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妄想図鑑が世界を変える? 〜異世界トランザニヤ物語〜 #イセトラ    作者: 楓 隆寿
第2幕 転章。  〜魔性のロカベルとハゴネの旅〜

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『ロカベルの魔法薬材と薬店』編 6 〜長女の意外な一面〜  

 *前回までのあらすじ*


 ゴクトーは魔族との戦闘を終え、キヌギス砦を奪還した。

 宿屋帰巣の女将の夫ーーアザック騎士団長救出に見事成功する。

 

 彼を連れジュリの転移魔法でビヨンド村に帰ってきた。


 そして、空腹を訴える仲間たちとともに、【ロカベルの魔法薬材と薬店】にお邪魔することに。


 食事の前に、シャワーを浴びようとゴクトーはドアを開けた。

 そこには彫刻のような美しいエルフの姿があった。


 導かれし者ーー【ロカベル】姉妹たちの長女ミリネアとーー運命の出会いを果たす。

 


 




 天上の三柱はニヤニヤしながら地上を眺めていた。


「ゴクトーのやつ、呑気にシャワーなんか浴びて、いい気なもんだ」


 黒銀の目の友こと、トランザニヤが唇を尖らす。


「はっはっはっはっはっ!出会いは成された、あとは”さだめ”のままにじゃ」


 神シロは、桃色の髪を靡かせながら声を大にして笑っていた。


「良かったですわね、運命の糸が紡がれた瞬間ですわね」


 神シロの妻、女神東雲もつぶやきながら、瞳を輝かせていた。


 神々は揃いも揃って、口元を緩ませ下界を眺めた。




 その頃ーーゴクトーは『ロカベルの魔法薬材と薬店』の二階。

 シャワーを浴びた直後だった。





 ◇(主人公のゴクトーが語り部をつとめます)◇




 トントントン


 ドアを軽くノックすると、

 内側からミーアの柔らかな声が返ってきた。



「どうぞ…あ、早い……リーダー、その服……凄く似合う……」


 扉が開き、顔を上げたミーアの頬が朱らむ。

 言葉を選ぶようなその声には、少し照れが滲んでいた。


 

 彼女は一旦目を伏せ、チラリとこちらを見つめて笑う。

 その柔らかい表情に思わずドキっとさせられた。


 ミーアとともに足を踏み入れる。


 アカリがソファから立ち上がり、

 目を細めて「ダー様……素敵」と、小さな声でつぶやく。


 その顔には、彼女らしい落ち着きの中にも、

 どこか照れた様子が見て取れる。

 珍しい感じのリアクションに、目を逸らしてしまった。


 

 あのアカリの色気はヤバイな。

 いつもの感じとはまた違う。



 そんな胸中の俺に、ジュリはどこか照れた様子で短く投げる。


「へんダー、似合うよー!」と、

 彼女もまた顔を朱らめながら明るい笑みを浮かべた。


 他方、勢いよく飛びついてくるモフモフ。


 「似合うにゃ!」と、アリーは純粋な喜びを全身で表すように、

 ピョンピョンと跳ねていた。


 その無邪気さにつられて、自然と口元が緩んでしまう。




 「そうかな……自分じゃよくわからないけど……ありがとう」


 

 褒められ慣れていない俺は、

 照れくささを感じながら、

 心のどこかでくすぐったいような温かさを覚えていた。


 視線を反らしそうになりつつも、

 彼女たちの笑顔に引き止められる。


 


 それはほんのちょっと前のこと。


 俺はミーアの部屋に入る直前に、

 ユニットバスの鏡の前で自分の姿を確認。

 黒のシャツに鋲のついた襟。

 重厚感のある黒いレザーベストと、動きやすい黒のジーンズ。

 頭にはテンガロンハットを被って、

「まるで漆黒の夜を彷徨う『鴉』のような姿だが、悪くない」と、

 まんざらでもなかった。

 

 

 この服は彼女たちから贈られたものーー

 初めて鏡で見たときは、自身似合っているのか不安だった。


 それでも、今こうして、

 みんなの反応を目の当たりにすると、少しずつ自信が湧いてくる。


 これ……似合ってるのか?

