救出作戦
この小説を読む上で留意して欲しいことはこれが小説だということです。お気に召さない方は他の名作を読んでもらえれば(マジメに)。よろしくどうぞ。
「ちぃ。逃げられたか。」
「なかなかやるなあの子供。気配を消し方では私たちを凌ぐといっても過言ではない。」
ツカサを追っていた二人組の男はツカサの気配が完全に消えたため追跡を諦めるのであった。
「あのガキは多分裏ギルドの奴だ。」
「成程。裏ギルドか。実態がよく掴めていない組織ほど不気味なものはない。ここら辺で尻尾を捕まえておくのもいいかもな。」
「なら鳥を飛ばしておくぞ。あのガキがどこに行ったのか見つける。」
「わかった。」
そう言い男は袖から複雑な模様が描かれた紙を取り出し詠唱を始める。
「我が眷属よ顕現せよ。フレスベルク。」
詠唱が終わると持っていた紙が輝き大鷲が現れる。
「ナンデショウカアルジサマ。」
「尋常ではない雰囲気をもったガキを見つけたら俺に知らせろ。」
「ショウチシマシタ。」
大鷲は命令を受けると空高く飛び上がるのであった。
「いつ見てもお前には不釣り合いだな。」
「あ?やるか?」
「冗談だ。戻るぞ。ここにいる意味はもうない。」
そうして男たちは一瞬にしてその場から姿を消す。
一方その頃ツカサはクララとマトイと合流して今後の動きを伝えていた。
「僕は仲間を救出しに行かなければならないのでここで別れましょう。」
「分かりました。ではこれを。助けて貰ったせめてものお礼です。」
「これは…?」
ツカサが渡されたのは小さな黒い箱であった。
「いいのですか!?これは貴方が!」
「いいのですよ。マトイ。私では守り切れそうにない。今回の襲撃も全て私の責任です。あの木箱に細工がしてあったんでしょう。」
「そんな…」
ツカサは何やら深刻な事態ということを悟る。
「あの…お返ししましょうか?」
「クララに託されたんだから守り抜きなさいよ!バカ!」
「わ、わかりました。お預かりします。」
ツカサはインベントリを開きその黒い箱を入れる。
「では達者で。」
「はい。この箱は大切にします。」
クララとマトイに別れを告げてツカサはクロムの救出に向かうのであった。ツカサは気配を消しながら宿屋『ブルーラ』へと走る。そんなツカサを空から見下ろすものがいた。
「バロルサマ。カゼノウゴキガカワリマシタ。スゴイソクドデナニモノカガナントウノホウガクニムカッテイマス。」
それを聞いたバロルと呼ばれた男は相方の男に声をかける。
「ジン。動いたみたいだぜ。やっぱり目的地はあの宿屋みたいだな。」
「問題ない。既に向こうは片付いたし仕掛けも施した。先に俺たちは奴らから目的のものを回収するぞ。あの二人の動きの方が重要だ。見逃すなよ。」
「見逃すわけねぇだろ。」
バロルとジンはツカサふぁ出てきたと思われる宿屋に急いで向かうのであった。
その頃ツカサは目的の宿屋についていた。慎重に扉を開けるとそこでは普通に宿屋が営まれていた。料理を食べる者。談笑する者。酔っ払っている者など様々である。
「いらっしゃい。坊や何しに来たんだい?」
「すいません。少しトイレを貸してもらいたくて。」
「向こうの通路を進んで左のところにあるよ。」
「ありがとうございます。」
ツカサは教えてもらった通りにトイレがある通路へと行き宿屋の人が見えなくなったところで行動を開始する。装備を裏ギルドのものにつけかえる。
「よし。情報通りなら地下にいるはずだ。」
そう言ってツカサは慎重に気配を消しながら進んでいく。
《隠密がLV.5になりました。》
(やったー!)
内心で狂喜するツカサ君であった。
一通り一階を調べてみたがツカサは地下へと続く階段を見つけられなかった。そこでツカサは二階へと上がっていく。二階は個室しかなく仕方なく一部屋ずつ調べていく。しかし全ての部屋に鍵がかかっていていた。ツカサは鍵穴から部屋の中の様子を見る。そうして一つずつみていくうちに一つだけ生活感が全くない部屋を見つける。違和感を感じたツカサはピッキングで鍵を開け部屋に入り鍵を閉める。
「ここは…」
あまりに普通の部屋すぎた。普通すぎたが故にツカサは違和感を感じたのである。
時々勘が鋭くなるツカサ君である。普通とは程遠い存在は普通の存在を見た時に違和感を覚えるという現象だろうか?
「ここかな?」
ツカサは調べているうちに不自然に配置されたタンスを開けてその中を調べる。すると板がずれる箇所がありそこから隠し通路が見つかる。
(一階探しても見つからないわけだ。二階から直接地下に繋がっていたんだね。)
ツカサはそんなことを考えながら通路を進んでいく。暫く進んでいくと扉のような者があり向こう側からする気配は一つであった。ツカサは扉の前で向こうに聞こえるぐらいの物音を出す。
しかし暫くしても向こう側から扉が開かれる様子はない。ツカサは意を決して扉を開く。するとそこには…
倒れ伏す男たちの姿があった。
(死んでる…)
ツカサは急いで気配がある者のところまで行く。部屋に入るとそこには椅子に縛り付けられた者がいた。
「大丈夫ですか!?」
ツカサはすぐさまポーションをかけ縄をほどく。すると目の前の男は意識を取り戻したのかツカサを見て話す。
「あぁ。なんとかな。俺はクロムだ。」
「ツカサです!裏ギルドから派遣されてきました。ロンさんやエレオラさんが待ってます。逃げましょう。」
「いや俺はもうダメだ。身体に何かをされた。お前は逃げろ。そしてこれを届けてくれ。裏ギルドの裏切り者達のリストが入っている。必ずエレオラさんに渡すんだ。いいな?」
「裏切り者!?わかりました…ベリドはどうなりました?」
「あそこにいるのがそうだ。」
ツカサが視線の先を見るとそこには剣で突き刺されている死体があった。
「今すぐ逃げろ!何としても情報を伝えるんんだ!」
ツカサが大きく頷きその場を後にしようとしたその時うしろから声が聞こえた。
「どこに行くって?」
「ここが貴様らの終着点だ。」
ツカサが振り向くとそこにはクララ達を襲った二人組の男がいた。
犬の散歩で適当に歩き回っていたらいつのまにか全然知らないところまで行ってました。
そして家に帰ると犬に伝えたら犬が先導してくれて帰ることができました。犬が自分より賢いということが証明された瞬間でしたw




