◆作中補足◆『妄想図鑑』 No.013:voing(ヴォイング)
視界が白熱し、無数のコードと記号が虚空に浮かぶ。
まるで古代文明のプログラムが再起動するかのように、
図鑑の文字は変換され、俺の脳に直接意味を刻み込む。
重力も時間もあいまいになり、ただひとつの真実だけが突きつけられるーー。
「これは妄想じゃない。だが現実でもない」
■ No.013:voing
■ 分類名
飛行性魔喰種・条紋鯨鮫型
■発動条件
「逃げ場を求める強迫衝動」と
「空を喰らう幻想」を同時に抱いたとき、発生。
■通称 「縞々の空食い」、「笑う飛翔鮫」、
「虚空の声」とも呼ばれている。
■ 外見特徴
黒と鮮烈な桃色の縞模様を全身に纏う異形の飛行鮫。
巨大な黄金の瞳孔は、飛行中つねに獲物を探してきょろきょろ動く。
背びれ・胸びれ・尾びれはジェット噴流を生み出し、時速1000キロを超える速度で峡谷や天空を縦断。
開いた口には「空間そのもの」を噛み砕くとされる無数の鋭い歯。
背後に白い軌跡を引きながら飛行する姿は、見る者に「空が裂ける音」を連想させる。
(*天空を縦横無尽に駆ける、条紋飛翔型の怪奇存在)
■ 性格・振る舞い
感情を持たないはずだが、笑うように大口を開け、楽しげに空を舞う。
ゴクトーの精神状態に反応し、「逃避欲求」が強いほど速度を増す。
獲物を捕らえるより、主を乗せて逃げ切ることに執着する傾向がある。
ただし気まぐれで急旋回や急降下を行い、搭乗者を振り落としかける危険も。
■ 神代魔法との関連
■ 発動サイン【空裂声翔】
神シロの古き伝承において「声で空を割り、翼無き者を運ぶ存在」として言及。一部伝承では「失われた空鯨の末裔」ともされている。
■ スキル構成
【スカイ・バイト】
空間を噛み千切り、瞬間的に転移孔を生じさせる。
【ストライプ・カモフラージュ】
縞模様が周囲の空や雲に溶け込み、視認困難になる。
【ソニック・ブームダッシュ】
超音速突進で、峡谷や塔を一気に駆け抜ける。
【ヴォイド・ハウル】
叫び声が衝撃波となり、魔物や兵を空から落とす。
【キャリー・ライド】
選ばれた者を背に乗せ、どんな嵐の中でも運ぶ守護行動。
■ 備考
江戸っ子鼓動はこの存在を「空想界の悪夢タクシー」と表現。
ゴクトー曰く「落ち着けよ!縞模様!!」と叫んでも止まらなかったという逸話あり。
妄想界ではまれに「群れ」で現れるが、そのとき空は縞模様で埋め尽くされ、地上からは日食のように見える。
■ 図鑑メモ
「……逃げ場がないとき、人は空を夢見る。
でも、あんなのに乗せられて飛ばされるくらいなら……歩いた方がマシかもしれねえ」
ーーゴクトー(峡谷の縞模様を見上げながら)
「我の名はヴォイング!」
ページを閉じた瞬間、静寂が訪れた。
だが、その声と余韻は、しばらく脳内から消えなかったーー。
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