第六話・混乱
俺は絶賛、長髪の少女に襲われている
何言ってんだこいつって思っただろう?
俺だって同じこと言われたらそう思う
今身に起きているのに理解できないことが聞いて理解できるわけがない
百聞は一見に如かずとか言ったやつを殴りたい気分だが……
今はそれどころではない
一対一でも勝てるか怪しいのに一体七では勝ち目なんてない
人形の方が圧倒的に俺より早い
人形が俺の左足に触れた途端に視界がガクンと揺れ、俺は倒れた
足はさっきまでの右腕と同じように脱力していて力が入らない
人形があと数cmで届く距離まで迫っていた
生きていて初めて死を感じた
人間死ぬときはあっさり死ぬものだ、俺はもうどうなっていいやと思い目を閉じた
死んだ先には何があるのだろうか?
転生は本当に存在するのだろうか?
天国や地獄は存在するのだろうか?
もし存在したら俺は天国には行けないだろうな
落下しているような感覚がする
死んだのかな?
そんなことを考えていると突然衝撃が加わった
──砂の味がする
何が起こった?周りはどうなっている?
確認したいがさっきの衝撃で目に砂が入った……
すげー痛い
瞼を上げるが眩しくてよく見えない、がやっと周りが見えた
目の前にはさっき襲ってきた少女
見上げれば日傘をさしているお姉さんが見える
「べリスちゃん、この人眠らせて
あと殺しちゃダメよ」
少女は少し不服そうだがゆっくり一体の人形を向かわせた
人形が俺に触れた途端に俺の意識は切れた
書きながら読みにくいなーと思っていたのでまたどこかで別視点からで書きたいと思います