謁見
ツカサ君…強く生きて
その後馬車は城に無事に着き馬車から降りると待合室のような場所に通される。
「ツカサこれに着替えて。」
「これは…?」
「メイド服よ。」
ナタリーはそう言ってメイドから受け取った服をツカサに渡す。
《メイド服セット×1を手に入れた。》
「なんでメイドなんですか…?」
「え?セバスがその方が良いって。」
「潜入にはメイド姿の方が成功しやすいと思いまして。」
「そうですか…」
ツカサは複雑な気持ちになりながらもイリーナを助けるために着替え室で着替えるのであった。着替え室から出てきたツカサを見て二人は驚いた表情を浮かべる。
「驚いたわ。全く違和感がない。」
「これは…変装という次元ではないですな…」
ツカサ君…メイドに大変身である。案内人の騎士に呼び出される間ツカサ君は羞恥心でどうにかなりそうだったとのこと。
「国王陛下から謁見の許可が下りましたのでこちらに。従者は一人までなっております。」
「行くわよ。ツカサ。セバス後は任せたわよ。」
「かしこまりましてございます。」
セバスに見送られ二人は部屋を後にするのであった。
そうして騎士に連れられナタリーとツカサは謁見の間に向かう。
「ナタリー・アルフォンス公爵がお着きになりました。」
騎士が扉の前でそう言うと扉が開く。奥には玉座に座った国王とその両脇にはそれぞれ一人ずつ騎士と魔術師がいた。ツカサはナタリーの後についていく。
「お久しぶりでございます。陛下。」
「うむ。堅苦しい話は無しにして其方の此度の謁見理由を聞かせて貰おうか。」
「はい。今囚われている者のことでお話が。」
「ふむ。聞こう。」
「今囚われている者は犯人とは別の者である可能性が高いかと。」
「それは誠か…?」
国王はその報告を聞いて信じられないといった表情を浮かべる。
「ナタリー公爵何故そのような結論に至ったか聞かせて貰っても?」
「勿論です。アイラ騎士団長殿。検死の結果全て刃物によるものだったとのことなのですが今囚われている者は主な武器が糸とのことなのです。」
「その情報は何処から?」
「今囚われている者は裏ギルド『シュヴェルツェ』の者とのことです。」
「それが本当なら大問題です。陛下。」
それに待ったをかけるように横から別の声が上がる。
「お待ちを。その時だけ短剣を使っていたという可能性はないのですかな?」
「コロン宮廷魔術師長。暗殺者がわざわざ自分の不得意な獲物で暗殺するとお思いですか?」
「では本物の暗殺者はどこにいるというのだ?」
「それは…」
ナタリーは痛いところを突かれ押し黙る。
「キンメル侯爵が暗殺された時にあの者が暗殺現場にいたから捕らえたのだぞ。」
「現場にいたから犯人だと考えていたがそれが違う可能性があるやもしれぬ。それに裏ギルドの者を処刑したらどうなるか分かったものではないぞ。それはコロンお前が一番分かっているはずだが。」
「成程。そこまで言われたら仕方ありますまい。」
アイラはコロンがあっさりと引き下がったことに僅かながら違和感を覚える。
「陛下。」
「なんだ?コロン。」
「先ほど会われた裏ギルドの者に確かめさせては…?」
「ふむ。そうだな。」
それを聞いたナタリーは慌てて質問する。ツカサも驚いた表情を浮かべ目を丸くする。
「どういうことでありましょうか?陛下。」
「其方たちが来る前に裏ギルドの者に会ったのだ。」
「確かめる者なら適任の者がいます。裏ギルドから今回の件で直々に派遣されてきた者です。」
「それは誠か…?その者はどこにおる?」
「ここに。私の従者です。ツカサと言います。」
ツカサは軽く会釈をして挨拶をする。
「ふむ。判断材料は多いに越したことはないな。その者も立ち会わせるということでよいな?コロン。」
「分かりました。後は我らにお任せを。」
それからツカサ達は謁見の間を後にして待合室でコロンが言うもう一人の裏ギルドの人物を待つのであった。
暫くして扉が開いた。扉が開くとそこにはツカサがよく知る男が立っていた。
高校の文化祭の時にメイドに女装させられた嫌な思い出…うっ頭が…




