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妄想図鑑が世界を変える? 〜異世界トランザニヤ物語〜 #イセトラ    作者: 楓 隆寿
第3幕 動章  〜ワイバーン討伐と新たな仲間〜

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ワイバーン討伐編 7 〜天界の聴取〜




挿絵(By みてみん)


 素敵な表紙を石上三蔵様に作っていただきました。

 石上様のページはこちら↓

 https://mypage.syosetu.com/2943260



 素敵な表紙をありがとうございます☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆

 









「この流れ、間違いなくーー黒龍はゴクトーと……」


 下界から顔を上げるトランザニヤの黒銀の目が光りを増す。

 その言葉に女神東雲がふと零す。


「これでパズルのピースは残すところ……」


 その言葉に神シロとトランザニヤも黙って頷く。

 三柱は天上からそっと耳を(そばだ)てる。


 さらに女神東雲が「【聴取(Listening)】♡」と唱え、

 雲を耳の形に変えたーー。





 挿絵(By みてみん)



 ーーその頃ゴクトーは、

 人型として姿を変えた黒龍に龍皇一族について、尋ねていた。


 



 

 ◆(女神東雲が語り部をつとめます)◆




「って、ことは……ここは黒龍の縄張りか?」


 ゴクトーが黒龍に尋ねる。

 その言葉に黒龍が握り飯をムシャッと頬張りながら答えた。


「いやいや、ここはオイラが旅をしながら見つけた場所だ。

 あんまり深い意味はないぞ」


「なら黒龍の縄張りはどこなんだ?」


「『カイド』だ。巨人の国の……」


「『カイド』か……行ったことはないが、槍術が有名だよな。

 しかし……なんで黒龍がこんな所にいるんだ?」


「親父がな、”あるモノを探してこい”って言いやがったんだ。

 見つけるまで帰ってくるな、だとさ」


「あるモノ?」


「ああ、そうだ。緑龍がこの辺で見たって話をしてたんだが……

 オイラがここらに入り浸ってたら、

 そいつもどっか行っちまった。ったく、面倒な話だぜ」


 黒龍は、ふと視線を遠くに向けた。


「そんなに貴重な宝なのか?」


「らしいな。『カイド』の国王に親父が勝負で負けて取られたとか……

 情けねぇ話だよ。ったく、龍のプライドはどこ行ったんだ?」


「カイドと言えば槍術が有名だが……槍術で勝負を?」


「そうらしい。七星の武器のひとつ、

【趙槍ギャラクシー・スピア】ってシロモンだな」


 その瞬間、聞いていたミリネアが"ピクッ”と長い耳を動かし、ゴクトーと黒龍の会話に口を挟んだ。


「あの……ご主様、少しよろしいでしょうか?」


「七星の武器のことか? いいぞ」


 頷くミリネアは一歩前に進み、丁寧に頭を下げた。


「黒龍皇子殿、ワタクシは七星の武器について研究をしております。

 ハイエルフ『八支族』のひとつ、

【ロカベル】族長の長女ミリネアと申します。


【趙槍ギャラクシー・スピア】以外に、

 何か七星についてご存知ではないでしょうか?」


挿絵(By みてみん)


 ミリネアの問いに眉をピクッと動かした黒龍。

 彼は少し間を置いて、視線をミリネアに向けた。


「ハイエルフの『八支族』だと……?

 ……随分丁寧な挨拶だなぁ。

 族長の娘ってことは……姫様か。

 

 おまけにその横の子は妹姫か?

 いやぁ、道理でエルフにしちゃ、美人だと思ったんだよな! ははははは!」


 黒龍は頭を掻きながら、豪快に笑い飛ばした。


「悪ぃが、オイラは【趙槍ギャラクシー・スピア】が、

 何本かあるってこと以外は、何も知らねぇ。親父なら知ってると思うがな」


「そうですか……」


 ミリネアは少し肩を落としながら答えた。

 黒龍から明かされたミリネアが姫だという真実に、

 ゴクトーが目を丸くしながら口を開く。



「ミリネアも姫なのか? ってことは……。

 ロカベル三姉妹って全員が姫 ……? 

