衣装替え!?
久しぶりの更新
俺達がリスディアに着いたのは、大会の開始二日前だった。
フェンを元に戻し、二日かけて街へ入ることができたのだった。
「ようやく着いたね~」
「そうですねぇ」
「渚、宿を探そうよ。疲れた」
「てめぇ、お前以上に俺は疲れてんだよ」
「そんなの、自分のせいでしょ」
「んだと?」
「なんだよー?」
「オラ!!」
「うわっ!!何すんのさ!?」
「そういや、お前を殴ってなかったと思ってな」
「僕だけ!?静香さんは!?」
「あいつは女、お前は男」
「差別っ!!」
「うるせぇぇぇ!!」
ドゴッ!!
「へぶっ!!」
「あー、すっきりした」
「平手であんな音出すとか、ナギやりすぎ……」
「平手で済ましてやったんだ」
「キュー……」
「クロノさんが気絶してますよ!?」
「うーん、これで気絶か。クロノもまだまだだな」
「ナギ……」
「渚さん……」
なんだか、すごい変な目で見られてる気がする。
が、気にしない、気にしない。
「さ、宿を探そう」
「そうね」
「クロノ、起きろ」
「ハッ!!あれ?今さっきまでお花畑にいたのに」
「死にかけてたの!?」
クロノは何とか一命を取り留めたようだった。
リスディアに着いた日は、宿でそのまま寝た。
そして、大会前日。
俺達は出場登録をしていた。
「個人トーナメントとクラントーナメントがありますが、どちらにしますか?」
受付の女性はそう聞いてきた。
「クランというのは?」
「クラントーナメントは四人から八人で一チームとし、そのチームで戦うというものです」
「どっちかだけしか出れないんだよな?」
「いえ、どちらとも出れますよ」
「そうなのか?」
「はい。明日から三日は個人、その後三日でクラン。
そして七日目に個人とクランの準決勝、決勝。といった感じなので」
なるほど、一週間かけてするのか。
「じゃあ、どっちにも出ようかな?どうする?」
「僕はいいよ」
「私も大丈夫だよ」
「えっと、私はクランの方だけに参加させてください。個人は自信が無くて」
「わかった。じゃあ」
「わかりました。では、クランの名前を」
クランの名前?
「うーん、フェンリルでいいや」
「渚、もっと考えようよ……」
「他になんかあるか?」
「いや、それでいいんだけど」
「なら、フェンリルで」
「わかりました。フェンリルですね」
こうして俺達は登録を終えたのだった。
その日の午後、俺達は服屋に来ていた。
オルヴァさんからもらった服を、ずっと着ていたので、血や土埃で汚れてしまっていた。
「試合に出るんだったら、綺麗にしとかなくちゃ」
この静香の一言で、服を新しくするのだった。
「じゃあ、私とユリウスちゃんはこっちの方にいるから」
「わかった。クロノ、行くぞ」
「りょーかい」
そして、俺達は広めの店の中で、二手に分かれたのだった。
「うーん、僕は新しい形の服はいいや。これと似たようなものにしておくよ」
そう言って、クロノは適当に同じような服を買い終えたのだった。
面白くない奴……
「渚、失礼な事考えたでしょ」
「いんや、これっぽっちも考えてない」
「本当は?」
「面白くない奴だと思ってた」
「言っちゃったよ!?」
さて、俺はどうしよう。
「うーん、この服、結構動きやすかったからなぁ」
「じゃあ、一緒の物にするの?」
「いや、上は同じにして、下を変えようかな」
「こんなのは?」
クロノが俺に見せてきたのは、ベージュのジーパンみたいなものだった。
「お、いいかもな」
早速俺は、今上に着ている物と同じ形の服を見つけ、試着室で着替えたのだった。
「へー、結構伸縮すんだな、このズボン」
「渚、このブーツが一緒に置いてあったから持って来たよ」
「ブーツ?」
クロノの手にあるブーツは、履くと膝下まで来るような黒いブーツだった。
「一応履いてみるか」
俺はブーツにズボンの裾を入れ、ブーツを履いた。
「お、軽い」
見た目は動きにくそうだったが、実際には機動力に支障はない。
「これにしよう」
「お、僕結構役に立ったね」
「戦闘でも役に立て」
「役に立ってなかったの、僕!?」
「さーて、買ってこよう」
「ちょっ、答えてよ!!」
しばらくクロノは喚いていたのだった。
俺が服を買って終えたと同時ぐらいに、静香達も買い物を終えたようだ。
「結局今までと同じの買っちゃった」
「私もですね」
皆やっぱり着慣れたものが良いようだった。
フェンは俺達が買い物をしていた間に、広場で遊んでいた子供達と仲良くなっていたのだった。
感想バッチコォォオォオォォォィィィィィィィ!!