第三話・図書館
俺の目が覚めたのは夜が明ける頃だった
あの時確かに何かに飲み込まれるようなそんな感覚がした
俺は体を起き上がらせようとした
とたんに全身に稲妻のように激痛が走った
激痛に耐え体を上げた
「……は?」
そこにはゴブリンの残骸の山ができていた
「これ……全部俺が?」
剣は鞘に戻っている
もしかしたらこの剣は普通の剣ではないのかもしれない
俺は報酬を受け取り街に戻ってきた
街を歩いているとやはり冷たい視線を感じる
それはここ数日も感じていた
が今日はなにか──違う視線を感じる
差別や軽蔑の目じゃない
その逆の視線に感じる
だが今はそんなことはどうでもいい
とにかく体中が痛いし眠い
今日は宿で休んで終わった
翌朝
体は全快──とまではいかないがかなり楽になった
俺はゆっくり休むよりも体を動かしたほうが楽だ
だから行先もないが街を歩いている
今の俺は帰る場所もお金も収入もない……
俺は仕事を探しながらこの世界について色々調べることにした
まず俺が寄ったのは図書館だ
俺は目を見開いた
なぜなら本棚が完全に浮いているからだ
俺はどうすればよいのかがわからず立ちすくんでいた
すると誰かが声をかけてきた
「お困りですか?お客様」
振り向く、おそらくこの図書館の職員なのだろう
地味な茶色い制服を着ている
「ちょっと歴史について知りたくて」
「歴史についてですね、ではこの本棚ですね」
職員さんが指をさしている方を見る
一連の本棚がこちらに向かって下りてきた
「またお困りごとがございましたらお呼びください」
そう言いどこかに歩いて行ってしまった
俺は本棚の本を一冊一冊確認した
『魔法使いの勇者と魔剣』
という本が目に入った
俺は何かに引き込まれるように本を取った
今回も最後まで見ていただきすっごい感謝です
今のところは週一投稿を続けようと思ってます
では次回