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召喚されただと!?  作者: 蓮条寺紫帆
集いし仲間達!?
20/35

決勝!?



「始めっ!!」


審判の声と同時に、俺は二本とも刀を抜いた。


「さ、始めようぜ?」

「貴殿にもハンデをやろう」

「あぁ?」

「全力の一撃を私に当ててみろ」

「そりゃこっちのセリフだっつの。

 なんで格下からハンデもらわんといけんのだ」

「なっ!!私が格下!?」

「違うのかよ?」


あからさまに挑発してるのに、向こうは完全に乗ってしまっていた。


「い、いいだろう……ならばっ!!」


 フッ


俺の視界からレオンハルトが消えた。

普通の奴なら、静香みたいに、一瞬でやられていただろう。

だが、俺はこういうのは、親父に何度もされてる。


「甘いんだよ!!」


俺は振り返りざまに、ハイキックを放つ。


「なっ!!」


レオンハルトは俺の蹴りを、紙一重で防いでいた。


「オラァァァッ!!」

「くっ!!」


そのまま足を振り抜き、吹き飛ばす。


「どうした?そんなもんか?」

「なめるなっ!!」


剣を抜き、正眼に構えたレオンハルト。


「ハァァァ!!」


勢いよく踏み込んでき、そのまま胴を一閃。

俺は後ろに飛び、それを避けた。


「風を切り裂け、ライトニング!!」


その掛け声とともに、レオンハルトの上空から、稲妻が飛来してきた。


「うおっ!!」


いきなりの魔法に驚いたものの、何とか避けた。


「稲妻より動きが速いなんて……」

「どうしたよ?まだまだ本気じゃねんだろ?」

「くそっ!!」


レオンハルトは、再び剣を正眼に構えなおした。

















































それからしばらく、俺がした事は全てレオンハルトの攻撃を避け、時々反撃するぐらいだった。


「く、一撃も当らないなんて」


めっちゃ悔しそうなんですが……。


「じゃあ、次の一撃は避けねぇよ。防ぐけど」

「ほ、本当か?」

「あぁ、本当だぜ?」


そろそろ、俺も終わりにしたかった。

レオンハルトには悪いが、正直期待外れだった。

バランスが取れていていいんだが、秀でているものが全くない。

つまり、決定打が皆無なのだ。


「ならば……」


レオンハルトは息を整え、詠唱を始めた。


「月と日が重なりし時、訪れる闇を切り裂かん。我を守りたまえ、神の光よ……!!」


レオンハルトの剣が眩い光を放ち出した。

その途端、周囲の空気がガラッと変わった。


「光の審判者《ブレイズジャッチメント》」


そして、その光は俺に向かって光速で、迫ってきた。


「うおっ……おおぉぉ!!」


俺は咄嗟に刀を交差させ、防いだ。

が、嫌な音が聞こえた。


 ピシッ


「しまっ……!!」


刀が耐え切れず、砕けてしまったのだった。































































 side リリィ


あの技を人間に使ったことは無かったが、あれが私の本気だった。


「審判、もう終わったぞ」


呆けている審判に声を掛けた。


「しょ、勝者……」

「おーぉ、いってー……」

「!!」


 ザワザワ……


振り返ると、そこには倒したはずの相手が土煙の中、立っていた。

観客もどよめき、私自身も信じられないでいる。


「こんなに痛かったのは、親父の奥儀をくらった以来だな」

「な、なんで、立っていられる……?」


その一言をようやく絞り出すように言えた。


「そりゃ、ほら、俺が本気を出したからで」


その時、強めの風が吹き、土煙が消えた。


「!?」


驚きのあまり、声も出せなかった。

なぜなら、今まで普通だった肌の色、瞳の色が赤黒く染まっていたからだ。


「阿良木流奥儀 紅龍。それがこの状態の名前だ」

「どう、なってるの……?」


人とは思えない風貌になることが、彼の奥儀だというのか?


「俺は、生まれつきこんなんなんだよ。俺の先祖に一人、異常な奴がいてな。そいつの遺伝を俺が 強く受け継いだってだけの話さ。ま、おかげで化け物みたいになっちまうんだけどな」


体質だっていうの?あの異常な姿が?

でも、なんであんな悲しそうな顔をしてるんだろう……。


「この髪の色は、最初は黒だったんだが、初めてこの状態になった時の後遺症でな。真っ赤になっ ちまったんだよ。それだけで、周囲の人は気味悪がった」


私は何も言えず、ただその話を聞いているだけだった。


「ま、こんな話はどうでもいい。さっさと終わらそう」

「く、来るなら来なさい!!」

「んじゃ、遠慮なく……!!」


そして、彼は私の視界から、消えたのだった。


side out
















































俺は一気にレオンハルトに近づき、右ストレートを放つ。


「くっ……!!」


それを紙一重で躱したレオンハルトは、俺の腕に剣を振るってきた。


 ザシュッ!!


その剣は容赦なく、俺の腕を斬りつけた。が、傷はすぐふさがる。


「そんな!!」

「悪いな、今の状態じゃ、お前に俺を倒すことはできない」


そして、俺はレオンハルトの眉間に人差し指を当てた。

そこから気を流し込み、平衡感覚を奪う。


「っ!!」


レオンハルトは、その瞬間その場に座り込んだ。


「な、なにを、した、の?」

「お前の平衡感覚を一時的に、乱しただけだ」

「そ、そんなこと、普通、できないでしょ……」


気のせいか口調が変わってきたレオンハルト。


「どうする?降参するか?」

「この状態で、どうやって戦えっていうのよ……!?」

「しょ、勝者、阿良木!!」


 ウオオォォォォォォオォォォ!!!!!!


今までで一番の歓声が上がった。

そんな中、俺はレオンハルトを助け起こしていた。


「大丈夫か?」

「頭が痛い……」

「すまん、やり過ぎた」

「あれ、もとに戻ってる?」

「あぁ、今じゃちゃんと制御できてるからな」

「そ、そう。でも、なんで今までみたいに殴らずに、あんな回りくどいことを?」

「いや、そりゃお前が悪い奴でもないし、女だから殴るのはなぁって思っただけで」

「お、女!?」

「違うのか?」

「ち、違わない!!……けど……」

「けど?」

「女として見られたのは、初めてというか……」


一瞬気まずい空気が流れた。


「どうして女として見られなかったんだ?」

「だって、男でもないのに、剣を握ってるし、そこらの男よりは強いし……」

「なるほどなぁ」

「だから、驚いたというか……」

「へぇ。お、救護の人達が来てくれたな。んじゃ、俺はここで」

「あ……、うん……」

「おいおい、顔が赤いぞ?熱でもあんのか?」

「いや……なんでもない……」


こうして、俺はこの大会で優勝したのだった。



今回の技説明

 阿良木流奥儀 紅龍

  阿良木家でも渚だけ使える奥儀

  全身赤黒くなり、再生能力が格段に上がる

  さらに、その他の能力も格段に底上げされる




感想、バッチコオォォォィィィイイ!!

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