12.本屋さん
大樹は本屋の前に木嵜に同意を求めてこようと、アルマーニを着込んで外に出た。
「大樹さん、お出かけですか……まあ、まあ、まあ!」
大樹のびしり! とした姿にアイ子さんは絶句してしまった。
(こんな男性が独り身で……しかもこんなにご近所で……)
すっかり昌の存在を忘れたアイ子さんは大変な結論に達してしまう。
(天啓だわ! 私ももうすぐ独り身……あの家にはもう一人住むことが出来る……そうよ、深水さんのところに小さくなって住む必要なんてないのよ!)
大樹は大樹で、話しかけられてさっさと離れるのは悪いかと思っている。
(私を見つめて身動きできずにいるのね)
どうやったらそういう結論になれるのか、アイ子さんは相当な誇大妄想家に違いない。
「父さん! 忘れ物!」
昌が走り出てきた。たまたま様子を見かけたダンテが昌に知らせたのだ。
(子どもがいたんだった……)
ちょっとだけ、僅かにアイ子さんの目が覚める。
「昌!」
こんな場所で「父さん」呼び……大樹が感激しないわけが無い。
「昌、昌、」
「ほらほら、父さん! 人が見てるでしょ? すみません、普通ならファザコンなんでしょうけど、父さんって子どもコンプレックスで。俺がいないと朝から晩までもう、『昌、昌』って。ほら、父さん。ハンカチ」
「昌、ありがとう!」
一枚ちゃんとしたアルマーニのハンカチを持っていることなど、大樹の頭から飛んでいる。
「僕、髪を伸ばしているでしょう? 亡くなった母に似ようと思って。父さんって母と大恋愛したので僕を母にかさねているんです」
その言葉が大樹を刺した。昌の思う母とは、あの”綾子”ではない。”母親”に恋焦がれる昌は、ただ夫の気を引きたくて昌を身ごもった女性のことを知らないのだ……
その思いが大樹をいたたまれない気持ちにさせる……
思わず人目もはばからず昌を抱きしめて涙を落としてしまう大樹……
「ごめん、ごめん、昌……一人になんかしないから。父さんがいつだって昌のそばにいるから」
突然の涙に、昌にはなぜこの事態になっているのか分からない。だが、自分にとっては好都合だ。アイ子さんは『父子』の姿にぽかんと口を開けている。
「父さんは昌がいればいいんだ……それだけで幸せなんだよ」
急に昌が大樹を鬱陶しそうに手で突き放す。
「父さん、やり過ぎ! 俺、子どもじゃないんだから」
大樹は気がついていないが、アイ子さんはとっくにこの場から立ち去っている。
「昌、父さんは本当に」
「分かってるって。でも父さん、外ではしっかりしてね。はい、行ってらっしゃい」
さっさと家に入って行った昌の思惑など知るわけもなく、大樹は通りに突っ立ってしまった。
(さっきのはなんだったんだろう)
分からないまま大樹は電車に乗って降り、店に入っていった。
「アルベロ! どうしましたか? 今日は面談の日じゃありませんよ」
「実はご相談があってきました」
奥の事務所に通されて、椅子に座る。その姿に木嵜は内心驚いていた。
「いい指導を受けていますね! 所作がずいぶんと変わりました。いい姿です」
普通にしているつもりだが、大樹にはあっという間に講師の教えが身に着いていた。
「それで?」
コーヒーを出して木嵜が座る。
(間違いなくアルベロはトップスターになる!)