 いっそのこと、もう1セット買っておこうか……。


 俺は褒められ慣れていない。

 これまでの人生で、驚かれたり、叱られることは多かった。

 

 唯一師匠にだけはーー


『全属性の魔法が使えるなんて、

 まるで人柱ーートランザニヤの生まれ変わりじゃないのか? 

 無自覚なお前の唯一の取り柄だ。ここは褒めるべきだろう。

 自信を持っていいぞ!はっはははは』


 変な笑い方しながら頭を優しく撫でてくれた。


 俺は師匠の顔が頭に浮かび、

 寂寥感(せきりょうかん)が心を満たした。


 

 師匠、あなたは突然いなくなった。

 けれど今は、こんなにも優しい仲間たちと過ごしていますよ。

 捩れに呑まれたあなたを必ず探し出して見せますーー

 待っててください、師匠!



 思いながら顔を上げると、全員がこちらを見つめて微笑んでいる。

 その笑顔に癒され安らぎが胸に広がっていく。


 刻を置かずして、寂寥感(せきりょうかん)は俺の心から消えていった。


 

 アカリの一言が和やかな雰囲気に拍車をかける。


「食べましょうか」



 食事の準備が全て整い、テーブルの上には様々な料理が並べられていた。

『鶏ももの燻製』と『ブロッコリ』の炒め物は、

 香ばしい香りが漂い食欲をそそる。


 『ポタフ』と呼ばれるスープの中には、

 キャベツ、ニンジン、ジャガイモ、それに乾燥腸詰や干し肉が溶け込み、

 じっくり煮込まれた温かみのある彩りが目に優しい。

 


 さらに、焼きたての調理パン、

 薄い干し肉と野菜を"挟んだ”サンドイッチがきれいに盛り付けられていた。

 どの料理も、心を込めて作られたことが、ひと目でわかるものばかり。


 「挟んで差し上げますわ」


 アカリの一言にドキッとした。

 思わず胸に手を当て『鼓動』を鎮める。


 

 一瞬、俺の脳裏をよぎる記憶。

 

 挟むか……。

 アカリのトドメの魔法ーー"パカックス”を思い出す。


 胸中思うが口にはしない。

 

「いただくよ」


 アカリの艶っぽい仕草と料理の芳醇な匂いにつられ、声が漏れた。



 瞬間、タイミングよく腹が鳴る音。


 “ぐううぅぅ”と響いた音に、

 ジュリが一瞬目を見開き、顔を朱く染めそっぽを向いた。

 

 ジュリの腹の虫はなんて名だ? 

 俺のぐうさんに匹敵するぞっ!

 随分と食欲旺盛だな……。


 ツッコミを心中で沈める中、

 ふとミーアが俺の顔を覗き込み、優しい声色でつぶやく。


「何か考え事? リーダー……? 食べようよ」


 その穏やかな言葉に導かれるように、俺は席に着いた。



 「いや、そうだな……食べよう」


 その言葉が合図のように、全員でテーブルを囲み、

 瞼を閉じ祈りを捧げ、手を合わせ声を揃える。



 「「「「「 いただきます!!!」」」」」


 

 その瞬間、部屋は笑顔と温かさで満たされていった。


 食事が進む中、心地良い静けさが一瞬流れたーーその時。


 コンコンと軽やかなノック音。


 ガチャッ


 扉が開かれたその瞬間、俺は度肝を抜かれた。


 時間が止まったかのようにしばらくの間、魔性の長女が部屋を制した。


 正装した長女の登場に、みんな一斉に視線を向ける。



 美しい編み込みの緑碧色の髪は、部屋に入った瞬間ふわっと揺れる。

 

