◆作中補足◆『妄想図鑑』No.012:もち丸(モチマル)
ぺたりと最初の頁を捲った刹那、背筋をつたう冷気に息を呑む。
墨のような闇の中から、紅の線画が浮かび上がる。
その輪郭は人の形をしていながら、視れば視るほど歪み、蠢き、俺の記憶を食い破っていく。
──これはただの図鑑ではない。
禁忌の“生き物”そのものだ。
■図鑑 No.012:もち丸
■ 分類名:擬精種・半液状宝珠体
■発動条件
江戸っ子鼓動による【鼓動共鳴】+対象への深度接触(肌感覚)
発動時、視界に“緑光の滴”がふわりと舞い、心拍が不自然に加速する。
■通称
「翡翠抱き」、「離れられない感触」、
「妄想界のもち宝珠」と呼ばれる。
■ 外見特徴
鮮やかなエメラルドグリーンの半液状本体を抱く妖精少女の姿。
黒髪に葉の形をした飾り、透き通る翅が淡く光を放つ。
抱えられた宝珠から水滴が滴り、周囲の空間を潤す。
腰部は液状化し、水面に溶け込むような存在感を持つ。
(*妄想世界の水辺に現れる、接触依存型の妖精生命)
■ 性格・振る舞い
基本は柔和で人懐こいが、対象に「触れる」ことを優先する傾向が極端に強い。
感触への執着は一度芽生えると解除困難。
笑みを浮かべながらも、時折“別れの予感”を漂わせる表情を見せる。
■ 神代魔法との関連
■発動サイン【滴翠抱擁】
■妄想干渉魔法【鼓動封書】にのみ反応し、図鑑封印可能。 古代水精霊の記録に酷似した紋様が宝珠内部に現れる。
■ スキル
【アーム・ラッピング】
対象の腕に絡みつき、移動速度を低下させる。
【ドロップ・リジェネ】
水滴を飛ばし、対象と自身を徐々に回復。
【モッチリ・シールド】
宝珠を硬化させて物理攻撃を一度だけ防ぐ。
【リキッド・フェード】
下半身を液状化し、物理的拘束を無効化。
【エメラルド・チャーム】
視線を合わせた相手の集中力を低下させる。
■ 備考
江戸っ子鼓動曰くーー「一度でも触れたら、後戻りできない」存在。
実体化時間は不安定で、長期接触ののち突如として消える場合がある。
封印された際は図鑑のページから微かな湿気と甘い香りが漂う。
■ 図鑑メモ:
「……あの感触は、もう二度と忘れられない」
ーーグリモアのページを閉じたゴクトー。
もち丸が封印されたページからーー
微かに湿気が漂っていたのを俺は見逃さなかったーー。
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