襲撃!?
その襲撃は、ラファイエを出てから、ちょうど三日目の昼だった。
「あぁ、暇だなー」
「そうですねぇ」
「ナギー、なんかしてよ」
「なんかってなんだよ」
「一発芸とか」
「ふざけんな、お前がやってろ」
「なにおぅ!」
「あぁん?」
「すいません、ごめんなさい」
「分かればいい」
「フフッ」
平和な俺達だった。フェンは寝てるし。
その時だった。
「おい、アンタら!!」
「どうした?」
「さ、山賊が出たんだ!!!」
「な!?山賊!?」
俺達は荷馬車から飛び出し、周囲を見渡した。
「あれか……」
確かに、前方に山賊らしき奴らが、20人程いる。
俺は、静香とユリウスを呼んだ。
「ユリウス、静香」
「は、はい?」
「な、なに?」
「あそこにいる奴ら以外に、いるかもしれない」
「えっ!?」
「マジ?」
「いるかもしれない、だ。ユリウスと静香、フェンは、荷馬車を守ってくれ」
「ナギはどうするの?」
「俺は前にいる奴らを片付ける」
そう言って、俺は依頼主の隣に立った。
「俺があいつ等を片付けるので、あなたは荷馬車の方に」
「わ、わかった」
これで、準備はできた。
「おい、お前ら!!そこの荷馬車をおいていきな!!」
「痛い目見る前にそうした方がいいぜ?」
「つーか、ビビって話せねんじゃねーの!?ヒャハハハハハ!!」
なんか、喚いているが気にはしない。
「おい!聞いてんのか!?」
「なぁ、おとなしく引いてくれないか?」
「はぁ!?何言っちゃってんの!?んなわけないじゃん!?」
狂ってやがるなぁ。
「はぁ、仕方ないか」
俺は刀を二本とも抜いた。
「おうおうおう!?やる気か、コラ!?」
「この人数相手に勝てると思ってんのか!?あぁ!?」
「おら、かかってこいよ!!殺してやんよ!」
はぁ、メンドクセー。
「言われなくても、わかってるよ!」
言い切るのと同時に、俺は突っ込んで行った。
side ユリウス
あちらの方で、渚さんが前に出てきていた山賊Aに突撃しました。
「ヒャッハハハハハハ!!自殺行為だっつの!!」
「うるせぇぞ!!阿良木流二刀技 羅刹!!」
そう聞こえた瞬間、山賊Aは地面に倒れていました。
「眠っとけ」
「げふっ!?」
どうやら、殺したわけではなさそうです。
「お、おい!お前ら、やっちまえ!!」
『お、おう!!』
それを皮切りに、残りの山賊達が渚さんに群がっていきました。
「めんどくせぇんだよ!!阿良木流二刀技 神楽!!」
まるで、何かの舞を見てるかのような感じでした。
気が付くと、ボスらしき人を残して、それ以外は地にひれ伏しています。
「一瞬で片付くとは、面白くもないな」
「ひぃ!!」
ボスらしき人は、怯えて尻餅をついているように見えます。
「お前も眠っときな」
「た、助け、ぐふっ!」
どさっ
そうして、山賊の鎮圧を終えたのでした。
side out
「ふぅ」
他愛もない。伏兵もいなかったようで、荷馬車の方も安全だった。
「お疲れさま」
「お疲れ様です」
「いや、それほど疲れなかった」
「さすがです!」
「まぁ、ナギだからね」
そんな感じで、他愛もない話をしていると、依頼人のオッチャンが話しかけてきた。
「すまないな。こりゃ、Dランクの仕事だったな。あとで、お詫びをさせてくれ」
俺達は遠慮したのだが、どうしてもと言うオッチャンに押し切られた形で、お詫びを受け取ることにしたのだった。
そして、ラファイエを出てから七日目の昼。マスヴィアの広場に着いた。
「ようやく着いたな」
「そ、そうね。お尻が痛いわ……」
「そ、そうですね……」
俺達はオッチャンから元の依頼達成金である、銅貨五十枚に上乗せで三十枚もらったのだった。
ちなみに、こちらの世界の金は銅貨五百枚で銀貨一枚、銀貨五百枚で金貨一枚、金貨五百枚で白金貨一枚となる。
白金貨は一枚で一生遊んで暮らせるくらいの価値があるそうだ。
「とりあえず、宿を探そう」
「そうですね」
「もう、疲れたぁー」
「おら、自分で歩け。静香」
「フェンちゃぁん、乗せてぇ」
「がぅ」
「無理に決まってんだろうが!!」
なんだかんだ言いながら自分で歩く静香。
歩くなら文句を言わないで欲しい。
そして俺達は手頃な宿屋に泊ることにし、その日はゆっくりと休むことにしたのだった。
今回出た渚の技説明でーす
羅刹
一瞬で何度も刀を振るう技。
六幻の強化版。
神楽
自身の体を軸として、回転しながら斬りつける。
って感じです。
次の次ぐらいまでには、新キャラを追加したいなぁ、と思っています。
それでは、感想バッチコォォォィイイイ!!