 その髪からは控えめながらも気品のある香りが漂い、

 肩越しに長く流れる髪の一房一房が、

 光を受け淡い緑碧の輝きを放つ。


 ゴクリ


 思わず固唾を呑む。


 スッと白い指で黒縁眼鏡を掛け直す仕草が、

 どこか知性を感じさせる。

 それは単なる実用品ではなく、

 彼女の雰囲気に溶け込み、知性的な一面をさらに引き立てていた。


 こちらをじっと見る碧色の瞳は深く澄み、

 まるで彼女の心そのものが映し出されているかのよう。

 その眼差しには、見る者を惹きつける神秘的な力と、

 静かな中にもどこか、知的で鋭い輝きが宿っているようにも感じる。



「綺麗にゃ」


 アリーの一言が全てを物語っていた。


 長女が翻す群青色のドレスは、大胆かつ上品なデザイン。

 胸元が深く切り込まれ、

 まるで小玉スイカのような二つの果実が揺れていた。

 スタイルは彫刻のように美しく、その存在感はまさに女神級。


 「きれ〜!」


 ジュリが漏らした。


 歩を進めるたび、金の首飾りが優雅に揺れ輝き、

 彼女の神聖さと色気の絶妙なバランスを際立たせる。

 さらに、短丈ドレスの裾から美脚も大胆に見せている。

 

 まさに『完璧』という言葉を体現しているようで、

 仲間たちも言葉に詰まっているようだ。


 ただ固唾を飲むアカリの表情を窺えば、一目瞭然だ。

 

 微笑む長女は金の耳ピアスを揺らし、

 首飾りの輝きと呼応するように煌めかせる。


 その装いは細部まで計算され尽くしており、

 彼女の美しさを最大限に引き出していた。


 その姿を目にした瞬間、俺の心に浮かんだのは、

 やはり姉妹だな……と、いう納得した言葉。

 

 ミーアやミンシアと共通する部分を感じるが、

 それと同時に、長女だけが持つーー

 圧倒的な個性と知性、美しさが際立っている。

 背丈の高さは二人の中間程だろうか。

 

 それでも、その佇まいは誰よりも堂々としており、

 彼女がそこにいるだけで、異次元に来たのかと錯覚してしまう。


「ミリネア姉様……お席はこちらです」


 末妹のミーアが控えめな仕草で、

 テーブルの一角を示しながら、料理が並べられた皿を指さす。


 長女ミリネアは優雅に頷くと、

 黒縁眼鏡を指先で少し持ち上げながら、俺の隣に静かに腰を下ろした。

 その仕草一つ一つに、気品と洗練された女性らしさが滲み出ている。



 「ありがとう、ミーア……。皆様、先程は失礼いたしました。

 改めまして。ロカベル家の長女、ミリネアと申します」


 その声は柔らかく、けれど芯のある響きを持ち、

 言葉の端々から彼女の教養の高さが窺えた。


「少し人見知りな妹ですが、

 どうぞ……温かく見守ってやってくださいませ」


 彼女の笑顔にはどこか母性的な包容力があり、

 ミリネアがその場の空気を一瞬にして和ませる。


「アカリ・ミシロと申します」

「ジュリ・ミシロです!」

「アリー・ココロにゃ!」


 それぞれが順番に自己紹介をする度、

 ミリネアは微笑みながら耳を傾けていた。


 ……アリーって、ココロって言うのか。

 知らなかったんですけども……。


 思わず胸中でつぶやく。

 だが次の瞬間、口が勝手に滑った。


「ゴクトーにゃ」


 「「「「「「っえ!?」」」」」」


 俺の言葉が響いた瞬間、アリーは涙を浮かべながら、

 

「ぁははっ! ゴクトーにゃって、何にゃ!」と。


 彼女は笑い転げる。

 

「”ハッ”」 


 また、やっちまった……。

 アリーの名前を考えてたら、つい引っ張られたんだ……。

 俺のバカッ!!