あの初めての面接日の大樹が別人に見えるほどだ。
「実は本屋でアルバイトをしたいんです」
「本屋? アルバイト?」
「はい。息子が来年高校に編入します。申し訳ないのですが、その時に書類に私の勤務場所としてこちらを書くわけには行きません」
木嵜は考え込んだ。ホストで被扶養者を抱えている者などいない。冷静に考えれば大樹の言い分は尤ものように聞こえる。
「オネストはいくつか会社を持っています。その内の一つを書いたらどうですか? それなら問題ないでしょう」
当然だ、余計なバイトなどされたくない。
「分かっていただきたいんです。最初に申し上げた通り、私はここで働く気はありませんでした。けれど負っている負債を考えれば仕方のないことだと……そう自分に言い聞かせています」
「その通りですね」
「でも……息が詰まる……日々の中に安らぎを感じる時が無いのです。どうかアルバイトを許してください、こちらの仕事も一生懸命努めますので」
何度もその言葉を繰り返す。大樹の必死な嘆願を受け入れるべきだろうか…… 木嵜にしても、これだけのダイアの原石を手放したくない。とうとう木嵜なりに折れてしまった。
「ではこうしましょう。フィオレさまにご相談なさい。その上での決めごとでしたら店としては言うことはありません」
「ありがとうございます!」
「許可が出るとは思わないでください。契約書がある。フィオレさまの決定には従ってくださいね」
「はい、承知しました」
その足のまま、霧島家に向かった。
(そう言えば……ご主人の四朗さんにまだご挨拶したことが無い)
そうなのだ。この自分に注がれている大金の出どころである霧島家の主人に会ったことが無い。
「どうぞ」
コーヒーをフィオレに勧められて、優雅にそのカップを手に取った。フィオレはそれだけで満足している。
「出来のいい生徒さんだって評判よ」
「有難いです、そう言っていただけて」
「本当よ。教えやすくて吸収が早いってもっぱらの噂」
「おほめ頂いて恐縮です」
「それで、ご用件はなにかしら? その姿で来たということは『アルベロ』として来たということね?」
「はい」
カップを置くと大樹は立ち上がってフィオレに頭を下げた。
「どうしてもお願いしたいことがあってお伺いしました」
「どんなことかしら」
「アルバイトをする許可をいただけませんでしょうか。もちろん、空いている時間にです」
フィオレは眉をひそめた。
「座ってちょうだい。アルバイト? どんな?」
「本屋の店員です。正確に言えば、面接に受かってからなんですが」
「困ったわね、報酬が足りないってこと?」
「とんでもない! すでに充分過ぎるほしていただいています。そうではなくて、昌のためなんです」
「Akira?」
大樹は訳を話した。
「木嵜さんが仰るには、被扶養者を抱えたホストは例がないとのことです。まず、ファンクラブの会長の許可を得るように、とのご指示でした」
「そうなの…… そういうことを考えてもいなかったわ。私にもまだ子どもがいないから…… そうね、Hirokiはお父さんだったのよね」
フィオレは思案するようにしばらく首を傾げていた。
「報酬のためじゃないのだから、あなたをそこまで束縛する必要はないと思うわ。空き時間も多いしね。あなたの行動予定は前もって私の方で把握することになっているの。いろんな講習が終わったら、たくさんのエスコートが待っているわ。みんなあなたを連れ回したいのよ。食事、オペラ、コンサート、歌舞伎……」
内心、大樹は有難くない。聞いているだけで肩が凝りそうだ。本屋で過ごせたらそこはきっとオアシスになるだろう。
「そうね。私も配慮するわ。おやりなさい、いい息抜きにもなるんでしょ?」
悪戯っぽく覗き込まれて大樹は隠す間もなく赤くなった。