 いや、待てよ……。

 趙槍ギャラクシー・スピア……ゴルバの記憶に確か……その名前……!」


 ゴクトーは『アイテムボックス』から『ハルバード』を取り出し、

 黒龍に手渡した。


「これ……【趙槍ギャラクシー・スピア】ではないと思うが」


 黒龍はハルバードを手に取り、繁々と眺めた後、

 少し残念そうに顔を曇らせた。


「そうか……」


 だが次の瞬間、"ニヤリ”と笑って黒龍が言った。


「アンタ、このハルバード、ヒイロカネ製じゃねぇか。

 こいつ、相当いい代物だぜ! 良かったら使わせてもらう。

 ……いや、貰っちまうぜ!」


「いいぞ」


「 やったぜ! オイラ、槍が一番得意なんだ、恩にきる」


 ハルバートを握る黒龍の瞳に煌めきが宿った。


「よし、決めた!

 オイラはアンタと【趙槍ギャラクシー・スピア】を探す旅に出る!


  なぁ、この姿なら一緒にいても、目立たねぇだろ?

 ……オイラ、ちゃんと冒険者登録もしてあるんだぜ。


 親父にキツく言われたからな。

 龍の姿じゃ探しきれねぇって。


 昔、親父もそうやって旅をしてたらしい」


「お前の親父が?」


「おうよ! その時に『カイド』の国王のおっさんと知り合ったらしいしな。

 それと……ちなみにオイラのランクは『S級』だ!」




 「「「「「「 えぇぇぇぇっ!!!!!!! 」」」」」」


 ミリネアとコガラ以外、一斉に仲間が驚きの声を上げた。


「まあ、龍だからな……大概の魔物は倒せるよな……S級か。

 ……そりゃそうか。男も増えるし……パーティに二体も龍が……」


 ゴクトーは口元を緩めながら零した。

 相当嬉しかったのだろう。


 そんな中、黒龍がワイバーンの肉を平らげ、指先をぺろりと舐めた。


「アンタの名前は?」


 その言葉の後、黒龍がニヤリと口元を綻ばす。


「ゴクトーだ…」


「オイラは黒龍……だけど、それ以外の名はない。

 冒険者登録も『黒龍』でしてるんだ。

 良かったら、アンタが名付けてくれないか!」


 黒龍の言葉に全員が一瞬静まり返る。

 

 次の瞬間、皆クスクスと笑い出す。


「おい、なんで笑ってんだ……?」


 黒龍は周囲の反応が気に入らないのか、眉をしかめた。

 そんな中、パメラが半笑いで口元を手で隠しながらつぶやく。

 

「……ゴクちゃん、名付けって言ったら、『リリゴパノア』を思い出すわねん」


 その言葉に、隣でノビがこっそりと笑いを堪え、小声で囁く。


「全員の名前の一文字だけ取っで、続けて読みあげたやづなんさ……」


「やめろ! 過去を掘り返すな!」


 ゴクトーは声を荒げたが、アリーが尻尾を揺らしながら笑みを浮かべる。


「ゴクにぃのセンス、正直……ちょっと微妙だかりゃ」


「お前ら、言いたい放題だな!」


 ゴクトーが軽く一喝すると、黒龍がミリネアに近づきーー。


「ミリネア姫……もう肉はないのか?」


「ええっ!? まだお腹が満たされませんか!?」


「もっと食わせてくれ……オイラ、こう見えて大喰らいなんだ」


 ワイバーンの肉を平らげた黒龍が、物欲しそうにゴクトーを見上げる。

 その仕草にミリネアが苦笑しながら、追加の肉を差し出した。


 

 場の雰囲気が和らぐ中、益々日差しが強くなる。

 ハゴネの山の風がどこからか新緑の葉を一枚運んでくる。

 くるくると回る葉が、熱くなった石に落ちるとピシと音を立て丸くなった。



 その様子を大人しく見ていたコガラが「ピ〜〜〜♬♪」と、

 可愛らしい声を上げながら”コトバ”を落とした。


「あるじー! こわいのは、もうこわくなくなったの?」


「ああ、そうだ。黒龍はコガラの親戚みたいなもんだぞ」


「しんせきってなぁにーー?」


「おねえちゃんみたいなもんだ」


「おおねいちゃんたちと、おなじぃーーぃ?」


「そうだな。おねいちゃんたちと同じだ」


「クロにいしゃんだね!」


「黒龍が肉をせがんで、コガラはクロにいしゃんと呼ぶ……か……クロニクか…」


 ゴクトーが漏らしたーーその瞬間。


 黒龍の身体が突然【黄金】に輝き出した。



「「「「「「えぇぇぇぇっ!!!!!!!!!」」」」」」


 驚きの声が全員から一斉に上がる。


 眩しい光が収まり、黒龍は満足そうな表情で微笑んだ。


「すげぇな、力が漲ってるぜ! 

