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召喚されただと!?  作者: 蓮条寺紫帆
集いし仲間達!?
14/35

アベリア盗賊団!?

今回はユリウスと静香、フェンは出てきません


あ、ちなみに閑話休題は全部、アベリアでの話です



ではでは、始まります


今日でアベリアに来てから一ヶ月。

今、俺はクロノと二人でギルドに来ていた。ユリウス達には、今日一日自由にしてもらってる。

俺達は次の街へ移動するための依頼を探しに来ていたのだ。


「こんなのどう?」

「うーん、ちと報酬金が少ないな」

「そう言われればそうだね」

「なかなかいいのが無いな」

「そうだねぇ」

「ん?」

「お、見つかった?」

「いや、違うけど、コレ」

「ん?なになに?」


 『近隣に盗賊団が出没。そのアジトがアベリアにあると思われる。即急に壊滅させてほしい』


「へぇ、アベリアに盗賊団のアジトねぇ」

「面白そうだ、受けようぜ」

「いや、僕達は移動するための依頼を……」

「それがねぇんだから、いいじゃねぇか」

「そうだけど、僕達だけでするの?」

「なんだ?二人じゃ不安か?」

「いや、渚一人でも十分だと思うけど」

「なら、お前もついて来い」

「えー、僕は遠慮しておくよ」

「いいから、いいから」

「全然よくないよ!?」

「そうか、ついて来てくれるのか」

「僕の話聞いてる!?」

「聞いてない」

「言っちゃったよ!!」


嫌がるクロノを引きずって、俺はその依頼を受けたのだった。


































「さて、夜になったぜ」

「はぁ、なんで僕まで」

「そう言うなって」

「もうあきらめてるよ」

「んじゃ、行こうぜ」

「うん」


俺達は依頼の情報にあった廃墟に向かった。


「ここか」

「まさにアジトって感じだね」

「よし、行くぞ」

「ちょっ!?」


俺はかろうじて残っていた扉を蹴破った。


 バァン!!


「たのもーう!!」

「ちょっと!!何正面から突っ込んでんのさ!?」

「いや、人の気配がしなかったから、一度やってみたかったことをしてみただけだ」

「な、なんだ……ここにはいないのか」

「ん?」

「どうしたの?」

「なんかおかしい」

「へ?」


俺は足元にあった石ころを拾い上げた。


「どうすんの、それ?」

「投げるだけだ」


 ヒュン!!


「痛っ!!」

「え!?人の声が!?」

「そこにいんだろ?」

「な、なんでわかったのさ?」


そう言いながら出て来たのは、黒色の半袖半ズボンを着ている小さな男の子だった。


「男の子……?」

「僕は女だ!!」

「ご、ごめん」

「それより、なんでわかったのさ?」

「お前がいた所だけ、何にも感じなかったからだ」

「そんな……」

「で、そんなに気配を消すのがうまいお前が、こんな所で何してんだ?」

「な、なんでもいいだろ?」

「俺達はな、最近この辺りで出没する盗賊団の討伐に来たんだ」

「へ、へぇー」


明らかに様子が変わった少女。


「で、その情報だと、ここがアジトらしいんだが」

「そ、そうなんだ」

「で、そこにお前が気配を消して、潜んでいたと」


少女はキョロキョロ辺りを見渡し始めた。


「な、何が言いたいんだよ?」

「つまり、お前がその盗賊団の一人、もしくはリーダーだと思ってな」

「どうして、そう思うのさ?」

「今までにその盗賊団がして来た事を、教えてもらってな」


そう、俺達はここに来る前に、ギルドの人に今までの事件を教えてもらってきたのだった。

こいつらがして来た事は、食べ物を盗んだり、金を盗んだり、衣服を盗んだり等々。

つまり、悪事と言っても、他の盗賊達みたいに殺人をせず、非常に豊かな場所から少量ずつ盗み出している。

盗み出した量は、人一人が生きるために最低限必要な量だと推測できるらしい。


「だから、盗賊団の奴は、孤児。そういう奴等の集まりだって思ってな」

「臆病な大人ってこともあんでしょ」

「いーや、盗みをする時点で、相当な大物だ。臆病なら盗みなんてできない」

「そ、それはそうかもしれないけど」

「つか、お前一人で盗賊団なのか?」

「いや、なんで僕が犯人って決めつけてんのさ?」

「だってお前。俺が盗賊団の話をし出した途端、慌ててたんだぜ?」

「う……」

「怪しいってもんじゃないよなぁ?」

「そ、そうだよ!!僕が犯人だよ!!」

「やっぱりな」

「で、僕をどうするつもりさ?」

「どうするって言われてもなぁ……」

「こ、殺すのか?」

「殺すわけねーだろ」

「そ、そうなのか?」

「あぁ、依頼主さんに渡す」

「い、依頼主って?」

「この街の役人さんだ」

「ろ、牢屋行きかな?」

「さぁな。とりあえず、おとなしく捕まってくれ」

「い、嫌だよ!!」


そう言って少女は、腰からナイフを抜いた。


「け、怪我したくなかったら、そこをど「うるせぇ」痛っ」


俺は最後まで聞くことをせず、拳を少女の頭に落としていた。


「俺にナイフ一本で勝てると思ってんのか、あ?」

「ごめんなさいすいませんもう抵抗しません許してください」

「分かればいい」


そして、その少女は俺達に捕まったのだった。






「ていうか、僕やっぱりいらなかったよね?」


クロノの嘆きを聞こえないふりをするのだった。










































そして夜が明け。

クロノは宿に戻り、俺は一人で少女を、役人の所まで連れて行った。


「この子が?」

「あぁ、本人から聞いた。それでだな、少し話したいことがある」

「なんでしょう?」


俺は、こいつが孤児であり、今までの盗みは生き抜くために必要な行為だったことを説明した。


「ふぅむ、なるほど」

「でだな、こいつのした事を許してやってほしいんだ」

「うーん、許してほしい、か」

「だめか?」

「そうしてやりたいのも、やまやまなんだがなぁ」

「……」


少女は固唾を飲んで、俺達の会話を聞いている。


「そうだ、こんなのでどうだ?」

「?」

「ここの近くに教会があるんだか、そこで働いてもらうってのは、どうだろう?」

「罪を償いながら、か?」

「あぁ。しかも、そこは孤児院も兼ねているから、ちょうどいい」

「それは名案だな」


そして、少女に俺は説明してやった。


「ホントか?」

「あぁ、これでもう盗みなんかしなくても、よくなんぞ?」

「よかった……。ありがとう、兄ちゃん」

「いや、礼は俺じゃなくて、あっちに言ってくれ」

「それもそうだけど、兄ちゃんにも言いたかったんだよ」

「そりゃどうも」

「兄ちゃん、名前は?」

「渚だ。お前は?」

「ルミナだよ。渚」

「呼び捨てかよ」

「いいじゃん」

「まぁ、いいんだけどな。ルミナ、元気でな」

「そっちこそ」


そして、俺はその場を離れた。
































後日聞いた話では、ルミナの仲間だった孤児達も、教会に引き取られたとか。


「よかったな、ルミナ」

「どうしたの、渚?」

「クロノ、お前がいなかった時に感動のストーリーが生まれていたのだよ」

「え、ホント!?」

「あぁ、残念だったなぁ!」

「なんで、嬉しそうに言うのさ!?」

「だって、お前いじるの面白いし」

「そんなこと、どストレートに言わないでぇぇぇぇぇ!!」




今日もクロノいじりは、面白いです。



今回出て来たルミナは、もう一度出せれたらなぁ、と思ってます。



それでは、感想バッチコォォォォィィイ!!

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