 思わず頭を抱えた。

 

 そんな俺を他所に、漂う場の緊張感はやんわりとほぐれていった。

 アカリやジュリもクスッと笑い、アリーは涙目で腹を抱えている。

 ミーアとミリネアさえも、口元を緩めていた。


 

 そんな中、ミリネアが興味深そうにアカリに尋ねた。


「あなたがリーダーですか?」


「いえ、お隣の……ダー様がリーダーです」


 アカリが頬を染め少し恥ずかしそうに答える。

 

 その瞬間、ミリネアの艶やかな唇から紡がれた。


「あら、そうなのね。リーダーには見えない感じだけど……」


 その言葉に再び笑いが起こり、顔は火照り、耳まで赤くなっていく。

 ミリネアが目を細めて笑う。


「ふふふん……可愛らしいわね、ゴクトーにゃ♡」



 ミンシアと笑い方、そっくりだな……。


 薬師のミンシアが頭に浮かんだ。

 彼女は1階で薬屋を経営している。

 多分、今は接客中か、調合中だろう。

 この場に彼女がいたらと思うと、背中にブルっとした寒さを感じる。


 疲労と恥ずかしさ、馬鹿にされているような発言で精神はさらにズタズタ。

 考えている暇などないのだが。

 

 そんな状況の中ーー

 場の空気をガラッと変える一言がミリネアの口から飛び出す。

 

「さっきは、気づかなかったけど……あなた、なかなかの美形ですわね」


 彼女の言葉に心臓が一瞬跳ねた。

 思わず胸の『江戸っ子鼓動』をグッと押さえる。


 「鼓動、出るな」と、ハラハラしながら内心でつぶやく。

 そんな俺の思いを知ってか知らずか、ミリネアがグイグイ言葉を並べる。


「ワタクシ、こういうタイプ……結構、好きですの。

 人を惹きつける【覇気】、

 それとは別の……滾る”血”と運命を感じますわ」


 彼女の声は柔らかい、

 しかしその根底にはどこか宿命的な響きさえ感じる。

 

 言い終えたその瞬間、

 金色の魔力(マナ)がミリネアの身体を包み込んでいた。

 

 しかし、仲間たちは誰一人として、気づいてはいない。

 

 どこか懐かしい輝きと温かさに俺は妙に惹かれた。


 

 一方アカリ、ジュリ、アリーはミリネアの発言に目を丸くしたまま。

 ミーアだけは気まずそうに俯き、もじもじと身体を揺らす。 


 次の瞬間、ミリネアがまるで猫がじゃれるように、

 指先で肩の生地をつまんで軽く引き、俺に声をかけた。


「この服、とってもお似合いですわ。ミーアが選んだの?」


「い、いや……」


「ふふ、そう……選んだ方は良いセンスをお持ちですのね。

 ……もっと近くで見ても? ……やっぱり、素敵」


 彼女がさらに顔を近づける。

 群青色のドレスから小玉スイカが覗くたび、

 理性がぐらつく。


 ヤバイ……。

 ナンダ、コノ、ハカイリョク……。


 思わずカタカナになるぐらい、動揺が頂きを越えていく。


 その瞬間、ミリネアがふわりと身を寄せ、

 彼女の香りが鼻先をかすめた。

 

 甘さの中にスパイスのような辛みが混ざった、

 独特だが良い香りが脳を刺激する。


 その香りに誘発されたのか、急激な眩暈に襲われた。

 目の前がじんわり霞み、焦点が定まらなくなっていく。

 頭には血が昇り、意識が揺らぐ。

 そして、カチリーー俺は自分の”癖”の世界に入っていった。




 【妄想スイッチ:オン】

  

 ──ここから妄想です──


 

 金色のミリネアの魔力(マナ)に導かれるようにしてーー

 グリモア、妄想図鑑のページが開いた。

 

