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会話

「なに、転移が使えんくともわしが居れば危険は無い」


 そう胸を張るリカの言葉を信じて、俺とリカは4層の探索を協力して行うことにした。確かにさっきから出くわす魔物すべて、「<重力操作(グラヴィティ)>」の一言で瞬く間にひねり潰しているあたり、このリカの発言は事実だと思う。


 だから、俺はもう魔物への相手は全て彼女に任せて気を抜いて歩いていた。ダンジョンに囚われてかなり時間が経つが、これほど心穏やかな時間は無かった。


「さっき言ってたけど好奇心で来た……ってことは、俺を捕まえて利用する気はないのか?」

「そうじゃな、わしは魔王を……あっ<重力操作>、わしは魔王を必ずしも討ち滅ぼさなければならない敵とも考えとらんからの」


 事も無げにそう言ってみせるリカに俺は少し驚いた。なるほど、やはり魔道国は他の国とは相当違う価値観を持っているらしい。


 聞けば、魔道国は[転生者の篝火]が新たに誕生したことも、魔王の誕生が正式に発表されたことも、裏迷宮の存在も知らなかったらしい。転生者が作った研究者だけの国、というイロモノ国家ゆえに疎外されていたんだろう。


「実際、他国が裏でなにか隠しておることは察しておったし、長年暴こうとはしてたんじゃがの。まさかこんな迷宮があるとは、それに」

「デッドウルフ、か」


 <鑑定(アプレーザル)>でも種族名しか表示されなかったあの魔物、鑑定妨害は間違いなく人為的なものだ。


「うむ。恐らくだが、あれは教国の加護じゃろう。元よりデッドウルフは生態に謎が多い、どうやって階層間を移動しているのか、とか何を食っているのか、とか。人工的に作られた魔物、も考えれば全て納得が行く」


 『教国には気をつけたほうがいい』、ここであの時のアラクネの発言がきいてくるわけか。


「百年前の戦いでは[転生者の篝火]のことは知っていたのか?」

「あぁ、わしも共和国派の一員だったからの。……あ、<重力操作>っと……とは言っても、出発の日に顔を合わせたぐらいだが」


 視認か接触か、それとも意識の問題なのか。俺が知りたいのは[転生者の篝火]が発動するようになる条件なんだが、やはりそう簡単には分からないか。


 と、急にリカは立ち止まり、彼女に守ってもらうためにすぐ後ろを歩いていた俺はぶつかってしまう。


「あっ、すまな」

「さて、頂上種だ。裏迷宮4層の生態系の頂点、俄然興味が湧くな」


 俺の謝罪を遮って、リカが真っ直ぐ指を前に出す。

 その先には、鉱石によって形づくられたような魔人が佇んでいた。

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