもうこの土地支配する資格はない。」
「剥奪? 何のことだ。」
「貴様まさか神でありながらそんなことも知らんのか?貴様は資格存続非対象者として資格剥奪及び政府認定第一等危険人物となったのだ。まぁ、貴様のような馬鹿にも通じるように言えばやる事やってなかった職務怠慢ってことだ。」
「何の冗談だ。」
「冗談なんかじゃあねえよ。これは政府の最終決定事項だ。お前はもうこれから先一生罪人って訳さ。」
「嘘だろ。剥奪なんてことがありえるのか。そりゃあ確かに上の命令はたいして守らなかったし、一日中ぐーたらしてたよ。けどそんなこと……。」
「てめぇ、もうちょいましな言い訳出しやがるかと思ったら思い当たる節あんじゃねぇか。」
「あぁ、正直言うとある。」
「まぁいいさ。そんなもん有ろうが無かろうがただの言い訳に過ぎんさ。貴様の首はもらっていく。」
「分かった。事実が確認でき次第俺はここを出て行ってやる。だからもう無駄な戦いはよさんか。俺はどんな状況だろうと余計な血は見たかねぇ。」
「余計などではない。貴様の首には賞金がかかっているからな。ただし正当な金とは言わんが。」
「なるほど。上から相当な圧力がかかっているんだな。ならしょうがねぇ……」
時雨がそう言い終わる前に既に互いの刃は交じり合っていた。
「ほう、今の一撃を防ぎきるたぁ八剣さんやるじゃねぇか。」
「これでも一応身分としてはこの国において貴様の次に強いということになっていたのでな。まぁそれもどうか知れん。どの道今一番強いのはこの俺だ。」
激しく競り合う両者。時に火花も見えほぼ互角といえる戦い。に見えたが結末はわずか数分で生まれた。
「はぁ、はぁ、はぁ、確かに今まで第一区を統制してきただけの力はあるようだな時雨透。」
「まあな、だが先に襲ってきたのはお前。とはいえこれが事実なら例え圧力がかかっているとしてもあんたのやっている事は間違ってはない。どうだ、ここは両者痛み分けってことで。」
「貴様、今ここで俺を殺しておかねば必ず後悔するぞ。例え貴様が私に情けをかけたとしてもこの先俺は貴様の命を狙い続ける。」
「それでも構わないさ。お前が向かって来る度に俺は何度でも相手をしてやる。」
「……。」
深い傷をおい、自身の足を引きずりながらも坂は持ち場に戻って行った。
「さて、これからどうすっかなあ。」
今回はちょっと長めに書いてみました。これには理由があって正直自分でももう少し長く書いた方がいいのかなと思っていたのですが、そこを友達にダメ押しされ、自棄を起こして思いっきり書きました。まぁでもおかげで気持ち良く書けました。友達には半分感謝、半分怒りを送りたいと思います。これからもこんな感じで書けれたらなぁと思っています。限られた時間の中でこういうことをするのはすごく大変だったので、まぁ、月一くらいで更新できたらいいと思います。