「Hirokiがこういうことを苦手にしているの、分かっているわ。よく努力してくれています。普通の子なら喜んで甘ったれて来るのにあなたは違うもの。真面目で素直でエスコートをするために生まれて来たみたい! でも自由もなくちゃね」
大樹は立ち上がった。
「ありがとうございます!」
「いいえ。ちゃんと相談に来てくれてありがとう。これからもこの調子でよろしくね」
「こちらこそ! よろしくお願いいたします」
帰りかけて足を止めた。
「フィオレ、私はご主人にお目にかかったことがありません。いつかご挨拶させていただきたいのですが」
フィオレは目を見開いた。
「そうだったわ! この前帰ってきたのだけどバタバタしてまた出張してしまったの。そうね、来週帰ってくるのよ。『アルベロ』としてじゃなくて、お隣同士ということでパーティーを開きましょう! Ushioにも伝えてくれるかしら?」
「はい、喜んで!」
「じゃ、面接頑張ってね」
大樹はフィオレの気遣いが有難かった。
(俺の気持ちを分かってくれている……)
会長がそういう人で良かったと、つくづく自分の巡り合わせに感謝した。
「忘れ物、ない?」
「ない!」
「遅刻は印象悪いよ!」
「大丈夫、15分余裕がある」
「終わったら連絡して」
「もちろんだよ!」
昌と汐のチェックを受けながら、大樹は書店の面接へと出かけた。上はYシャツにV字セーター、コート。下は普通のスラックスだ。靴はごくありふれた革靴。
途中、魔の手にかかることもなく無事に駅に着いた大樹は、4駅向こうの双上駅までの切符を買った。
『ついて行ってもいい?』
そう強請る昌を固く禁じて、すっきりした気持ちで面接を受ける。
(これが本当の面接だ)
冷たい空気に手を擦る。電車に乗って椅子には座らず、吊革を握って外を眺めた。
『香林書房』。
(いかにも本屋らしい店名だ。怪しげじゃない)
そこをきちんと確認する。中はそれなりのコンビニくらいの広さがあって、二階建て。そこそこにお客さんが入っている。
レジの前に立った。
「いらっしゃいませ」
「すみません。今日二時に求人の面接を申し込みました仁科大樹と申します。少し早めに伺ったのですが、店長さんのご都合はいかがでしょうか」
あんまり硬い喋り方をしないように、と汐からアドバイスをもらったが、今の喋り方でいいだろうか、と少し迷う。
「ちょっとお待ちください」
レジ脇の電話で内線をかけている女性は、20代後半だろうか。ほっそりした体つきでセーターを着て長めの髪を後ろに束ねている。胸には『藤川』と名札。目がパチッとした可愛らしい女性だ。
「店長、今求人の面接の方が見えてるんですが…………はい、分かりました。ご案内します」
受話器を置いた『藤川さん』は、ちょっと伸び上がって別の店員を呼んだ。
「山本さん! ちょっとお願い」
「はい」
この人もバイトだろうか、メガネをかけた若い青年だ。
「こちらの方、面接に見えた人なの。事務所に案内してくれる?」
「分かりました」
気の良さそうな、軽やかな返事。
(いい人ばかりみたいだ)
大樹はほっとしていた。
『山本さん』に二階に連れて行かれて奥の事務所の前に立った。こそっと『山本さん』が言う。
「店長、ちょっと変わってるけど気にしないでね」
(え? え? ちょっと待って、もう少し情報を)
などと聞けるわけもなくあっさりとドアを開けられ、胸がドキドキしてきた。
「店長、面接の方です」
「お。ご苦労さん。どうぞ」
見た目は普通の初老の男性だ。メガネをかけている。恰幅がいい。白髪はそれほどない。見るからに人好きのする本屋のおじさんだ。
「仁科大樹と申します」
「店長の香田です。履歴書を拝見しましょうか」
「はい」
封筒を出してテーブルに置いた。封筒を開けながら『香田さん』が大樹をちらっと見る。
「本屋でいいんですか?」
「はい?」
「立派な企業に勤めても良さそうに見えるけど。あ、もしかしてクビになったとか?」
「え?」
「わははは、冗談冗談」
(冗談、やめて!)
