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妄想図鑑が世界を変える? 〜異世界トランザニヤ物語〜 #イセトラ    作者: 楓 隆寿
第2幕 転章。  〜魔性のロカベルとハゴネの旅〜

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女神の姪編 2 〜招かざる客人〜



 華ちゃんの特別友情出演エピソード2です♪( ´θ`)ノ








 天上の三柱がゴクトーたちに注目する中ーー

 

「あなたに乗って移動すると早いわね」


「ガァァアーー」


 挿絵(By みてみん)

 

 目的地であるズードリア大陸の中央部に位置する『メデルザード王国』は、

 多種多様な種族の国々に囲まれた地。



 『アドリア公国』側からだと道中は山道で峠をいくつも越えねばならない。


 華が跨るティグルは崖をよじ登り、川を飛び越え、ひたすら走る。



 「見えてきたわね」



 崖の上から見下ろすーー

 その中心街コンラッドには荘厳な『メデルザード城』がそびえ立つ。

 

 その城下街は、近隣の街とは一線を画するいわば大きな都。

 周囲は活気に満ち、長耳の種族ーーエルフ、ドワーフ。

 あるいは獣人や亜人たちで賑わいを見せていた。


 その一角に、堂々たる輝きを放つ重厚感のある巨大な扉には、

 剣と盾のロゴマークが彫り込まれ、どこか威厳と誇りが感じられる、

 冒険者ギルド本部がある。



「間違いにゃい。ペガサスが休んでるにゃ」


 獣人の姿に戻してもらったティグルが特殊スキルーー【千里眼】を使った。


「行きましょう」


 華の言葉にティグルが頷く。



挿絵(By みてみん)


 二人は高さ百メートルはゆうに超える崖から飛び降り、見事に降り立つ。


 彼女の目的はただ一つ。

 伯母である女神東雲に頼まれていたーー

【七つの大罪】のひとり、エリナ・エイマスを尾行することであった。



 ーーその頃、ギルド本部内ではーー。


 

 長いオレンジ色の髪を高く結い上げた女戦士が、

 ギルド本部の重い扉を開いた瞬間、場の空気が張り詰めた。

 


「あの先頭を歩くのは、 Lust(色欲)の【美神(ビーナス)】だろ!」


 一人の冒険者が声を上げた。その声とともに本部内が騒つき始める。


「うわぁ! クラン、GODDESSのメンバーだ」


「うひゃ〜美人揃いときたもんだ!」


「シィーーーー!! 聞こえたらえらい目に遭うわよ」


 その声にも動じずエリナを含め、八人の女戦士がギルド内を闊歩する。


 そして微笑を浮かべ、受付の前に立つエリナ。



挿絵(By みてみん)





「……エリナ・エイマスさん、おかえりなさい……」




 声をかける受付嬢に視線を投げる、彼女のその眼差しは氷のように冷たく、

 まるで「お前に用などない」と言わんばかりだった。


 彼女はアマゾネスの血を引く戦士であり、

 実力と名声は既に各支部を凌駕するほど。


 ギルド本部が選び、任せたレイド(依頼)はワイバーンの調査及び討伐。


「とりあえず、ワイバーンを一頭、仕留めてきたわ。本部長に取り次いで」


 その言葉に受付嬢は息を飲み、「た、ただいま!」と言いながら一目散に本部の階段を駆け上がった。



 


 ***【応接室では】***



 本部の応接室では一人の老人が眉に皺を寄せ腕組みをしていた。

 彼の名は現役を退いたーー『S級冒険者』ハンニバル・スミス。


 ズードリア大陸全域、冒険者ギルドを統括する本部長である。


 ハンニバルは白い髭が長く目立つ、頑固そうな老々爺。


 彼はソファの対面に座る男と話をしていた。


「あの七つの大罪たちが手も足も出せんとは……本当ですかな?ドミナス公爵」


 渋々と零すハンニバルの言葉に頷くその男は、

 青い髪を掻き上げながら口を開く。


「ええ、エルダードワーフの Pride(傲慢)の【雷神(ケラウノス)】ボルト・サンダースさんでしたっけ? 

