閑話休題Ⅱ!?
横道の横道にそれます
なかなか、本編に戻れん……
閑話休題その四
渚・フェン
ユリウス達が食堂で話していた頃、渚とフェンは森の中を疾走していた。
「フェン!!」
「がうっ!!」
「ちょ、速すぎだって!!」
「がうがう!!」
「だから、追いつけなくなんだろぉがぁぁぁぁぁぁ!!」
「がう!!」
「うおぉ!!いきなり止まんな!!」
「ぐるるるる……」
「あ?どうした?」
「ぐるるる……」
「っ!!……この気配は……デカいな」
「がうっ!!」
「まずいぞ……刀は置いて来たし……素手でやるしかないか」
『グオオオォォォォオォォォ!!』
「て、図体もデカいな!!」
「アォーーーン!!」
「ふぇ、フェン!?」
『主よ、我が力を欲するか?』
「は?」
『欲するか?』
「あ、あぁ」
『ならば、我が命、主に預けよう』
「おお!?眩しっ!!」
「アォーーーン!!」
『グウゥゥゥ……』
「あれ、フェン?なんで、もも辺りにあった顔が俺の頭より上に?」
「主よ、これが私の本当の姿だ」
『グオォォォ!!』
「お、おい、なんか興奮してないか!?」
「安心しろ、主よ。獣よ、死にたくなければ、消え失せろ」
『グゥ……』
「ほ、本当に帰っていきやがった……」
「他愛もない」
「てか、なんでそんなにデカくなってんだよ?」
「主が私を必要としたからだ」
「あ、さっきの」
「そうだ」
「つか、なんで今まで小さかったんだ?」
「それには、理由があってな。主が私を呼び出した時、主の魔力は根こそぎ私に移されたのだ」
「ま、マジか」
「つまり、主は魔力を扱う要領で、私を扱えるのだ」
「そ、そうか」
「しかし、私が力を使えば、消費が激しい。だから、普段は魔力を消費しないように、あの姿をしていたのだ」
「俺の魔力って、少なかったのか?」
「いや、かなりの量だ」
「じゃあ、今の姿は魔力を消費してるんだな」
「あぁ、多少な」
「それで、多少なんだ」
「力を使ってないからな」
「そうだな。姿が変わっただけだもんな」
「あぁ。……主よ、あともう少しだけ、全力で走らせてほしいんだが?」
「ま、またか……。まぁいいさ。ついて行ってやるよ」
「がうっ!!」
「あれ?元に戻ったんだ」
「がうがう!!」
そして、日の出まで森の中を一人と一匹は疾走し続けたのだった。
閑話休題その五
クロノ・静香
その日、クロノは森で一人で銃の練習をしていた。
ズドォン!!
「ふぅ……こんなもんか」
クロノは構えていたDragunovaを近くの木に立てかけた。
そして、COLTを取り出し、構えた。
「次はっと、あの岩を狙うか」
ドン!!ドン!!ドン!!
「うーん、精度が低いなぁ」
「そうかなぁ?」
「うわぁぁ!!」
「そんなに驚かなくでも」
「し、静香さん……いつから」
「さっきだよ」
「そうなんですか」
「でも、そんなに精度、低くないと思うけど」
「いえ、低いですよ」
「だって、同じ場所に三発とも集中してるじゃん」
「同じ場所に当てれるようにならないと、父を超えることはできませんから」
「クロノ君のお父さん、すごいんだね」
「えぇ、僕の憧れであり、目標です」
「お父さんも嬉しいだろうね」
「そうだといいんですがね」
「そうだよ、きっと」
「それで、静香さんはどうしてここに?」
「私も弓の練習しようかと」
「見せてもらっても、いいですか?」
「いいけど、そんな面白いものじゃないよ?」
「前から思ってたんですけど、静香さんの弓って、普通のよりデカいですよね」
「あ、うん。なんでも威力が出るものらしいよ」
「へぇ」
「よし、じゃあ私もあの岩を、狙おうかな」
キリキリキリ……
「すごいですね……簡単に引けるなんて」
「そうでもない、よっ!!」
ヒュンッ!!
ドゴォッ!!
「え……」
「うーん、毎回思うけど、威力が出過ぎてるような」
「出過ぎですよ!!岩、砕けてるじゃないですか!!」
「まぁ、いつもの事だよ」
「その細腕のどこに、そんな力が」
「細腕だなんて、照れちゃう」
「ニヤニヤしながら言っても、全然説得力無いですよ!?」
「さすがクロノ君。面白いわ」
「あぁ、もう!!全然褒められた気がしない!!」
今日もクロノはいじられていた。
閑話休題その六
クロノ・ユリウス
クロノとユリウスは、ただ今絶賛迷子中。しかも、街の路地裏で。
「ここ、どこでしょう?」
「僕に聞かれても……」
「そうですよね……」
「はぁ……
「どうしましょう?」
「どうしますか?」
「「はぁ……」」
「おい、お前ら」
「「はぁ……」」
「聞いてんのか?お前ら」
「「はぁ……」」
「無視すんなぁぁぁぁ!!」
「さっきからうるさいなぁ」
「なんだと、コラァ!!」
「で、なんか用ですか?」
「持ってる金、全部置いていきな」
「はぁ、めんどくさいなぁ」
「てめっ、ケンカ売ってんのか!?」
「うっさいなぁ!!」
ドゴォッ!!
「ひぃっ!!す、素手で、壁が、抉れて!!」
「こうなりたくなかったら、僕達を大通りまで連れてってください」
「よ、喜んでぇっ!!」
「行きましょう、ユリウスさん」
「す、すごいですね、クロノさん」
「こ、こっちです、アニキ!!」
「あ、アニキって……」
何気に怖いクロノだった。
おや、フェンの様子がおかしいぞ?
ってな感じになってしまったぁぁぁぁあぁあ!!
しかも、クロノって怒ったら怖いことが分かった回でした。
次回には本編に戻ります
肝z……感想バッチコォォォイイ!!