履歴書は丁寧に見てくれた。
「息子さんがいるんですね」
「はい、17歳になります」
「お若いですね! 奥さんは……これは失礼なことを聞いた。いや、いいんですよ、父一人子一人ってこともあります、あります」
一人で納得している『香田さん』。
「時給930円で募集したんだけど、それでいいんですか?」
「はい」
「ふぅむ……」
何か考えている様子に、さっき以上にドキドキしてくる。
「950円。どうです? 真面目そうに見えるし、ウチとしては是非来てもらいたいんですが」
「ありがとうございます! お願いします!」
「いつからいいですか?」
「今日からでも構いません」
「そう! ちょっと待ってて」
そしてあっという間に研修が始まった。
「ただいま!」
「お帰りなさい!」
「お帰りなさい!」
「お帰り!」
一つの『ただいま』に三つの『お帰り』。
ダンテが入り浸りなのはあのスケジュールでは仕方のないことだ。そして、ダンテがいれば台所を引き受けるのが誰か、ということも。
午後8時20分。明るい『ただいま』に昌が嬉しそうに玄関にバタバタと向かった。
「どうだった!? 今日から働くなんてメール来たから驚いた!」
「いい人ばっかりだったよ。いやあ、結構体使うんだなぁ。本屋さんってイメージがちょっと変わった」
「疲れたでしょ、すぐにお風呂入れるよ」
「ありがとう」
父子の会話だ、汐は何も言わずににこにこと見ていた。ダンテも自分が勧めたホストの仕事よりも溌剌と帰ってきた大樹を見て、ちょっと考えてしまうところがある。
(どっちにしろ良かった! Hirokiにも笑っててほしいし)
風呂を終えて食卓につき、大樹は驚いた。
「すごい……」
「お赤飯はね、日和さんにお願いしたんだ。日和さんも沙代里さんも人に余計なことを言う人じゃないから安心して」
汐の説明で大樹がうるっと来る。
「この鯛は沙代里さんからのお祝いだって。小ぶりでごめんね、って伝えてくれって」
「とんでもない! こんな……俺のためにみんなで」
ダンテが持ってきたシャンパンで乾杯をし、大樹は夢中で今日のことを喋った。
「若い人ばっかりでね、店長以外では俺が最年長なんだ。一週間くらいは研修っていう形になるよ」
「何人くらいいるの?」
「五人だよ。時間は結構自由にみんな仕事してるね。休みなんかも譲り合ったり。正社員以外はシフトってはっきりした縛りが無いから、俺の働き方でも大丈夫みたいだ」
「良かった!」
汐はそれが一番気になっていた。二足の草鞋だ、何かで追い詰められるかもしれないと心配していた。
「でも、無理しちゃダメだよ。父さん、夢中になるとそういうの忘れちゃうから」
汐が昌に目配せして、昌がちょっと席を立った。小さな包みを持ってくる。
「これ、俺たち三人からのお祝い! 高そうな時計するよりこういうのがいいでしょ?」
開けてごく普通の時計を取り出し、手首にはめる。その時点で大樹は泣いている。
「ありが、とう。昌、汐くん、ダンテ……俺、嬉しいよ」
「また泣くぅ。俺の付き人してた時ってこんなに泣かなかったけど、一人の時に泣いてた?」
ちょっと昌の声が優しい。自分が酷い言葉を投げかけたこともずい分あった。我がままだった、『出て行け!』『来るな!』『顔、見たくない!』……
(そのたびに泣いてたの? 父さん、ごめんね)
「心配要らないよ。泣かないように頑張ってたから」
「父さん……ごめんなさい。俺、ずっとだめな息子だったよね」
「あきら……うぇ、え、え、……」
「泣かないで! みんないるんだし! もうひどいこと言わないから」
「うん、昌、ありがとう」
汐がちらりとダンテを見た。指で目を擦っている。
(こいつも思ったよりいいヤツなのかも……もらい泣きしてる)
いろいろ心配してくれてるし、ホストのことも腹は立つが、良かれと思って行き過ぎた行動をしてしまったのだろうと。
ダンテはちょっと焦っている。確かにうるっとはきた。それで目を擦ったのだが。
(タバスコが指についてた!)