 名前だけは立派でしたが、ヒドラの毒を頭から浴びてしまいーー

 私の国で今、治療しているところです」


 

 そう言った彼の青い瞳には、

 ハンニバルの特徴的なツルツルに輝くーーその頭が映り込んでいた。

 

 その頭がピカーンと眩く光ったその瞬間、


 コンコンコン…と扉がノックされた。



 深いため息をつき、ハンニバルが「どうぞ」と短く返す。


 ガチャ


 彼の【覇気】に、まるで怯えるようにブルブルと震え出す受付嬢。

 

「おどきなさい」

 

 その冷徹な言葉とともにオレンジの髪が靡いた。


「本部長、ちょっと話があるんだけれど……」


 その刹那、ソファに座るハンニバルの頭がさらに輝きを増した。



「これはこれは、誰かと思えば Lust(色欲)の【美神(ビーナス)】、

 エリナエイマス殿ではないですか? 

 あなたも我が小国、トランザニヤに来てくださると?」


 そう言って含んだ笑みを零すドミナス公爵。


「トランザニヤ? ま、まさか、始祖の一族?」


 上擦った声を絞り出し、動きが止まるエリナ・エイマス。

 一瞬の静寂が応接室を包み込む。


 思考を巡らせるエリナ。


 ここにいるハンニバルも、

 その恐ろしさを肌で感じ取っているはず。

 隔離された国『トランザニヤ』ーー

 未知の地であり、『始祖の一族』がすべる国。 


 『あの辺境の国々に、足を踏み入れたら……二度と戻れないわよ』


 と昔、母が漏らしていた。


 始祖の国『トランザニヤ』。

 正直、どんな国なのか誰も知らない。

 訪れた者は、そのことを語らなくなるから。

 あまりいい話じゃない。


 噂で聞いた記憶が頭をよぎる。


 そんな中、ペタンと頭を叩いたハンニバルが、

 沈黙を破るように口火を切った。


「エリナ、今、わしゃ大事な客人と話中なんじゃ、悪いが後にしてくれんか?」


 その素振りと言葉は、まるでエリナを巻き込みたくないように聞こえた。



 



 ーーその頃天界ではーー。

 

 下界を覗く三柱のひとり、

 姪の華の【覇気】がハゴネ山中から消えたことに気付き、”神託”を下す。



《「華、エリナ・エイマスをちゃんと追っているの?」》


 頭に直接響く美しい声に、華が答える。


《「伯母様、今、大事なところなの、後でそちらに伺うわ」》


 そう言って彼女は、獣人ティグルとともにギルド本部の扉を開いた。



「久しぶりにゃら!」


 獣人のティグルはオレンジの獣毛を靡かせ、またたびの匂いも漂わせる。

 『獣耳(ケモミミ)』はピンと立ち、

 瞳は猫系獣人にしては珍しい青碧色ーー 

 目は垂れ、どこかおっとりとした表情が特徴的。


 だが、そのスタイルはーー『大胆不敵』。


 大きな胸に『赤いぽろん』ーー

 プロテクタータイプ、最新型レースブラトップがちらつく。

 その虎柄の身体とは対比のボインが、冒険者たちを目を釘付けにした。

 


 一方の華は、冒険者たちが息を飲むほど美しく、

 その立ち位振る舞いは凛として、近寄れない雰囲気を醸していた。


 黒地に赤い柄の着物が彼女の長い銀髪、長い耳を際立たせ、

 さらに腰には珍しい刀を佩いていた。


 そして彼女は、ギラリと光る【桜刀・黄金桜大文字】を抜いた。



 挿絵(By みてみん)



