次の街へ出発!?
新メンバーも加わったことだし、次の街へ移動をしたいと思います
クロノが加わった日、俺達はギルドで移動を兼ねた依頼を受けることにした。
「クロノ、お前のランクは?」
「Eランクです」
「へー、思ったより高いんだな。俺達と一緒じゃん」
「そ、そうですかね?」
クロノは、はにかんでいる。
「クロノ君、可愛いー!」
「ぅええ!?」
静香の悪い癖が発動。
「静香」
「うっ、ごめん」
「分かればいい」
「渚さん、これなんてどうでしょう?」
静香を止めていた間に、ユリウスが見繕ってきてくれた。
「どれどれ……」
アベリアへの荷馬車の護衛。ランクはEランク。報酬金もそこそこ。
「うん、これにしよう」
「そうですね。僕もこれがいいと」
「私もオッケーだよ」
「がうっ」
満場一致だった。
そして、俺達は依頼主と共にマスヴィアを後にするのだった。
出発してから、一週間。
「なぁ、クロノ」
「なんですか?」
「お前が持ってる武器、ちょっと見せてくれるか?」
「いいですけど、そんな面白いものじゃないですよ?」
そう言って、SIG SAUER P226、COLT PYTHON 357 MAGNUM、Dragunovaを渡してくれた。
「SIG SAUER P226にCOLT PYTHON 375 MAGUNAM、Dragunovaか」
「わかるんですか!?」
「あぁ、まぁな」
元の世界の友人にガンマニアがいて、結構語られたんで少しは分かる。
「しっかし、こっちにもあるとはな」
「?」
「あぁ、気にすんな。ありがとよ」
「あ、いえ」
クロノは銃を素早くしまっていった。
「慣れてんのな」
「子供の頃から、ずっと触ってましたから」
「ほー、俺みたいだな」
「渚みたい、ですか?」
「あぁ、俺も小さい頃から、ずっと武器を握り続けてきたからな」
「へぇ、なんだか渚とは話が合いそうです」
「俺もそう思うぜ」
いつの間にか、俺達は親友となっていた。
そして、八日目の夕方だった。
「ま、魔物が!!」
依頼人がそう叫んだのが聞こえた。
「魔物!?」
以前、ラファイエを出る前に、魔物についてオルヴァさんから聞いていた。
魔物とは、古代からいる負の魔力を取り込んだ動物をまとめて言っているそうだ。
大昔に一度、魔物が大繁殖し、人間が絶滅しかけたとか。
しかし、それ以来なりを潜めていた魔物たちが最近になって、再び活動し出した。
それを多くの人は、以前の大惨事が再び起こるのではないかと、考えているらしい。
しかし、クロノ以外の俺達は初めて魔物を見る。
その魔物は群れを成して、空を飛んでいた。
「な、なにあれ!?」
「す、すごい数です……」
「空にいる相手には、手がだせねぇ」
くそ、どうする!?
「僕に任せてください!!」
「クロノ……。そうか、お前なら!!」
クロノは背中からDragunovaを取り出し構えた。
side クロノ
空にいる魔物達には、渚も手を出せない。
ここで役に立つのは、渚以外のメンバーだ。
でも、僕以外の二人は固まっている。
「僕に任せてください!!」
「クロノ……。そうか、お前なら!!」
僕は背中からDragunovaを取り出し構えた。
『狙いを定めるんだ。一撃で相手を打ち抜く、その意気でな』
今は亡き父親の言葉が、一瞬脳裏を過ぎる。
「一撃で相手を……打ち抜くっ!!」
ドォンッ!!
「グギャァァァァァ!!」
先頭の一体を撃ち落とした。
「次っ!!」
照準を次の一頭に向け、再び発射。
そうしていると、固まっていた二人が動き出した。
「クロノさんにだけ、やらせているわけにはいきませんっ!!」
「そうよね、やっと私の出番ね!!」
ユリウスさんは杖を構え、静香さんは弓を取り出した。
side out
ユリウス、静香が加わってからは、本当に早かった。
俺がすることといったら、落ちてきた魔物で死んでない奴に止めをさすことだった。
そして、相手を全滅し終えた時だった。
「はぁ、はぁ」
静香がその場に座り込んで、息を整えようとしていた。
「大丈夫か?」
「あ、ナギ……。ごめん、生き物を殺したのって初めてだから……」
「お前がやらなきゃ、やられていただけだ。生き残るために、相手を殺す。
これ、この世界の掟。ってな」
「でも……」
「殺した相手の分まで、お前が生き延びろ。そうすれば、供養にもなんじゃねぇのか?」
「そう、かもね……。でも、少し気持ちの整理をさせて……」
「あぁ」
そして、静香はアベリアに着くまで、ずっと俯いていたのだった。
マスヴィアを出て一ヶ月、ようやくアベリアに着いたのだった。
「ようやく着きましたね……。僕、お尻が痛くなっちゃいましたよ」
「私もです……。慣れないといけないんですが……」
「ふぁ~あ、眠いわ」
「静香」
「?」
俺は手招きをして、ユリウス達から少し離れた。
「なに?」
「大丈夫か?」
「お尻は痛いよ?」
「ちげーよ!」
「じゃぁ、あの事、だよね?」
「あぁ」
「うん。完全に、じゃないけど、私なりに割り切れるようにしたから」
「そうか、安心した」
「なに?心配してくれてたんだ?うーれしーなぁ」
「バッカかお前?これから、いざという時に使えねぇんじゃ、困るなぁって思ってただけだよ」
「なにそれ!?ヒドイ!?」
「ったく。……心配して損したぜ」
「なんか言った?」
「なんでもねぇよ!!」
俺はしばらく不機嫌だった。
俺達は依頼人から報酬金である、銅貨百五十枚を受け取り、手頃な宿を見つけたのだった。
ふぅ、何とか静香の初めての殺生のシーンが書けた。
たぶんおかしいかも。
さて、感想バッチコォォォォィィィイ!!