逃げ場ゼロ
誤字報告ありがとうございます!続いてのお話です。ツカサが助かる妙案未だ思いつかず…ツカサ君を追い詰める方法なら既に二桁は思いつきましたw
ツカサはアリエルに別れを言えないまま総本山に向けて馬車に揺られながら進んでいた。
「見れば見るほど不思議だね。この子。」
「そうだな。しかし余計なことは考えなくていい。」
「そうだね。アグネス。私たちはこの子を総本山に連れて行けばそこでお終いだもんね。」
「何を言っている?ニア。そこから更に異端審問を執り行うのだぞ。」
「分かってるって。ただ一旦はそこで終わりって意味。」
ツカサは馬車の前で馬に乗りながら並んで話し合う二人を見ていた。そしてツカサは気になることがあったので二人に尋ねる。
「あのぅ…」
ツカサが尋ねると二人は振り返り返事をする。
「なに?坊や。」
「なんだ?」
ツカサは二人同時に振り返ったことに驚きつつも尋ねる。
「護衛はお二方だけなのですか?」
それを聞いた二人は呆気にとられるも少して笑い声を上げる。
「ププッ。面白いね。君。」
「貴様の護衛など私一人でも十分だ。300メートル先の光景をよくみておけ。」
アグネスが背中の剣に手をかけたかと思うと凄まじい強さの風が吹きツカサが目を閉じた瞬間にはアグネスは剣から手を放していた。
そして300メートル程進んだところで見せられた光景は胴体が真っ二つになった二十人程の死骸であった。
「これは…」
「アグネスがやったんだよ。山賊がいたから片付けたって訳。」
「成程…」
「これで分かってくれたかな?護衛が私たち二人だけで十分な理由。」
「はい!それはもう十二分に!」
「それならよかった!」
それからは何事も問題なく幾つかの村や街を通り支給される食事を食べ馬車は総本山に向かって進んでいく。数刻の時を経て馬車は総本山の麓にまでやってくる。
「降りろ。ここからは歩きになる。」
ツカサは言われた通りに馬車から降りて前をアグネス後ろをニアに挟まれる形で歩いていく。
「あの…僕はこれからどうなるんですかね?」
「うーん。取り敢えずい異端審問が開かれて処罰される感じかな。」
「処罰とは…?」
「死だ。普通はな。」
アグネスの含みがある言い方にツカサは首を傾げる。
「普通は…?」
「君は神の使徒でしょ?だから普通に殺しても死なないからどういう処罰になるかは私たちも知らないんだ。それに君が処罰されない場合もあるよ。」
「そうなんですか?」
「うん。それは君が悪魔憑きだった場合。その時は悪魔を祓えば終わりだから大丈夫。」
「成程…」
ツカサは完全に希望が潰えたわけではないことを知り安堵の表情を浮かべる。そして一行は山の入り口と思われるところに到着する。そこは大理石の門が聳え立ちその脇には二人の純白の鎧に身を包んだ者がいた。
「止まれ。何用だ?」
「異端審問官アグネス。」
「並びにニア。教皇マリアの命により護送対象と共に馳せ参じた。」
「通れ。」
門番が何かを唱え門を開き一行は山の中へと入っていくのであった。
暫くして山を登り終えて一行は麓からも見えていた神殿に辿り着く。ツカサは二人に連れられ進んでいく。神殿内を巡回している者や聖職者たちから視線が集まる。しかしツカサは特に気にすることもなく純白の神殿に感動しながら歩いていたのであった。
(こんな綺麗な建物があるんだ…)
ツカサが感動しながら歩いていると扉が見えてきてアグネスが立ち止まり急に振り返る。ツカサは前をよく見ていなかったこともありアグネスに正面からぶつかる。丁度アグネスの胸の部分に顔が当たる感じであった。
「き、貴様ぁ!これ以上罪を重ねる気か!」
アグネスが剣を抜こうとするのをニアが止める。
「ドゥドゥ。落ち着いてアグネス。坊やも悪気があった訳じゃないんだろうし。」
ニアが荒ぶるアグネスを何とか落ち着け事なきを得るのであった。そんな中扉の中から一人の男が現れる。
「二人ともご苦労だったな。後は私が連れて行こう。」
審問会はすぐそこまで迫ってきていた…
またコロナが盛り返してきましたね…皆さんお気をつけて。どうでもいいことですがラーメン美味い。




