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妄想図鑑が世界を変える? 〜異世界トランザニヤ物語〜 #イセトラ    作者: 楓 隆寿
第3幕 動章  〜ワイバーン討伐と新たな仲間〜

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ワイバーン討伐編 2 〜コガラ覚醒と大いなる黒い影の襲来〜



 ワイバーンとの戦闘はイラスト多め!!٩( 'ω' )و

 


「しかし、ルシーヌの末裔は相当肉食よのぅ」


 肩を窄め、そう漏らす神シロが顔を上げた。

 その言葉に黒銀の瞳を揺らすトランザニヤ。


 一方、女神東雲がトランザニヤに寄り添い口を開く。


「思い出してしまうでしょうが……

 わたくしは、親友の彼女が生きていると、未だに信じていますわ!」


 そう言って力強く拳を握る彼女は、瞳を遥か彼方に向けていた。



 


 ーーその頃ゴクトーたちは、

 ハゴネの崖上で、信じ難い数のワイバーンと対峙していた。





 ◇(主人公のゴクトーが語り部をつとめます)◇





「あたいの『爆弾(ダイナマイト)』で、ゴクちゃんの背中は守るわん!」


 「いやいやいやいや」



 必死に言葉を吐き出すも、胸中はそれどころではない。



 あのぅーーパメラさん……?

 鉄壁の防御はありがたいんだけど……

 その『爆弾』を押し付けるのはやめて……

 今は、戦闘中ですけども?


 

 思考を必死に沈め、顔に血が昇る俺を他所に、

 仲間たちは必死にワイバーンと戦い続けている。


 だが俺は戦場のど真ん中で、自分の理性と激闘を繰り広げていた。


 

 低空で飛翔する複数のワイバーン。

 大気を揺るがすような鳴き声とともに、

 羽ばたき、砂塵が舞い上がる。

 小粒の石がぱらぱらと眼下に迫る崖下へと落ちていく。

 その黒い影は頭上を覆い、太陽の陽射しさえ隠していた。


 

 そんな中、ミリネアが一歩前に踏み出す。


「ご主様!ワタクシも【ゴット・スキル】の名に恥じぬようーー!」

「ここは私が!」

「うちも!!」


 ミリネア、アカリ、そしてミーアまで、やる気満々で前線に繰り出す。


 

 先頭のミリネアが【ロカベル】の【結界魔法】を唱える。


「【カイス:°マダコハ・ノシクタワ】!!」


 続けて闇属性の魔法を唱え、しなやかに鞭を振るう。


「【ディアボロス・ウィップ】!」


 "ゴォォォーーーッ༄༅༄༅༄༅”


 鞭が紫色の濠炎を纏い、


 "パシィーーーーーィンッ!”


 ワイバーンを一掃するかのように振るわれた。


 その一撃は鋭く、紫の濠炎が数体のワイバーンを包み込む。



挿絵(By みてみん)



「ギャガギャガググギャ!」

「ギャギャガガガーー!」

「ギャーオギャーン!」


 燃え上がる紫炎に包まれたワイバーンが、

 苦痛に満ちた声を響かせながら墜落していく。




 一方で、ミリネアの鞭の炎から逃げるワイバーンをミーアが矢を番え、

 【ロカベル】の魔法の力を込めた一撃を放つ。


「【イサナ:°ニシ】!」


 "バスッ!”

 "バスッ!”


 放たれる二つの矢は正確無比で、ワイバーンを次々と撃ち抜く。



 挿絵(By みてみん)


 


 湧いてくるように現れるワイバーン。その数は100を超えてくる。

 

 だが次の瞬間、崖の上に颯爽と風が舞い上がる。

 連携を取るアカリが扇子を勢いよく振り翳し、


「風属性舞刀術 五の型ーー【颯闘舞妖(さっとうぶよう)】!」



 風属性の斬撃を捻れるように飛ばす。


 “≶≶≶≶≶≶≶≶≶≶≶≶” 

 "シュ ──── ンッ!”