「ティグル、鼻を効かせてみなさいーーこの異様な匂い、何かわかる?」


「!!!ーー華しゃん、これは魔族の匂いにゃら!」



 華が抜き放った【桜刀・黄金桜大文字】の刀身が、

 ギルド内の薄暗い照明を反射して黄金色に明滅する。


 その神々しくも鋭利な輝きに、酒を煽っていた荒くれ者たちも、

 獲物を自慢し合っていた冒険者たちも、文字通り石のように固まった。


 一人の冒険者が震える声で叫ぶ。


「……ま、魔族だと!?」



 ティグルの鼻が捉えた”匂い”は、単なる獣のそれではない。

 それは魂を蝕むような、どろりと重い「死と再生」が混じり合った異質な呪詛の残滓だったーー。


「ティグル、上よ。……ネズミが一匹、とんでもないのが、紛れ込んでいるわ」


 彼女から放たれる目に見えない気圧――

【覇気】によって銀髪がふわりと浮き上がる。

 その視線は天井を突き抜け、二階の応接室――

 ハンニバルとドミナス公爵がいる場所を正確に射抜いていた。


「了解にゃら。……でも華しゃん、あっちも気づいたみたいにゃよ?」


 ティグルが不敵に口角を上げた瞬間。


 ――ズ、ゥゥゥゥン……!!


 ギルド本部全体が、底冷えするような巨大な震動に襲われた。

 二階の応接室の扉が、内側から凄まじい衝撃波によって〝消滅〟したのだ。


「ひ、ひぃぃぃっ!」


 階段から転げ落ちてきたのは、先ほどの受付嬢だった。


 腰を抜かし、白目を剥いて震えている。

 その後ろから、ゆっくりと階段の踊り場に姿を現したのは――


「おやおや。せっかく静かに“お誘い”をしていたというのに。

 鼻の利く野良猫と、……神の加護を纏ったーー

 『不届きな姪御さん』がお見えのようだ」


 ドミナス公爵が不気味な靴音を響かせる。

 

 青い髪をなびかせ、その瞳はもはや人間のものではない。

 縦に割れた赤い瞳孔が、妖しく発光している。

 

 彼の背後には、顔面を蒼白にしたエリナ・エイマスが、

 斧の柄に手をかけたまま、金縛りにあったように立ち尽くしていた。


 「エリナ・エイマス! そこをおどきなさい!」


 華の声がギルド内に凛と響き渡る。

 

 二階の奥、壊れた扉の向こう側でーー

 ハンニバルが「やれやれ」と頭をペタンと叩きながら、

 苦笑い混じりに身を起こした。


「……エリナ、だから言ったじゃろう。『大事な客人』と話中だと。

 ……だが、これほど早く『最悪の答え合わせ』が来るとはのぅ」


 ハンニバルの目が、現役S級の鋭さを取り戻す。

 公爵――いや、魔族の男は、華の持つ黄金に輝く刀をじっと見つめ、

 優雅に一礼した。


「【魔王ガーランド】に連なる者として、歓迎しましょう。

 ……さて、どなたから『二度と戻れない国』への切符を受け取りますかな?」


 ティグルが、腰のホルスターから二丁の拳銃を滑らかに引き抜いた。


 カチリ、と撃鉄を起こす音が、静まり返ったギルドに冷たく響く。


「華しゃん、お喋りは終わり。……あいつの眉間に、風穴を開けてもいいかにゃ?」








 




 お読みいただき、ありがとうございます。


 このエピソードは仲良くしていただいております、

『桃源 華』様をモデルにしたーー彼女に特別友情出演していただきました。


 Xアカウント @hana_tougen  @Tougen87  


 華ちゃんはカクヨム、アルファポリスサイトで人気のファンタジーも掲載してます。


 https://kakuyomu.jp/users/tougen_hana

 https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/817268736




 華ちゃんありがとう♪( ´θ`)ノ 


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 引き続きよろしくお願いします(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾





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― 新着の感想 ―
華さんの登場で空気が一気に張り詰めて、ギルド本部の緊張感がさらに増した回でした。 ラストの展開も強くて、続きが気になります(^^♪
華さん、相変わらずカッコいい!(*´▽`*) 物語もどんどん動いてますね! 先が楽しみです! 応援してますね!(p`・ω・´q)
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