とうとう洗面所に行って目を洗って戻る。目は真っ赤だ。
「ダンテ、お前っていいヤツだったんだな。大樹さんのことでそんなに泣くなんて。ダンテが泣く所って初めて見たよ」
(誤解だけど……うん、解かないでおこう!)
「だっていい父子だと思ってさ」
にこりと笑うと、汐もにこりと笑い返してくれた。
(タバスコ、手について良かった!)
この夜はこの家で初めて心から笑い合ういい夜となった。大樹も夜は何の心配もせず、ゆっくり眠ることが出来た。
二足の草鞋は上手い具合に噛みあっていた。
本屋の仕事は、大樹にとってホストより刺激的で楽しかった。納品された本をチェック、登録。書棚に収めて、平積みの本を整理し直し、宣伝アピールを書き、スタンドを立てる。
一連の流れを覚えるのも楽しくて、ずっと立ち仕事なのも苦ではない。年長なのに素直でフットワークが軽い大樹は、すぐにみんなに受け入れられた。
藤川さんと岩下さんはここの正社員なのだそうだ。本が好きで好きで、夢が叶って香林書房に入社した。志望動機が同じせいか、二人は特に仲がいい。大樹は密かに恋人同士なのだろうと思っている。
他の人は全員大樹と同じアルバイトだ。
初日に店長のところに案内してくれた山本さんは、驚いたことに汐の同級生だった。挨拶をする程度だというが、ちょっとした親戚のお兄さんになったような気がする。後藤さんはあまり喋らないが、人当たりはいい。どうやら娘さんと息子さんがいて、教育熱心だということが伝わってくる。自分でもよく参考書などを買っていく。
「仁科さんは真面目ですね」
店が暇な時に岩下さんが話しかけてきた。
「そう見える、ってよく言われます」
「いえ、真面目ですよ! 熱心だし。こんなこと聞くのアレだけど、恋人とかいるんですか?」
「いえ、……息子がいます」
「じゃ、家庭持ちですか! いいんですか? バイトで。なんなら社員にって店長に」
「いえ、いいんです。住まいは知人に同居させてもらってるし」
「そうなんですか? いつでも言ってください、俺からかけあいますよ」
「ありがとうございます」
「息子さんっておいくつ? 小学校何年生?」
大樹は34歳だし若々しく見える。だからそう思われても不思議はない。
「高校二年生なんです。思春期っていうか、反抗期って言うか……ちょっと難しい年頃ですね」
「ええ、高校生? ご結婚早かったんですね!」
「ええ、まあ」
「そうかぁ、高校生か…… じゃ、すぐ大学の心配で大変じゃないですか!」
「そうなりますね」
そこでちょうどお客さんに新刊本の場所を尋ねられ、ほっとした。プライベートはまだあまり突っ込んだ話をしたくない。
フィオレはこのバイトを歓迎していた。
「Hiroki、前と違って生き生きとして見えるわ」
「そうですか?」
「ええ。肌の艶も違って見える! いいことよ」
「ありがとうございます。フィオレが許してくださったお陰です」
「それでね、明後日なんだけれどお昼から空けてもらえるかしら?」
「今日連絡しておけば大丈夫です」
「そう! 良かった。鈴木様のエスコートをお願いしたいの。ランチのお相手から、その後は舞台の観劇。舞台については資料を渡すので下調べしておいてね。今回は用意するけど、次からは自分で資料も作って欲しいわ」
「はい」
「後でスケジュール表を送っておくわね。不明のところはいつでも私に聞いてちょうだい。ファンクラブでは会員側は本名を使うからそのつもりでね」
「かしこまりました」
「それから土曜の6時はShiroが金曜に帰って来るからディナーにご招待します。これはプライぺートだからリラックスして来てちょうだいな」
「はい、ありがとうございます」
やっと四朗に会える。大樹は楽しみだ。汐の反応はイマイチだったけれど。
「四朗さん? 暑苦しいんだよな……」