 今日からオイラは『クロニク』を名乗ることにするよ。

 良い名前をありがとうな、兄貴!」


 「いやいや。俺はお前の兄貴じゃないからな!」


「ははは! 照れるなって! 

 でも、名付けてもらったからには、兄貴とはこれからどこまでも一緒だぞ!」


 黒龍、いや、クロニクが満面の笑みを浮かべる。

 

 一方でコガラが「ピ〜〜〜♬♪」と鳴き、続けて”コトバ”を落とす。


「クロにいしゃん コガラだよーー」


「コガラか……お前の叔父に当たる身分なんだが……まぁいいか。よろしくな」


「よろちく。ピ〜〜〜〜♬♪」


 コガラも嬉しそうに可愛らしい鳴き声を上げた。


 見ていたアリーが、モフモフの尻尾を振りながら声を張る。


「かっこいい名前にゃ!クロニク兄ぃ、

 獣人オブニビア一族のアリー・ココロ・オブニビアにゃ!」


「オブニビア長老の血縁か……

 うちの爺様、古代(エンシェント)(ドラゴン)と、

 肩を並べる神獣フェンリルの連れだよな。

 なるほど、通りで魔力(マナ)の量が多いわけか……よろしくな」


 「へぇーーそうにゃんだ。よろしくにゃ!」


 一方ミーアも頬を朱らめ、一歩前に出る。


「うちはミーア、ミリネア姉様の妹。クロニク皇子、よろしくお願いします」


「美人姫姉妹か……ミーア姫はオイラの嫁にしてやってもいいぞ!

 ははははは!」


 照れながらまんざらでもなさそうなクロニク。

 彼の頬はやんわりと朱に染まっていた。

 

 一方、ゴクトーの隣の席から立ち上がるアカリが口を開く。


「『ヤマト』の国、巫代(ミシロ)家の長女アカリと申します。

 この子は妹のジュリ。

 良い名です、クロニク皇子。よろしくお願い致します」


 そう言って深く頭を下げた。

 その態度は清々しくもあり、凛としていた。

 きっと、”蛮行”事件のことが、彼女の頭にはあるのだろう。

 


「『ヤマト』の巫代か……ってか、

 神代(カミシロ)将軍家の血筋じゃねえか……

 ここにも美人の姫姉妹か……兄貴、選び放題じゃねぇか!」


「ゴホッ!んんっ……」


 慌てながら咳払いで誤魔化すゴクトーを他所に、

 パメラも負けじと名乗りを上げる。


「わたくしはパメラ・ルシーヌ・カルディア。

 カルディア魔法学院に勤めております。

 ミリネア教授とは同僚ですわ。

 良い名前ですわね、クロニク皇子。どうぞよしなに」


 そう言ってミニスカートの裾を掴み、上品にカテーシーをみせた。


 

挿絵(By みてみん)



「……ギャップがすげぇな。

 大人の色気“ムンムン”の美人さんだ! 

 カルディアってことは、王族だよな? ったく……こっちも姫様かよ……!」


 そんな中、ノビがしどろもどろに続ける。


「オ、オラはパメラ先生の生徒で……ノビ……ケロッグ・フロッグでづ。

 ……実家はパン屋で……」


「貴様は余計なことを言わんでいいっ!」


 パメラが一喝すると、お約束の『恒例行事』の光景を見て、

 全員が笑い出した。


 空は澄み渡り、心地良い風が頬を伝う。


「クロニクもすっかり馴染んでるな。これからが楽しみだ……」


 漏らしながらゴクトーは、

 どこか満ち足りた気持ちなのか、"ニタリ”と笑ったーー。



「ピィ!(ちゅぢゅく)」



挿絵(By みてみん)





 お読みいただき、ありがとうございます。

 引き続き読んでいただければ嬉しいです(๑╹ω╹๑ )



 




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― 新着の感想 ―
新たなる仲間キタ━(゜∀゜)━! しかもS級! これからますます盛り上がりそうな予感( *´艸`) 今日も素敵な物語を有り難う御座います! 続きも楽しみ(*´▽`*)
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