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心を病んだ元アイドルは俺を欲しがりすぎる

作者: 蹴神ミコト

現代恋愛日刊ランキング17位ありがとうございます!


キーンコーンカーンコーン



俺の彼女、天上院花蓮は休み時間になると動きが速い。

元トップアイドルの脚力を発揮し数秒で俺の胸に飛び込んでくる。




「たろくーん!!」


「はい、よしよし」




結構な勢いで飛び込んでくるため俺は立ち上がって受け止める。

教室の一番後ろに固定された席なので周囲の邪魔になりづらく受け止められるのは利点だ。


俺の席が固定されている理由は簡単だ。俺が前だと邪魔だから。



俺、大和太郎は身長197cm体重122kg、中学時代に世界柔道選手権で金メダルを取り飽きて柔道をやめた経歴を持つ。

彼女の天上院花蓮は身長148cm、飛び込んでくると胸にスポッと収まる。とても可愛い。


受け止めた後は花蓮をクルンとお姫様抱っこに持ち替え席に座る。

座ったら今度は俺の膝に花蓮を座らせ、後ろから抱きしめた態勢になる。




「いやーあんたら休み時間のたびにそれやるって地味に鍛えられるよねー」

「2人ともチア部入らない?」

「大和君が着れるサイズのチア服無いっしょ!」

「私のたろくんをナチュラルに女装させようとするのやめない?さすがに見たくないよ?」

「身軽なアイドルと投げる柔道家の姿勢変更って芸術的過ぎていつまでも見てられるわ」



この態勢で花蓮は女子たちとお喋りをする。それが俺たちの日常だ。




こうなったのは俺たちがバカップルだからではなくちゃんとした理由がある。

巨漢の俺が花蓮をだきしめていないと花蓮は男に囲まれてしまうのだ。


それも顔より下ばかり見てくる発情した危険なやつらに。

だからもうこれは仕方ないのだ。仕方ない仕方ない。




「…たろくん、教室の入り口に発情したのがいる」


「仕方ないなぁ。」




俺は花蓮の抱きしめ方を少し過激な物にする。

ヒョイと花蓮を持ち上げ反転、向かい合うようにし胸の中に花蓮をしまう。

背中に腕を回し、空いた手で頭を撫でてやる。

「ふあ」と花蓮の気持ちよさそうな声が漏れるのが嬉しい。


そのまま6秒ほどすると発情男は複雑な顔をして消えていった。

女子たちがやいのやいのと話し出す。



「最初は男に囲まれる花蓮のこと本気で心配してたけど…今やあいつらあんたらのイチャイチャのスパイスよね…」

「でも気持ちは分かるなー最初なんて花蓮の周りをヤバい目つきの男が3重で輪を作って囲ってたもんね…」

「あれマジで公開レ〇プショー近日公開って空気だったよね…ほんと大和君が居て良かったわ…」




俺は入学初日に初対面の花蓮に助けを求められて今の関係になった。

花蓮は3月にアイドルを引退した、理由は悪意に晒され続けて心がボロボロだったからだ。

そして4月にヤバい男に囲まれまくったのだ。追い打ちもいいところだ…


そのせいで花蓮は俺への感情が愛も依存もある。

『助けてくれた大和太郎を好きだからくっつきたい』もあるし

『大和太郎がいなくなったら何もかも終わり』とも思っている。


俺もこれだけ好いてくれる美少女とか好きにならない理由が無いんだが…




俺たちは1つだけ分かり合えない部分がある。




グリッグリッ

花蓮は俺と向かい合って抱き合っている。

花蓮は腰をうねらせ、俺の上でお尻を生き物のようにうねらせる。



「花蓮?そういうのはやめない?」

「ふふっ、たろくんに意識してほしいの」




グルッグリッ  ぐりぐりぐりぐり


「やめんか」

「こめかみは待って待って痛いごめんなさいって、やめるから」




「花蓮はそういうアピールは家でやんなさいよ」

「やだー花蓮だいたーん、いつもの風景」

「つーかいつもだけど、どして花蓮そんなことすんの?ぎゅーで十分じゃね?」




女子たちの問いかけに花蓮は笑顔で言い放つ。


「たろくんが私に手を出せば出すほど、私から離れにくくなるでしょ?たろくんの既成事実欲しいなー」


「俺は花蓮から離れないからそういうアピールはもう少し大人になってからしてほしいかな」



俺と花蓮は上と下から向き合うように思いを伝えあう。

さっきやられたせいで目線が自然と唇に吸い寄せられる。ずるい。


花蓮は離れたくないがあまり最終的に子供を望んでくる。

さすがに高校卒業まで出産は無いようにしてほしい。




「あのね花蓮。俺は君とイチャイチャしたいんだけど子供が出来たら子供中心の生活になっちゃうでしょ?だからまだお預けね」


「子供もたろくんもどっちも愛するからお情け…お情けを…!」


「はい。そろそろ授業始まるから席に戻ろうか!」




女友達に引きはがされた花蓮(俺が引きはがすと泣きながら抵抗してくる)は最後に俺の頬にそっと唇を合わせ


「次の休み時間まで私の事だけ考えてね?」


「いや、授業の事考えるよ?」


「けちー」




そんな軽口を叩きながら席へ戻っていく。


入学式から半月で絆されまくってしまった。イチャイチャは嬉しいがあと3年誘惑に耐えたいところだ。

少しでもR18な事をしたらずるずる止まらなくなる気がするから花蓮が自制しない分俺が自制するんだ。


…卒業式時点で妊娠一ヶ月なら大丈夫か?いやいかん毒されている。





これは花蓮とイチャイチャしたい俺と

今すぐにでも子供を欲しがるちょっと病んだ元アイドルの絶対に負けられない戦いである。


絶対に可愛い彼女になんて負けたりしない!(キリッ)



基本的にずっと抱き合ったまま生活が進む2人です。

学年には何人か美女が居てそれぞれあだ名があるそうですが

花蓮のあだ名は【断崖絶壁の花】です。近寄れないからね。

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― 新着の感想 ―
[一言] たぶんこの日の放課後にでも初戦をこなしちゃってるんだろうなぁ(遠い目
[一言] (キリッ!ってフラグw。
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