 鋭い風の刃が複数のワイバーンの体を切り裂き、次々と墜落させていく。


「ギャオーーン!」

「ギャガギャガググギャ!」

「ギャガ─ギャガガガーーーー!」


 アカリはそのまま華麗な動きで、黄金色の輝く【桜刀】ーー

 【黄金桜千貫】を振るい、接近戦でもワイバーンを圧倒した。


 挿絵(By みてみん)


 "バッタ─ンッ”

 "バタン”

 "バッタ─ンッ”……………………。

 

 仲間が協力して次々とワイバーンを撃破していく。


 その戦いぶりは見事という他なく、

 もはや誰もが一騎当千の強さを誇っている。


「凄いな……ミリネア、アカリ、ミーア、いい連携だ!

 みんな凄過ぎるだろッ! 」


 その光景を見ながら俺も気合を入れ直し、ワイバーンの攻撃に備える。


 一方でノビが盾で庇いながらパメラとジュリの身を守る。

 

 逃げ出そうと十数体のワイバーンが空中へ飛び上がろうとしたーーその瞬間。


 桃色の髪を風に靡かせ、ジュリが鋭く詠唱を響かせた。


「燃え盛る火山よ、地の怒りを解き放ち、

 天より降り注ぐ熾熱の礫よ、

 その深淵の炎で敵を焼き尽くせ!!



【ボルケーノ・エクスプロージョン】!!!」



 空から無数の小型隕石が“ゴォォォォォォッ༅༄༅༄༅༄༅༄༅”と轟音をたて、



 "ヒューーンッ!”

 "ヒューーンッ!”

 "ヒューーンッ!”


 紫炎を纏いながら落下し、ワイバーンを正確に狙い撃つ。


 隕石が激しく着弾する度、爆発音とともに炎が巻き起こり、

 ワイバーンは次々と炎に包まれ落ちていく。


 

 “ボボボボボボボボボボ”


 炎を纏ったワイバーンが逃げ惑う中、

 ジュリが冷たく鋭い声で、新たな詠唱を始めた。


「【メイヤード・アイス・ガリガリクン】!!」


 ”*─=≡.。o○❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄→”

 ”*─=≡.。o○❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄→”

 ”*─=≡.。o○❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄→”

 ”*─=≡.。o○❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄→”


 “カカカカカカカカ!”

 “ココココココココココ!”


【氷の魔法矢】がーー正確に炎を纏った複数のワイバーンを射抜き、

 瞬く間に氷漬けにしていく。


 "パァッキィィィン!”


 十数体のワイバーンが動きを止め、崩れ落ちるように絶命した。



挿絵(By みてみん)



 「っえ?ジュリさんや!本気出し過ぎだろッ!

 ……しかも魔力の持続力がエグい。転移魔法使ったばっかりだよな?」


 思わず口から溢れる。

 だが、仲間たちの耳に俺の声など届かない。

 戦況が有利に傾き始めたその時。


「"ピィョョョーーー!!”」


 コガラの小さな体から発せられる鳴き声は、どこか愛嬌がある。

 だがそれだけに、次の瞬間に起こった光景は信じられないものだった。



 コガラの羽が金色に輝き、その体から放たれた光が周囲の空気を一変させる。

 まるで大気そのものが震え、複数のワイバーンの動きが止まった。

 宙空に羽ばたくワイバーンさえ、降下し崖に爪を噛ませる。



「……!」


 

 全員が一瞬固まった。



 やる気なのか? コガラ……。


 

 誰にも届かない俺の内心はさて置き。



 コガラの圧倒的な気迫が、大気そのものと同化し広がっていく。


 "バシュッ!”


 空中に跳び上がるコガラの羽から七色の光が放たれた。

 

 見た目はただの美しい煌めきに過ぎない。

 しかし、その光がワイバーンに触れる度ーー


「グオォォッ!」

「ギャオーー!」

「ギャガギャガググギャ!」

「ギャガーーギャガ!」


 最前列のワイバーンがまるで紙のように消し飛び、岩肌に叩きつけられる。

 次の瞬間、背後にいた複数体もその余波に飲み込まれ、無惨に崩れ落ちた。


挿絵(By みてみん)


 

 次の刹那、空中を飛ぶコガラが念話を飛ばしてきた。


《「あるじーー コガラもやっつけたーー!」》


《「 ああ。 すごいな。コガラ、あとは俺たちに……」》


《「あるじーー!  みててっ!」》



「おいっ!コガラ、待てっ!」


 "シュ ーーーーーーー ンッ!!”  



