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妄想図鑑が世界を変える?【異世界トランザニヤ物語】  #イセトラ    作者: 楓 隆寿
第1幕 肉食女子編。 〜明かされていく妄想と真実〜

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113/131

*【作中補足】『キヌギス砦編』





【本文より抜粋】


 ようやく目的地『キヌギス砦』の真上に到達した。


 砦の上空には雲ひとつなかったが、

 黒ずんだ屋根と石畳が薄闇に沈んでいた。


 キヌギス砦の星形の堀は、月明かりが反射してカルデラのように輝く。

 周囲の木々には*夜光蟲が神秘的な色彩を放っていた。


 だが、虫たちの動きは鈍く、翅音(はおと)すら聞こえない。


 堀の中には奇妙な植物が生い茂り、

 葉の間から小さな妖精たちが顔を覗かせる。

 

 妖精たちは砦を守る守護者のようだが、

 どこか彷徨うように飛び回り、時折チラチラと砦の中を覗いていた。

 

 周囲の壁は【防御魔法】に包まれ、

 監視役の青い光の球体が浮遊していた。

 まるで暗黒の呪文をいつでも唱えられるかのよう。

 薄気味が悪い。

 

 キヌギス砦の尖塔は、天然の要塞のような威厳を放ち、

 懐疑的な悲鳴でも聞こえてくるように天高くそびえる。


 挿絵(By みてみん)

(*キヌギス砦全容)



 ***


 

 ゴルバの左手首を狙い、無言で【桜刀・黄金桜一文字】を居抜く。


 "シュン”


 放たれた一閃。 刃が抜かれる音が静寂をも斬りつけた。


 ドッバァァァァァッ! 


 挿絵(By みてみん)


 【桜刀・黄金桜一文字】が白く輝き、巨軀の左手首を肉ごと断ち切った。



 

 ***


 

「このゴミ虫どもめ……俺様に本気を出させるとはなぁ……これは滅多にお目にかかれぬぞ……」

 

 ゴゴゴゴゴ……


 ゴルバは全身に凄まじい力を込め、その怒りを爆発させた。


「……?」


 巨軀を震わせ全身に漲る【覇気】を高める。

 毒々しい、いや禍々しい、と言った方が正解だろう。

 漆黒の闇が周囲を汚染し始める。


 いや、これは違う。 リンクスが放ったような【邪気】だ。


 そう思ったーー瞬間、周囲の大気が歪み始めた。

 それは俺たちの想像を遥かに凌ぐ、新たな戦いの前触れと危険を孕む予兆に過ぎなかった。


 そんな不安を抱える俺を他所に、ふらつきながらもゴルバは口を開く。


「冥土の土産に、しっかりと目に焼き付けておけーー!!」


 その怒声が砦内に響いたその瞬間ーー怪しげな何かが渦を巻き、彼の身体を包み込んだ。それは見る者の心を締め付けるような圧迫感を放つ。

 

 胸が引き裂かれるような感覚とともに、その渦はさらに加速していく。


 ーー渦は次第に深い闇へと変貌を遂げた。


 皮膚がドス黒く変色し、まるで古代の呪詛に染まったかのような陰影を纏い始めるゴルバ。

 

 その黒い膜が硬質な鱗へと変わっていく様は、さながら生き物のよう。

 それがゴルバの全身を覆い尽くしていく。

 浮かび上がる鱗は金色に光を反射し、どこかドラゴンを彷彿とさせる威厳と重厚感を備えていた。


 挿絵(By みてみん)

(*変貌を遂げたゴルバのイラスト)



 ***

 


 【妄想スイッチ:オン】


『江戸っ子鼓動』がニヤッとした口を歪め、『妄想図鑑』を俺に投げた。

 

 その瞬間、無意識に詠唱が漏れ出す。


「我が想、血肉となれ。虚ろの中の幻、今ここに宿れーー顕現せよ!《具現想霊》青銅のトライアングル!!」


 『妄想図鑑』がパラパラと乾いた音を立てながら、自ら意志を持ったようにページが開く。


「魔族には我の力を……」


 その言葉とともに、青銅のトライアングルが姿を現す。

 

 踏み出すたび、青銅の装甲が擦れーーガシャガシャとした金属音を響かせる。

 松明に照らされる獣のようなフォルム。


 トライアングルは敵を見据え身構えた。 

 頭部が一瞬閃き、研ぎ澄まされた鋭利な*スパイクを際立たせる。


 【妄想スイッチ:オフ】



 青銅のトライアングルが唱えた。


「【トライ・ピアス】!!」


 三方向からの貫通攻撃を連続で放つ。

 凄まじい金色の光りとともに、目も眩むような雷ビームの攻撃がゴルバに放たれた。


 バシュン バシュン バシュン


 黒い鮮血がその場に膝つくゴルバの顔を歪ませる。





──────────────────



 

 ◾️作中補足◾️『妄想図鑑 』No.06:青銅のトライアングル(セイドウ・ノ・トライアングル)をご覧ください。(EP52参照)


 挿絵(By みてみん)

(*青銅のトライアングルのイラスト)



  *スパイクーー尖った三又の角。

 


 * 夜光蟲ーー体長は手のひらに乗るぐらい。

 黒い外殻に複数の目のような紋様があり、

 赤・黄・緑・白・橙色に光る。

 高地の森に住む昆虫種の魔物。


 挿絵(By みてみん)

(*夜光蟲のイラスト)


 *『万能巾着』ーー所持者が持ち運べる「巾着」。収納魔導具。

 現実より高度な魔法的性質を持つことが多い。

 小さく見えるが、内部は広さが現実の体積を超える。

 いわば「空間の歪み」を利用した超小型の亜空間。


 所持者が巾着を開閉するだけで、内部の収納物を取り出したり、追加でしまえたりできる。食料などは傷まず、そのままの状態で維持できる。

 

 『アイテムボックス』ーー『万能巾着』と同等な機能を果たす。



 *ハルバードーー 斧部と鉤部を先端の左右に、頂端に槍部を備えている。

 標準的なハルバードの穂先は3点。 ごく稀に三又の鉾と似たような扱いを受けるが、ハルバードを思いのまま操るのは格段に難しいとされる。


 挿絵(By みてみん)

(*魔族化したゴルバが、ハルバードを構えるイラスト)




 *余談*


 「【ンラシカイ:°キオオ・ノチウ】」


 「【イサナ:°ニシ】!」


 ミーアの詠唱のセリフを逆から読むとーー。





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