 そこから現れたのはーーもち丸によく似ているが非なる妖精。

 真っ青の身体に、スライムのような肌感とツヤ、つぶらな瞳。

 まるで映画館から飛びだしてきたような姿に、図鑑から『鼓動』の声がする。


「そりゃアバター!ですよ、旦那!こっちは違いますから!」


 「我はこの特大峡谷の長、ルーブルン。導かれし者。

 あなたの未来……もっと見ていたくなりますわ」


 ルーブルンが"ブルンブルン”と身体を揺らす。


 「なんと!」


 ”死線”は磁石につく砂鉄のように、

 どうしてもそこに引き寄せられてしまう。

 

 ルーブルンがさらに勢いよく弾む。

 

 神聖さを兼ね備えた、不思議な美しさに”死線”は魅了された。


 【妄想スイッチ:オフ】


 ──現実に戻りました──


 

「ルーブルンの【ユラシ・ユラシ】の呪文にかかった。

 なんとも、情けないがーー二つの小玉に挟まれ動けん。主よ!」


 ”死線”が"打たれた杭のように”なったーー。


「旦那! ここはあっしが!」


 『赤絹・シタギ』がルーブルンの首元をヒョイと掴んで、


「ルーブルン、行きやすよ!」と。


 嫌がるルーブルンと『妄想図鑑』に、吸い込まれるように消えていった。



 俺は我に帰り、意識を戻した。


「『シタギ』、 助かったぜ。 

 ルーブルン? ”死線”を釘付けってーー

 ……こりゃまた、すごい新人が現れたぜ……」


 極小だが声が漏れた。


 その瞬間、熱い息が耳にかかった。


 「何をぶつぶつ?」


 ミリネアの顔がさらに近づく。

 その息遣いに思わず喉奥が音を響かせる。

 

 現実はミリネアの小悪魔的な微笑みに、さらに困惑と緊張を極めていた。

 胸中、計れないほどの羞恥が波紋を広げているのは事実。


 そんな俺の葛藤などお構いなしに、

 ミリネアの一言が場の空気を柔らかくした。


「さ、食事を冷めないうちにいただきましょう」


 彼女の穏やかな口調が全員の緊張を緩めた。

 

 だが、惟然俺は窮地に立たされている。

 

 この距離感を和ませる救世主ーーミーアが困惑した表情で零す。


「姉様、あんまりからかっちゃダメですよ……」


 彼女はどこか含んだ笑みを浮かべた。


 すると、ミリネアは「まぁ」と目を細めミーアに返す。


「揶揄っているつもりはありませんわ。

 ただ、正直に感じたことを申し上げただけ。ね、ゴクトーにゃ♡」


「うっ……あ、ああ……」


 気もそぞろ、声が喉に詰まった。

 

 全員の視線が俺に集中、またも笑いが弾ける。

 

 恥ずかしさのあまりーー

 サンドイッチを一つ手に取り、むしゃむしゃと口に押し込んだ。


 ああ……この姉妹、

 揃いも揃って、魔性だ……。


(ったく、何よ、美人でスタイルが良いからって、その狼狽えっぷりは……)


 思考を沈める中、ジュリの想いが俺に伝わる。

 彼女がまるで怒りをぶつけるように細目でじとりと睨む。

 

 このスキルを呪ってしまう。


 場の空気は一瞬張り詰めるーーだがその緊張を打ち破るように

 アリーが平然とスープを飲み干し、静かにコト…と皿を置いた。


「お代わりにゃ」


 その何気ない言葉に、俺は心中で深く感謝した。


 アリー、すまない。

 場の空気を読んでくれて本当に助かる……。


 思いながらアリーの頭を優しく撫でた。

 すると、彼女は猫のように目を細め、気持ち良さそうに喉を鳴らす。


 気遣いが顔に出たミーアがスープを注ごうと立ち上がったーーその瞬間。


 脇から顔をしかめたアカリが不服そうな声を上げたーー。


 「私がやりますわ!!」


 














 


 お読みいただき、ありがとうございます。

 


「気に入っていただけたら、ブックマークをお願いしますわ!!」

 

 挿絵(By みてみん)

(*ミリネアの独白)



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引き続きよろしくお願いいたします。


 





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