 俺の制止も聞かずコガラは飛び出し、

 凄まじい速度で複数のワイバーンに向かっていく。



 "ドスドスドスドスドスドスドスドス!”


 コガラの尾がワイバーンの体を次々と突き刺し、

 毒が急速に全身を回っていく。


 紫色に変色したワイバーンは悲鳴を上げながら倒れていった。


 "バッタ─ンッ”

 "バタン”

 "バッタァ─ンッ”………………。


 数体が倒れると、さらに残ったワイバーンにコガラが口から火炎を放つ。


 “ゴォォォォォォッ༄༅༄༅༄༅༄༅༄༅”


 


「ギャオギャン!」

「ギャガ─ギャガガーー!」


 炎に包まれたワイバーンが逃げ惑う中、

 コガラは畳みかけるように氷の息吹を吹きかける。


 

 ”*─=≡.。o○❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄”


 “ココココココココココ!”


 “シャキィィィン!”


 一瞬で凍りつき、動きを止める複数のワイバーン。


 気づけば崖の頂上には、

 コガラが倒した数十体のワイバーンが氷漬けとなっていた。


 仲間たちが倒したものも合わせると50体は超えている。


「嘘でしょ……?」


 ジュリが驚愕の声を漏らす。

 彼女の杖を握る手が僅かに震えている。


「ピ〜ピ〜♬」


 一方で、当のコガラは楽しげに旋回し、

 羽ばたきながら次々と敵を撃破していく。

 その姿はまるで無邪気に遊ぶ小鳥のようだが、

 その光景を目の当たりにした誰もが、

 コガラの凄まじい力に圧倒されていた。



「これが……コガラの、妖精龍の力なの……?」


 ミリネアが感嘆の声を漏らしながら鞭を構え直す。

 

 一瞬でワイバーンの数が激減し、

 生き残った数体が震えながら後退を始めた。

 その様子に気づいたコガラは、

 くるりと体を回転させ、俺の肩に戻ってくる。



「ピ〜ッ!」


 

 嬉しそうに鳴きながら俺の頬を小突く。


「お前、可愛い顔して、やることはエグいな……」


 そう言いながらも、コガラを撫でた。

 小さな体は相変わらず温かく、どこまでも無邪気で頼もしい。


「コガラ、凄いんさ!」

「うちはわかってたけど、それにしても……!」

「コガラちゃん強いにゃ〜!」


 コガラは照れくさそうに声を上げる。


「あるじーー! ミーアちいねぇちゃんと、

 ジュリちいねぇしゃんのまねちたー!」


「コガラ、真似したってレベルじゃないぞ!」


「ピ〜〜♪」


 仲間が褒めそやす中、俺は肩を落とした。


 

 コガラが凄すぎて、俺の出番が消えたじゃないか……

 一応リーダーですけども……?

 パメラの『爆弾』としか……俺、戦ってないッ!



 思いながらもこの戦況を確認する。


「ヨシ! 死体は俺たちで片付けるぞ!」


 仲間たちは気を引き締め、回収の準備を整え始める。


 コガラの無双劇に触発され、既に興奮は最高潮だ。

 全員の目は山積みの死体へと向いていた。


 だが次の瞬間、背中に寒気が走った。


「!!!」


 なんだ? この威圧的な【覇気】は……?


 

 思ったその矢先。


「へんだーーっ! まずいよ、この気配!」


「"ピィーーーーッ!”」


 ジュリが叫ぶのとほぼ同時に、コガラが警戒の鳴き声を上げた。


《「あるじーー おおきいの くるでちゅ!」》


 コガラが震えた念話を飛ばしてくる。


 ジュリの叫びとコガラの反応に仲間も即座に身構える。


 そんな中ーー逃げ去っていくワイバーンとともに、

 目のいいアリーが空を指差し、

 黒い点が徐々に大きくなるのを見つける。


「あれは、黒龍にゃ!!」



 その声は崖上、いやハゴネの山間に木霊したーー。



 挿絵(By みてみん)










 お読みいただき、ありがとうございます。

 引き続き読んでいただければ嬉しいです(๑╹ω╹๑ )



 




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― 新着の感想 ―
おおおおおっ! みんなカッコいい!(*>∀<*) 一度最初から読み返してしまいました! これは盛り上がる! 続きを楽しみにしてますね!
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